読書の記録
居心地の悪い部屋 /岸本佐知子 翻訳
たしか「本当に怖い本」とかで検索してヒットして、真っ黒な表紙に興味を惹かれて、読んでみることにした本。
概要としては以下。
「翻訳家の岸本佐知子が、「二度と元の世界には帰れないような気がする」短篇を精選。エヴンソン、カヴァンのほか、オーツ、カルファス、ヴクサヴィッチなど、奇妙で不条理で心に残る十二篇。」
うーんと。どんな感想を言ったら良いのか困ってしまう。
訳がわからない気持ち悪さの極み。不条理の極み。
本を読んでいると、私の場合、何かしら「この作品から、こんなギフトを受け取りました!」みたいなものがあったりするのだけれど。
この話は、どう解釈したらいいの?どんな感情を抱いたらいいの?何を狙って書いたの?とにかく気持ち悪くてスッキリしない。
何これ、「世にも奇妙な物語」も真っ青の奇妙さじゃん。。。
唯一、「ささやき」という話は割と分かりやすくホラーだったかな。誰もいるはずのない、深夜の寝室なのに知らない人の声が録音されていて…という話。ゾクっとした。
あとは「オリエンテーション」という短編は、入社時のオリエンテーションの言葉をひたすら書き連ねてあるのだけれど、あまりに現実離れしていてギャグにすら思え、ふふっと笑ってしまった。
他の作品は、着眼点とか人物の言動の意図とかがあまりに意味不明すぎて、しかも気持ち悪いままブツッ!と終了する話が多く、、、ひたすら戸惑うものが多かった。。。
でもこれだけ戸惑う話が続くと、次もまた不条理の極致を見せてくれよ、と期待してしまう不思議。
私がこの本から得たものは何か?と言ったら、「世界の広さ」だと思う。
どれも外国の人が書いた話だけれど、こういう世界の捉え方をして、小説にして発信する作家もいるんだなーという。
今、私は自分の世界を広げることをテーマとしているところがあるので、そういう意味ではこの本を読んだ意味は確かにあったのだと思う。
…そう自分なりに整理しないと、それこそ居心地が悪すぎて居ても立っても居られない。そんな本。
なんか、自分の理解を余りに超えすぎていて、、
吹っ切れた!!