大人になってから
始めた
憧れの
バイオリン
最初は
きらきら星でも
バイオリニストに
なったくらい
嬉しかった
のに
今では
バイオリンを弾くのが
とても苦しい。
まぁまぁ
いいんじゃない!
の音が出る日は
まだマシで
どうしても
しずかちゃん並みの
ノコギリの音しか
でない時は
もう
なんでバイオリンを
始めてしまったのか
泣きたくなる。
大人から始めて
プロになれるほど
上手くなるとは
アホな私でも
全く思ってない。
たった1曲でもいい
弾きたい曲を
気持ちよく
弾けるようになればいい
しか思ってないのに
それすらできない。
こんな苦しくなる
習い事に
お金も時間もかけるなんて
バカみたい。
成果が出ないレッスンに
付き合ってくれる先生も
かわいそう。
無駄なレッスン料
無駄な時間
それだけかけて
得られるのが
苦しい気持ちなんて
なにかの罰?
ちっちゃな子供が
さらっと弾く
YouTubeを見るたび
ためいき。
これが
大人と子供の
違いというもの?
気がつくと
ピアノを習った11年を
超えてしまった
バイオリンに
今更ながら焦る。
ピアノだって
練習嫌いで
それほど上手くならずに
終わってしまったけれど
下手でも
全然苦しく感じることは
なかった。
最近は
やめ時ばかり考える。
長年の夢の
バイオリンが
こんな最後も
なんだか悲しいけれど
でも
もう苦しいのに
疲れた。
そんな時に
出会った
稲垣えみ子さん著の
『老後とピアノ』
ピアノとバイオリン
楽器は違うけれど
50を過ぎて
ピアノを再開した
著者の心の葛藤に
共感した。
すごい努力家なので
私が共感するのは
申し訳ないくらいだけど
それでも
指が動かない
とか
老眼で楽譜が見えない
とか
フィジカルなところは
もちろんだけど
大人になってから
楽器を始める
苦しい気持ちが
全くその通り!
こんな苦しい気持ち
どこに着地するのか
答えを求めるように
聞き進んだ。
(オーディブルなので)
結論
この後
どこに進めばいいのか
迷子の私への答えは
どこにも
行かなくていい!
すごい曲を一曲
弾くのではなく
1ページ
1小節
一音でもいいから
気持ちを込めて
丁寧に
納得のいく
一音を出す。
大きな目標でなく
目の前の小さなことに
全力をかける。
簡単に言うと
野望を持たず
今を楽しみ
今を遊ぶ。
一音だったら
できそうな気もしてきた。
ふと
先生が弾いてくれた
二つの演奏を
思い出した。
正確な音程で
ギーコギーコ弾いたあと
間違った音程でも
綺麗な音で弾いてみせた。
2曲目の
正確じゃなくても
弓の使い方で
素敵な音の
メチャクチャな曲の方が
素敵に聞こえた。
私が目指すのは
これだったのかも。
聞くに耐えない
1曲よりも
気持ちいい音
一音を出す。
先がない
大人だからこそ
目先の
ちょっとした嬉しいを
追う方が正解なのかも。
先を考えないで
今を思い切り楽しむ
若者には
お勧めできないけれど
歳を取ってしまった
おばちゃんには
ぴったりなアドバイス
でした。
苦しいけれど
やっぱり
バイオリンが好き。
『老後とピアノ』
大人から何かを始めた方に
おすすめの一冊です。