健太22歳
就職活動が始まっている
あかね23歳
同じく就活中 一浪
駿 19歳
大学二年
「健太にとっての大学生活ってどうだった?」
あかねは唐突に聞いてきた。いつだってそんな質問。就活が見えてくると、そんなつまらん質問の応酬がいろんなところで発生する。大学生活を振り返ってみたって、今の自分は変わらんだろうに。
今、海外ではコロナだ。ツイッターで騒がれている。ツイッターで騒がれると、ワイドショーに盛り上がりが伝播して、さも世界がネット上で回ってるかのような言い草だ。気持ちが悪い。ただ、コロナの実感は沸かない。中国で大量発生したって、日本でかかった人は見かけないし。オリンピックがどうなるかわかんないから、日本政府とかは心配かもね。今のところ、日常に影響はない。
「ねえって」あかねはしつこく聞いてくる。「どうだったと聞かれてもねえ。楽しかったかな。」評価されるべきことはないだろうし、大学生活でみになることをしたって、ベースにあるのは勉強ではなく、遊びだ。どうもこうもない。「大学生なんてあっという間だよ」なんて言ってみるか。「え?みんなそう言いますよね?今のうちに遊んどかなきゃ!!」駿ってなんか特殊だ。先輩と接するの好きなのかなあ。先輩と仲良くできるタイプは尊敬してしまう。
「そうよ!あっという間に終わっちゃうからね?駿も遊んどきなさいよ!」あかねも乗ってくる「そうっすよね。でも、先輩が2年の時の合宿マジ楽しかったっすよね!」駿がそういうと、合宿の懐かし話で盛り上がる。