名画座にて~番外編 黒澤監督と大林監督 | 風似庵(ふ~にゃん)の独り言のブログ 心をフラットにして

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自分が感じた面白い事、ちょっとイイ話、考えさせる話 を徒然なるがまま 「独り言」として書いています。
まぁ暇つぶしがてら読んでいただければ…





先日亡くなられた CMディレクター出身の映画監督 “大林宣彦”監督が、あの “黒澤明”監督を起用してCMを制作した事がありました。

そのCMは ある企業のコンピューターのCMで、何時もは厳しい表情の多い“黒澤”監督が、トレードマークのサングラスを外し、カメラの前でニッコリ笑う‥というもの‥だったそうです。

“大林”監督は、“黒澤”監督の恐い?イメージを覆す様な表情を引出し、意外性を狙いたい‥という意図があって、“黒澤”監督をリラックスさせる為に、撮影中に “黒澤”監督の好きなクラシック音楽をかけながら撮影した‥といいます。(かけられた曲はハイドンの交響曲第94番「驚愕」で、黒澤監督のお気に入りの指揮者 「カラヤン」が指揮したものでした)

そんな “大林”監督の狙いが当たり、“黒澤”‥の笑顔は無事にカメラに収められ、テレビで放映される事になりました。

そのCMのコピーは、“黒澤”監督が当時 撮影を企画製作していた映画 “夢”‥にちなんで、

“夢にわがままです”

‥というものだった‥そうです。

ところが、それを聞いた “黒澤”監督から

“大林君、僕はわがままじゃないよ”

‥とクレームが入ってびっくりガーン

まぁ、“黒澤”監督のクレーム?は 本気では無く 冗談なのでしょうが?


そんな縁もあってか?“大林”監督は “黒澤”監督の “夢”‥のメーキングを作ろう‥とします。

そのメーキングの撮影中のエピソードに こんなエピソードがありました。

真冬の御殿場ロケで、“黒澤”組は夕景を撮る為に早朝から現場につめていました。

しかし、夕方になると天候が荒れ中止に‥。

翌日も、その翌日も中止。

そんな事が何日も続きました。

ついに、“雪”‥まで降ってきました。

すると“黒澤”監督は、

“この雪を生かそう”
 
‥と言い撮影を始めます。

1年前からリハーサルを重ね、やっと出た “OK”‥に “黒澤”監督はうずくまり、石を撫でながら、
 
“うまくいったなぁ、やっと撮れたなぁ‥”

‥と言って喜んでいた‥そうです。

そんな様子を間近で見ていた “大林”監督は、それ以降 自身の現場で なかなか “OK”‥が出せなくなった‥そうです。  

“大先輩があれだけ耐えたのに、僕が安易に出してはいけない。

それが僕のOKの質を高めた” 

‥と “大林”監督は後に語っています。 



そんな “黒澤”監督 も “大林”監督も鬼籍に入ってしまいました。

もし、“黒澤”監督 や “大林”監督が ご存命であったなら、この今世界がおかれた状況に どんなメッセージを贈ったのでしょうか?

そう考えると‥ショボーン

でも、そんな先輩映画人の意思を受け継いでいるのでしょう?

“行定勲”監督が、“新型コロナウィルス”‥の感染拡大を阻止する為に、  

“お家にいよう❗”

‥と呼びかける映画、

“きょうのできごと a day in the home ”

‥を完全リモートで製作した‥という報道を聞きました。

“行定”監督は、

“皆が団結しなければならない”

‥と考え、

“そんな時でも、我々作り手は何か出来る事があるのではないか?

むしろ、困難な状況だからこそ、エンターテイメント作品を作る事を諦めてはならないのではないか‥”

‥と その製作の動機を語っています。

ふーにゃんはまだ未見の作品ですが、キャストは “柄本佑”君、“高良健吾”君、“永山絢斗”君、“浅香航大”君、“有村架純”嬢 等と豪華で、“オンライン飲み会”‥を題材にしたショーとムービーだそうです。

“YouTube”‥で配信されている様なので、ふーにゃんもさっそく観てみたい‥と思います。ニコニコ