『週課念仏票』

子供の時分、夏休みになりますと、早朝にラジオ体操がありました。眠い目をこすりながら、近所の友達と通ったことが思い出されます。特に、体操の後、出席カードに押してもらえる判子が増えていくとなんだか誇らしくありました。

例年、毎日の数を決めたお念仏を勧奨してまいりました。増善寺でも多くのお檀家さんが毎日のお念仏の数を決め、励まれております。

今年から、そのお念仏の更なる励みになるように、『週課念仏票』をお作りしました。一週間ごとのお念仏のできで判子を押していただき、一年間のお念仏の相続としてください。

法然上人のご法語に

『ある人問うていわく、毎日の所作に、六万十万等の数遍をあてて不法なると、二万三万の数遍をあて如法なると、いずれをか正とすべき。

答えての給わく。凡夫のならい二万三万をあつというとも、如法の義あるべからず。ただ数遍のおおからんにしかず、詮ずるところ心をして相続せしめんがためなり。かならずしもかずを沙汰するを要とするにはあらず。ただ常念のためなり。数遍をさだめざるは懈怠の因縁なるがゆえに、数遍をすすむなり。』

【信空上人伝説の詞・昭法全671】

訳：ある人が「毎日称える日課のお念仏として六万遍、十万遍もの数を定めながらも粗雑に称えてしまうのと、二万遍、三万遍と定めてしっかり称えるのと、いずれかが正しいでしょうか」と質問しました。

法然上人は「そこが凡夫の悲しさで、二万遍、三万遍と数を定めたところで、その通りに称えることなどできません。ただ、その数の多いに越したことはありません。要は、（数を多く定めるのは）私たちの心を励ましてお念仏を称えさせるためなのです。日々のお念仏の多少を問題にすることが必ずしも大切なわけではありません。ただ、お念仏を相続することが大事なのです。数を決めないと怠ける原因になりますから、数を定めるようにお勧めしているのです」とおこたえになりました。

【法然上人のご法語③ 対話編 239P 浄土宗出版局】

どうぞ、法然上人のお教えにあるように、『週課念仏票』の判子の増えるのを励みにして、お念仏を相続しましょう。

合掌

※週課念仏票の画像ファイルをアップしました。プリントしご利用ください。