健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。

 

企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されています。

 

健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つです。

経済産業省 健康経営の推進の概要について

 

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/kenkokeiei_gaiyo.pdf

 

  健康経営に関心が高まっている?

 

背景として、

①生産年齢人口の減少と従業員の高齢化 

②深刻な人手不足

③国民医療費の増加

 

などが挙げられます。

 

 従業員の高齢化に伴い、病気等により貴重な人材が継続して働けなくなるというリスクが高まっていること、少子化により生産年齢人口が減少し、長期に亘って深刻な人手不足が続くこと、高齢化による国民医療費の増加が企業の社会保険料負担の増加に繋がっていることなどです。


こうした日本の構造的な課題を背景に、人材を確保し、長くいきいきと企業で働いてもらえる環境づくりが、継続した企業活動には不可欠と考える経営者が増え、健康経営への関心が高まっています。

東京商工会議所 健康経営

https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/01/

具体的にみていきましょう!

 ①生産年齢人口の減少と従業員の高齢化 

 

・生産年齢人口(15-64歳)は2065年に約4,500万人となる見通し(2020年と比べ約2,900万人の減少)。 

 

・2065年には、老年人口(65歳以上)の割合が約4割に高まる一方、生産年齢人口の割合は約5割に低下する見通し。

 



 

https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/2zen2kai1-2.pd

 ②深刻な人手不足

 

・少子化により生産年齢人口が減少し、長期に亘って深刻な人手不足が続くとされています。その原因として、非婚化・晩婚化及び結婚している女性の出生率低下などが考えられます。

 

年齢別出生率を見ると、1950年・70年は20代半ばでピークを迎える山型の曲線を描いていましたが、次第にそのピークが推移していき、出産年齢が上昇するとともに、出生率の高さを示す山が低くなっていくなど、出生率の低下と晩産化が同時に進行していることがわかります。

 

また、1990年代以降は、晩婚化・晩産化により、20代の出生率が大幅に下がり、30代の出生率が上昇するという出生率の山が後に推移する動きがみられるようになりました。

 

さらに、デフレが慢性化する中で、収入が低く、雇用が不安定な男性の未婚率が高いほか、非正規雇用や育児休業が利用できない職場で働く女性の未婚率が高いなど、経済的基盤、雇用・キャリアの将来の見通しや安定性が結婚に影響することから、デフレ下による低賃金の非正規雇用者の増加などは、未婚化を加速しているおそれがあります。

 

 ③国民医療費の増加

 

高齢化と医療の高度化により、医療費は年々上昇しています。厚生労働省の発表、令和3年度の国民医療費は45兆359億円、

前年度に比べ4.8%の増加となっています。人口一人当たりの国民医療費は 35万8,800円、前年度に比べ5.3%の増加となっています。

 

国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は8.18%(前年度7.99%)となっています。さらに、同省の試算によれば2025年の国民医療費は54兆円まで増加すると推計されています。

 

現状のままでは、医療保険制度を支える国や医療保険者の財政が逼迫し、国民皆保制度の維持が危ぶまれる状況に陥ります。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/21/dl/kekka.pdf

こうした日本の構造的な課題を背景に、人材を確保し、長くいきいきと企業で働いてもらえる環境づくりが、継続した企業活動には不可欠と考える経営者が増え、健康経営への関心が高まっています。

 

  まとめ

 

健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。

 

企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。

 

健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つです。

 

今後、ますます労働人口の減少が危ぶまれるなか、限られた人材でいかに生産性を高めるかが企業の経営課題と言えます。健康経営を実践し、取り組みを継続していくことが大変重要であると考えます。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。参考にしていただければ幸いです。

 

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