宙組再開のお知らせから数日が経ちました。


 私もいろいろ考えました。下級生たちの為を思うと喜ぶべき宙組再開を手放しで喜べなかった理由とか、自分の中でモヤモヤしたままにするのは嫌だったので、自分なりに真剣に考えました。


 例えば、宙組再開したとき、宙組上級生たちに客席に向かって謝ってほしいかと言われたら、我々に謝られても……という気持ちになると思います。


 それは多分、私は何もされていないからです。謝られても、彼女たちを怒っているわけではない。謝罪のことこそご遺族と話し合えたのなら私は何も思うことはないです。


 そう、私は彼女たちを怒ったり憎んでるわけではないんですよね。


 じゃあ合意があったのだし、外野としては宙組再開を黙って受け入れるだけでは? とも思うのですが、今回の合意書締結はパワハラを認めたうえで結ばれたものでした。


 パワハラに該当する指導が実際にあったとされ、それは個々の責任ではなく、すべて劇団のせいという形でまとめられました。


 それはつまり 「上級生たちはパワハラをしたけれどパワハラの認識ができていなかった」 「パワハラの認識ができていないのは劇団の指導不足だった」ということにされたわけです。


 じゃあ、上級生たちは何がパワハラなのか認識しなければいけないし、劇団は丁寧にそれを教えなければいけない。 責任ってそういうことだと思うんです。


 でも、その責任を劇団が果たしてくれているのかという不信感が私には拭えません。


 劇団がもっと誠実であったあならば、加害者も被害者もいないなんてあのへらへら会見は開かなかったでしょう。

 阪急阪神 HD とは全く無関係の第三者委員会を早々に設置していたでしょう。

 劇団に都合のいい報告書なんて作成していなかったでしょう。

 どうしてこんなことが起きたのかという 「原因に対する検証」 が行われていたでしょう。

 そのうえで再発防止策をたてられたでしょう。

 証拠を提出しているのにそれを受け取らず「証拠を見せてください」 なんておかしな発言を会見ですることはなかったでしょう。


 思い出すだけでこの半年間、 劇団が何かするたびに隠蔽と不信感があふれかえるようでした。


 そう。劇団への不信感。これが宙組再開において私がもやもやする一番の原因なんです。


 確かに、劇団は合意の報告と共に再発防止策の資料を公式に載せました。


 しかしながら、この半年間、劇団は困った事態になるまで、きちんとした対応をしなかった組織です。再発防止策の資料を載せたって、それだけで私の劇団に対する不信感は拭えないほど大きくなってしまいました。


 だからこそ、これから先きちんとプロデューサーたちは下級生たちの声を拾ってくれるのかが心配です。

 スターである上級生たちにパワハラ認識の指導が出来るのかが心配です。


 劇団に不信感があるからこそ、いろんなことが気がかりであり、また同じようなことが繰り返されるかもしれない不安に繋がります。


 私にとって宙組再開をモヤつかせる一番の要因は、「改善にきちんと取り組んでくれるのか分からない劇団への不信感」。これが一番しっくりくるような気がします。


 だからこそ、宙組の下級生たちがパワハラ等をうけずに楽しく舞台に立てていると分かる日々が待っていたら、そこで私はやっと、宙組公演再開を喜べるのかもしれません。


 それまでは、宙組再開を手放しで喜ぶことは出来ないのだと思います。きちんと再発防止が出来ていると分かったら、そのときやっと受け入れられると言いますか……。


 感情を言葉にするのは難しいのですが、今はそういう気持ちです。


 とにかく、こんな悲しいことが二度と起きてほしくないので。それは宙組再開に喜んでいる人たちもきっと同じ気持ちだと思うので。劇団は誠心誠意、再発防止につとめてください。お願いします。




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