六本木の側道に紫陽花が咲いていた。
蝸牛もいるかなと期待して葉の裏を覗いてみたがそこには綺麗な雫が滴っていた。


僕はラップをしているといったが到底音楽で食べていくには程遠い。なのでバイトをしている。借金を返済しながらの生活を支えているのは週4〜5のバーのアルバイトだ。

六本木という場所を選んだのは興味本位8割、残りの2割は上流階級の人々と接点を持てるかもしれないという淡い期待であった。

なかなかの大企業グループの傘下である当バイト先の仕事のONOFFや緩急は今の自分と馴染んでいる。

基本的には夕方から朝まで。1日8時間以上労働した分には残業手当が出る。22時以降には深夜手当も付くのでそこで稼いでギリギリ人並みくらいの生活を送れるくらいの給料だ。
賄いは美味しいし量も多い。賄い1食だけで1日を食い凌げるくらい。
週末はDJが来てPlayしているのも気に入っているし、忙しいけれど学生時代3年ほど勤めたコンビニの暇疲れに慣れていた僕にとってはこれくらいの方が性に合っているらしい。

こんな生活も約1年続き、今日はその中でも過去で1番バタバタした締め作業であった。
明日大きなパーティが入っているようだ。

明日のパーティの事を考えると少し憂鬱だが、給料日という些細な嬉しさと紫陽花の優しい色に救われ、明日も前向きに頑張ろうという気持ちになれた。