ひと昔前は、ゴールデンウィークを過ぎると、アパレル売場は一斉に夏物に変わったものだが、最近はアパレル最大手ユニクロの売場でも、ゴールデンウィーク明けてもアウターやダウンが並んでいる。
理由を考察すると、大きく5つある。
特に近年のアパレル業界は「季節で一気に売り切る」より、“長く売る”方向に変わっています。
① 気温が読めなくなった
最近は5月でも寒い日がありますよね。
実際、ユニクロを展開する ファーストリテイリング でも、暖冬で冬物販売が苦戦したというニュースが出ています。
昔:
- 3月 → 春物完全移行
今:
- 4〜5月でも朝晩寒い
- 冷房対策需要
- 梅雨寒
なので、
「もう冬物撤去」は危険になっています。
② “軽アウター化”したダウンが増えた
今のダウンは真冬専用ではない?
例えば:
- ウルトラライトダウン
- パフテック
- ベスト型
- 撥水パーカー系
- 薄中綿
などは、
「旅行」
「通勤」
「冷房対策」
「アウトドア」
用途でも売れます。
つまり、
“防寒着”ではなく
“機能性アウター”
として通年寄りに変化しています。
③ 在庫を値下げしながら長く売る戦略
アパレルは大量廃棄が社会問題化しています。
最近はEUでも売れ残り衣料廃棄規制の話題が出ています。
そのため、
昔みたいに
「季節終了→即処分」
より、
- 値下げしながら継続販売
- ECで持つ
- 一部店舗で継続
- 海外販路へ回す
という運営が増えています。
ユニクロは特にSPA(製造小売)なので、
在庫コントロールをかなり戦略的にやっていると思われます。
④ “梅雨・冷房需要”を見越している
GW後は意外と寒暖差があります。
特に:
- ショッピングモール
- 電車
- オフィス
は冷房が強い。
そのため、
薄手アウターは5〜6月でも需要があります。
アパレル現場的には、
「完全夏物一本化」はむしろ危険なのかも知れない。
⑤ ユニクロは“シーズン先行”より“実需型”
セレクトショップは
「先取り感」
を重視しますが、
ユニクロ公式サイトによると比較的、
「今すぐ着られる」
を重視しています。
だから5月でも:
- ダウン
- ブルゾン
- UVパーカー
- 防風系
を残しているかと思われる。
これは診断士っぽくまとめると、
- 在庫回転率
- 廃棄ロス削減
- 実需対応
- 気候変動対応
を重視したMD(マーチャンダイジング)戦略と言えよう。
アパレル業界全体で見ると、
昔:
「春夏秋冬」
今:
「真夏・それ以外」
くらい季節構造が崩れてきているのも大きい。2期化する気候は今後、ファッションシーンをどう変えていくのかとても興味深いところである。