腰髄損傷とは、腰の部分の脊髄(腰髄)が損傷した状態のこと。

 

  原因は?

高エネルギー外傷(高所転落)が主な原因。
*まれに内科疾患(腫瘍、ヘルニア)などによって損傷することもある。

  症状は?

  • 運動麻痺、感覚障害
  • 膀胱・直腸障害
  • 性機能障害

〇運動麻痺、感覚障害

 

損傷した髄節以下の筋系(筋肉)、感覚に障害が起こる。

●運動麻痺は、主に下肢の筋力低下が起こる。不自由ですが脚が動く。(一部は歩行可能)

 

 第2腰髄 ― 股関節を曲げることができる
 第3腰髄 ― 膝を伸ばすことができる
 第4腰髄 ― つま先を上にそらすことができる
 第5腰髄 ― 足の親指を上にそらすことができる
 第1仙髄 ― つま先を下に向けることができる


●感覚障害は、受傷した髄節以下に起こる。

 

 腰髄損傷を受けたレベルによって、太ももから足の甲に至るまでの、下半身の感覚障害が生じる。しばしば、身体の表面の特定の部位に痛みを伴うこともある。

〇膀胱・直腸障害

排尿中枢はS2~3(第2~3仙髄)にある。


●S2~3より高位損傷した場合
⇒核上型神経因性膀胱になる。

核上型神経因性膀胱とは、膀胱に尿がたまるとそれが刺激になって膀胱が反射性の排尿を行うが、排尿のための膀胱の収縮と共に、漏れを起こさないようにする括約筋が弛緩しなければならないが、その連携がうまく機能しない状態。

 

●排尿中枢や、それより下位で損傷した場合
⇒核・核下型神経因性膀胱になる。

核・核下型神経因性膀胱とは、膀胱が弛緩して、尿が多量にたまるようになるが、収縮力が弱く十分に排尿ができない状態。

 

・排尿障害

●過活動性膀胱:尿が少し溜まっただけでも勝手に膀胱が収縮する状態。


●低活動性膀胱:膀胱収縮が十分にできなくて、尿を出すことができない状態。

 

 

排便中枢は、S2~4(第2~4仙髄)にあるとされている。

・排便障害 

 第9胸髄以下での損傷では、便秘と下痢を繰り返しやすいとされている。

 

〇性機能障害

●男性:勃起不全、射精障害。
●女性:無月経、周期が狂うことがあるが回復することが多い。

https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/30960/sekisonnkeatetyou.pdf

 

脊損ケア手帳 大阪府

 

  まとめ

 

本日は、腰髄損傷についてまとめてみました。腰髄損傷とは、腰の部分の脊髄(腰髄)が損傷した状態で主な、損傷原因は、高エネルギー外傷(高所転落)。症状は、運動麻痺・感覚障害、膀胱・直腸障害、性機能障害などが生じ、損傷した髄節以下の障害が起こる。

 


最後まで読んでいただきありがとうございます。参考にしていただければ幸いです。

 

 

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