夕食後に
日本からの電話
昨日話したばかりなのに
何か起こった?
日本からの電話は
いつでも怖い。
父が入院していた時は
いつも最悪な想像をして
夜中に電話が鳴るのが
本当に恐怖だった。
昨日は元気だった母
恐る恐る電話に出ると
開口一番
「クーラーが壊れちゃった
どうしよう!」
母じゃなくて
クーラーでよかった。
急に寒くなった日本
寒くて困っているという。
10年ももっているんだから
買い替えでいいんじゃない?
高齢の母が
電気屋さんに行って
数あるクーラーの中から
ちょうどいいのを選ぶのは
確かにハードルが高いけれど
母が気にしているのは
そこじゃなかった。
80代の母
いつまで使えるのか
わからないから
20万、30万の
クーラーは
もったいないという。
「4、5万のクーラー
ないかな?」
ないことはないけれど
そんなに安かったら
すぐに壊れそう。
また修理することになったら
それはそれで
大変そう。
「そんなに心配なら
私が出すから
好きなの買って」
先日テレビが壊れて
買った母
その時も
ちょっともったいながって
一回り小さいサイズにして
後悔したばかりなのに。
やっぱり
目も悪くなるから
年取ったら大きい画面の方が
見やすいのに
ちょっとの金額を渋って
見にくくなったなんて
本末転倒。
来年の夏
私が里帰りするまで
待とうかなぁ
なんて馬鹿なことまで
言い出す母。
風邪でも引いて
体調を崩したら
悔やんでも
悔やみきれない。
とにかく
スマホで操作できます
みたいな超ハイテクなのじゃなくて
簡単に操作できて
ダイキン
パナソニック
三菱電機の
信頼できそうなメーカーで
そこそこのを買うように
指示して
電話を切った。
お金がないわけではないんだから
もったいながらないで
必要なものは
買って欲しいし
私が買っても
全然構わない。
ただ
あと何年使えるか
わからないものに
大金を払いたくはない
って言う気持ちもわかる。
でも
健康な私だって
明日はわからない。
そして
数年か
十数年かわからなくても
その時間を
快適に過ごして欲しいのが
親不孝娘の願い。
ただ
アホみたいに高い
ベッドのマットレスや
効果がわからない
ビタミン剤を
欠かさず飲んでいる母
大切に思うところが
どうもズレてる気がするのは
私だけ?
とにかく
クーラー買ったよ
の電話を
今夜は待ってます。