こんにちは
まっとです。
神奈川県在住の作業療法士
本日は、高次脳機能障害の原因と症状?についてまとめてみます
皆さん、なぜ高次脳機能障害が出現するのかご存じでしょうか
また高次脳機能障害の症状にはどのようなものがあるかご存じでしょうか
高次脳機能障害は、病気や交通事故など様々な原因で、脳が部分的に損傷を受けたために生じます。新しいことが覚えられない、注意力や集中力の低下、感情や行動の抑制がきかなくなるなどの精神・心理的症状が出現し、周囲の状況にあった適切な行動が選べなくなり、生活に支障を来たすようになります。
では、高次脳機能障害の発症原因にはどのようなものがあるのか
高次脳機能障害の発症原因は、
頭部外傷、脳血管障害が9割以上を占めます。
その他、脳腫瘍、ウィルス性脳炎、低酸素性脳症、アルコール中毒などによっても発症する場合があります。
■ 脳血管障害
脳出血(脳の血管が破れてしまう脳出血およびクモ膜下出血)と脳梗塞(脳の血管が詰まってしまう)に大別されます。
多くは、手足が動かしにくくなる運動麻痺とともに高次機能障害が出現しますが、記憶力が低下する、イライラしやすくなる、集中力が低下するといった。他人から分かりにくい障害だけが残ることがあります。
■ 頭部外傷
頭部外傷の中では交通事故が最も多い受傷原因ですが、他に高所からの落下や、暴行などによって脳が傷つくことがあります。多くはMRIやCTを撮影すると障害部が特定できますが、まれにMRIやCTだけでは障害部位が特定できないこともあります。
■その他
・低酸素;心筋梗塞、溺水、脳炎、窒息や一酸化炭素中毒など
・脳腫瘍;頭蓋内に発生する腫瘍の総称。
原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍、また良性脳腫瘍と悪性脳腫瘍に分類されます。
・脳炎、脳膿瘍や細菌・ウイルス、薬物中毒、アルコール依存症、ビタミン欠乏症、ホルモン異常などが原因で高次脳機能障害が発症することもあります。
次に、
高次脳機能障害の症状について以下にまとめてみます
【主な症状】
○記憶障害・・・物の置き場所を忘れたり、新しいことが覚えられない、
同じことを何度も繰り返し質問したりする。
○注意障害・・・気が散りやすい、集中できない、ぼんやりしていて、ミスが多い。
複数のことを同時にしようとすると混乱する。
○遂行機能障害・・・自分で計画を立ててものごとを実行することができない。
手際よく作業ができない、人に指示してもらわないと何もできない。
○行動と感情の障害・・・怒りやすい、幼稚、引きこもり、意欲がわかない。
〇病識の欠如・・・自分が障害をもっていることをうまく認識できない。
障害がないようにふるまったり、いったりする。
○失語症・・・言葉が話せない、理解できない、書けない。
○失認症・・・見えているのに認識できない
○失行症・・・一連の動作の手順がわからない
○地誌的障害・・・よく知ってる場所でも道に迷う、いる場所がわからない
○半測空間無視・・・片側の空間を認識できない
○半測身体失認・・・麻痺側を認識できない
*障害は、重複していることが多く、障害の状態は一人ひとり異なります。
東京都の高次脳機能障害者実態調査結果によると
高次脳機能障害者は、
女性<男性 年代別では60歳以上の者が67.2%であったとの報告があります。
◆ 発症原因は、脳血管障害が81.6%、脳外傷が10.0%
年代別にみると、30歳代以上は脳血管障害の割合が脳外傷より高く。
60歳以上では脳血管障害者が89.9%を占めていた。
◆ 障害の内容では、行動と感情の障害44.5%(意欲の障害、抑うつ状態、不安、興奮状態など)、記憶障害42.5%、注意障害40.5%、失語症40.4%が多くみられていたようです。
なぜ高次脳機能障害が出現するのかどのような症状があるのか
それは、病気や交通事故など様々な原因で、脳が部分的に損傷を受けることで障害が出現します。そして、脳の損傷によって注意力や集中力の低下、感情や行動の抑制がきかなくなるなどの精神・心理的症状が出現します。
そのことで、周囲の状況にあった適切な行動が選べなくなり、生活に支障を来たすようになります。
「高次脳機能障害」は見えない障害と言われています。
また、まだよく知られていない障害です。
障害の有無にとらわれることなく、支え合いながら社会で共に暮らすためには、相互理解を促進させるように努めることが必要と考えます。
高次脳機能障害が社会に理解され、この障害があってもその人がその人らしく生きていくことができるような社会が実現することを切に願います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
参考にしていただければ幸いです
高次脳機能障害者地域支援ハンドブック(平成19年8月) 東京都発行