銘仙のお着物 | 琴陶 kototou

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世田谷区奥沢の小さい陶芸教室

暮れになると、お正月用に母が自分の銘仙のお着物を私達の為に仕立て直していたのを思い出す。

昭和初期生まれの母は、当時の嗜みで和裁が出来た。大晦日に家族が着物を着て、日頃は見ない多くの掛け軸に囲まれ、仏前には時代劇で見るような対の燭台が灯され、神仏をまつった部屋で一人一人のお膳で皆で食事をした。( 小さい頃は、この掛け軸が怖かった。 )

その為のお着物を母は縫っていた、「銘仙は切りやすいね~、、」と言いながら。

銘仙のお着物は、大正~昭和にかけて流行したお着物で、生地は絹を素材とした平織物、経糸の数が多く織地が緻密な事から、「目千」「目専」と言われていたのが語源であると。

縦に、シャーッと切れやすかった訳です。

また、NHK朝のドラマ「カーネーション」で、女優さんが時々そのお着物を着ているのを見ます。