千年もの間、人間は愚かな過ちを繰り返し、次世代へとそれを受け継いでいた。
大帝国ヴァンビッシュドルトは初代皇帝サウザンド・ヴァーンのもとに
近隣諸国を束ね、有史始まって以来の巨大帝国を築きつつあるのであった。
ペイトスが統括する小国ドランの片隅にある
のどかな漁村ツォイにも戦乱の足音が聞こえつつあった。
そんなツォイに住む19歳の少年アバンギャルドは、幼少のころ
波打ち際に乗り捨てられたボートの中でオギャーと泣いているところを発見され保護された。
彼はそれからツォイの修道院で育てられた。彼自身、両親のことは何も覚えていない。
ただ、彼の背中に刻まれた大きな竜の傷の痕が、彼がただ者ではないことを証明していた。