輪廻 人物解説 ~人物&設定が難解なので解説が必要なようです~
パーソナルデータ 榎本開(えのもと かい)
父 榎本径 セキュリティKEYの代表取締役
母 青砥純子 弁護士
本人 榎本開 W大学法学部4年
何不自由なく成長したかのように見えた開であるが、彼が幼少の頃は父の海外出張が相次ぎ、
また母も弁護士として激務をこなしていたため親戚の家に預けられることが多かった。
母方の叔母は大変厳しい人物で、時に虐待とも思える体罰を加えることもあったという。
自分以外の人物が手を上にかざしただけで、とっさに身を交わす習慣がついたのもこの頃である。
開は、父にも母にもそのことは言えず、ひたすら耐えてお利口にしていなければならなかった。
彼は幼稚園に上がるまで、非常に抑圧された環境で過ごしたと言える。
その頃に形成された、感情や欲望を押し殺し冷静沈着に振舞う性格が逃げ道を必要としていたのだ。
その反動は、理知的な榎本開の人格の中では処理することができず、
いつしか、Ryoというもうひとつの相反する人格を形成させてしまったと言える。
パーソナルデータ Ryo(榎本開のもうひとつの人格)
新宿にあるCLUB♥N's の幻のナンバーワンホストである。
彼は金曜日にしか現れないため指名予約及び同伴予約は、常に1~2ヶ月待ちの状態である。
CLUB♥N'sのオーナーには、金土の連続勤務を要求されているもののそれはまだ実現していない。
ちなみに彼の金曜日のスケジュールは
19:00~00:00までCLUB♥N's
01:00~03:00までTRASHのカウンター
心理カウンセラーであるTRASHのマスターサミーの仲介により
榎本開とRyoは、初めてお互いの存在を確認することとなった。
二人の間の暗黙のルールは、
お互いのコントロール下にある日時を尊重すること。
互いに干渉しないこと。
相手に迷惑をかけないこと。
どちらも必要だから存在するのだという考えに基づいて今は共存を選択しているのだった。
しかし、ある人物の登場でこの暗黙のルールが破られようとしていた。
パーソナルデータ 熊田未来(くまだ みき)
父 熊田和也 弁護士
母 咲田しおり サイコメトラー
本人 熊田未来 W大学法学部1年 図書ボランティアメンバー
父は現役の優秀な弁護士であるが、若い頃に交通事故に遭い、その後遺症のため車椅子が必要な体である。
実はその時の同乗者は、元婚約者の青砥純子(榎本開の母)であった。
ある日父は、知人の紹介でカフェ ガランサスで働く母と知り合い互いに支え合う関係となった。
「僕の子供を産んでください」という唐突でストレートなプロポーズで父と母は結ばれたといういきさつがある。
その後、熊田未来は父の精巣精子採取(TESE)と人工授精によりこの世に誕生した。
彼女は父の頭脳と母のサイコメトラーとしての特殊能力を引き継ぐものとなる。
そして、不思議な運命は彼女と榎本開を引き合わせることになるのだった。