午後、注文の処理と原材料の書類を整理しながら、ここ数日の海外市場の動きをチェックしていました。

ここ数日、国際情勢はなかなか慌ただしいですね。地政学リスクは依然として収まらず、主要経済国の金利政策も岐路に立たされている。市場のリスク回避のムードは、じわじわと広がっているように感じます。多くの人は金の最高値更新や石油の高騰に注目していますけど、私が気にしているのは、この「不確かさ」がいつまで続くのか、という点なんです。

正直、この業界にいると、日々チャートを追いかけるだけでは心が落ち着きません。でも、3歩も5歩も先を読む力は絶対に必要だと思っています。

去年の第四四半期から、業界内ではサプライチェーンの遅延が話題になっていました。あの時、私のやり方は「慎重すぎる」と言われました。特定の規格の翡翠の原石や金地金を事前に確保することで、キャッシュフローを圧迫していたからです。でも今、海外の鉱山の出荷リズムや運送の不確かさを目の当たりにすると、あの時の「慎重さ」が、今の「余裕」につながっているんだなと感じます。

私は、話題になっている時に「先見の明があった」と語るのはあまり好きではありません。ただ、オーダーメイドの仕事は投資とは違って、手元に“実物”があるという点が大事だと思っています。金の資産価値も、翡翠のような再生不可能な天然の恵みも、この時期にあっては、単なる装飾品ではなく、時代を乗り越えるための安心感と美意識そのものなんです。

世界が騒がしければ騒がしいほど、決断は静かに下したい。

最近、旧友たちがお茶をしに来て、値動きの話になるたびに、私は言っています。「数字だけを見るんじゃなくて、日頃からこういう情報にアンテナを張っておくことが大事だよ」って。ある判断というのは、今日突然できるものではないんですからね。