デザインも料理も一品、一作品を作る時間とクオリティと価格は比例しない。

 

3日かけたデザインより、1時間でできたらデザインの方が良かったり、値段が高いこともある。

 

例えばA4チラシデザインが3日で10万円だとして、
5時間でできたデザインが10万円でもいいのだ。
1日もかかってないんだから3万円だろ。という話ではない。

 

料理もそうだ。
丸一日煮込んだり、手を加えたした料理より、お肉に塩を振って焼いただけのステーキの方がクオリティが高かったり、値段も高いことがある。

 

お肉に塩振って焼くのに30分あれば十分完成するだろう。
ただ、それを仕上げるためには、さまざまな経験と知識が必要で、
・ステーキに適した肉を仕入れる
・ステーキに適したトリミングをして筋などが残らないように調整する
・ただフライパンで焼くだけでなく、オーブンでも火入れをしたり、余熱で火入れをしたりする
・塩も牛のステーキに適した最良のものを使う
・お皿を事前に温めてステーキに適した温度にする
・塩胡椒で焼いた牛肉に合う付け合わせを仕込んでおく

軽く書いただけでも、ただ焼くだけではなく、そこに至るまでいろんな経験をし、知識を用いて調理することで最高のステーキが仕上がる。

 

 

それと同じことがデザインでも言える。
オーダーから5時間でできたデザインは適当に作っているわけではなく、
・そのサービスなり企業のイメージを壊さないデザインにする
・パッとみた時、人が不快に思う色使いはしない
・構成する要素に対して、文字やオブジェクトの適切なサイズ、バランスを考える
・視覚的に「面白い」「可愛い」「クール」「インパクトがある」など、アクセントをいれる
・変に古臭い昔のデザインになってないか、今のトレンドはどうか?またはトレンドに流されてないか、デザインの潮流に流されてないかなど、デザイン業界全体も意識する
・お客さんの思い描いているイメージを超えているか、当てはまっているか
・エンドユーザーがコレをみた時、クライアントに対して好印象を持つか

などを同時に考え、今までの経験や知識を総動員してデザインをする。

 

・よく考えたから
・時間をかけたから
・手間をかけたから
・何案も試行錯誤したから

故に良い物が必ずしもできるわけではない。

 

どちらの方が優良かという話ではなく、
時間がかかっていない物でも、時間をかけた物でも、どちらにも膨大な「知識」と「経験」の上に成り立っている成果物ということだ。