治療と仕事の両立に向けて、支援対象者、主治医、会社・産業医などのコミュニケーションが円滑に行われるよう支援する者とされています。

 

  両立支援コーディネーターはなぜ必要か?


治療と仕事との両立は、子育てや介護と違い、時間や金銭的な要因だけでなく、ご自身が患者さんとして治療をうけるという特殊性があります。医療という専門性や社会福祉資源の複雑さもあり、患者・家庭だけでは対処しきれないことも多いのです。


「労働者=患者」と「事業者」と「医療」との情報共有が必要となりますが、共通言語ではないことが多く、「患者=労働者」の思いに耳に傾け、支援するコーディネーターは非常に有用となります。

 

 

患者・家族が治療と仕事の両立を図る上で、多くの場合、医療と職域間の連携が必要ですが、実際の治療現場では、職域との連携や協議に注力できるほどの自由度が乏しいといった理由から、十分な連携が機能しておらず、職場においても積極的な支援がなされていないというのが実情です。

 


   そこで、患者・家族と医師・MSWなどの医療側と産業医・衛生管理者・人事労務担当者などの企業側の3者間の情報共有のためのコーディネーターの配置が必要となります。

 

治療就労両立支援部 | がん診療と緩和ケア | 富山ろうさい病院

 

  両立支援コーディネーターの対象者は?

 

すべての疾患を対象として、治療と仕事の両立支援に取り組んでいます。

 


 治療と仕事の両立とは、病気を抱えながらも働く意欲があり、全く元のとおりにはいかずとも、職場でこなすべき仕事に耐えうる能力のある労働者が、仕事を理由に治療機会を逃すことなく、また、治療を理由に職業生活の継続を妨げられることなく、適切な治療を受けながら、生き生きと就労を続けられることです。

 

  両立支援コーディネーターになるには


独立行政法人 労働者健康安全機構が主催の両立支援コーディネーターの基礎研修を受講することです。


≪基礎研修≫
※新型コロナウイルス感染症拡大後よりオンライン形式で開催となっております。

 

1,研修形式

 

「動画配信」と「WEBライブ講習」を組み合わせて実施されています。
 


〇「動画配信」
・治療と仕事の両立支援とは 
・産業保健に関する知識 
・労務管理に関する基本的知識 
・社会資源に関する知識 
・両立支援のためのコミュニケーション技術 
・がん経験者による当事者談話
 


〇「WEBライブ講習」
・両立支援コーディネーターの必要性とその役割および留意点 
・基本的な医療に関する知識 
・両立支援コーディネートの実際     



2,受講対象者 


⇒医療機関、支援機関、事業場などにおいて両立支援に携わる方。1開催につき1事業所(医療機関・事業場)の受講者数を1名


3,お申込み方法 
⇒機構ホームページ上からお申し込み

 

4,受講料 
⇒無料



≪応用研修≫ 
※新型コロナウイルス感染症の拡大がされる前は、対面式の研修がされていましたが、新型コロナウイルス感染の影響を考慮し、令和2年度以降は中止となっております。

 

 

救済措置として、全国の産業保健総合支援センターにて、各地域の両立支援コーディネーター基礎研修修了者や事業場の担当者等を対象に、実際の支援事例について意見交換を行う「事例検討会」を実施していく予定となっています。
 

  まとめ

 

本日は、両立支援コーディネーターについてまとめてみました。


両立支援コーディネーターとは、治療と仕事の両立に向けて、支援対象者、主治医、会社・産業医などのコミュニケーションが円滑に行われるよう支援する者とされています。


病気を抱えながらも働く意欲・能力のある労働者が、仕事を理由として治療機会を逃すことなく、また、治療の必要性を理由として職業生活の継続を妨げられることなく、適切な治療を受けながら生き生きと就労を続けることを目指せるように支援していきます。その人がその人らしく、よりよく生活していけるように全力でサポートできるように学び続けます。


最後までお読みいただきありがとうございます。
参考にしていただければ幸いです。

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