いつもは
あまり有り難みを
感じない
TSAプリチェック
時間がない今日は
あって良かった。
さくさく
保安検査を通り抜け
搭乗口まで
脇目もふらず
突進していく。
搭乗口には
お客さんもいる
行き先のサインもある。
だけど
ここで安心できないのは
昨日の
10分前のキャンセルの
トラウマがあるから。
今日は
搭乗口を離れずに
待ってると
何事もなく
搭乗が始まり
飛行機が飛び立つ。
これでやっと帰れそう。
爆睡していたみたいで
ドスンと
着陸して気がついた。
いつもは
夜中に着くから
空港はガラガラなのに
夕方だからか
それとも
キャンセルカオスだからか
いつもより
人が多い。
これじゃ
荷物待たされるかも。
荷物あれば
だけど。
足早に
荷物受取所に向かう。
行ってびっくり。
溢れそうな人と共に
溢れている荷物の山。
ターンテーブルの上に
回っている荷物も
もりもりだけど
問題は
その周り。
ターンテーブルの周りを
スーツケースの山が
二重三重に
取り囲んでいる。
人も溢れているから
ターンテーブルになんて
近づけない。
呆然。
だめ!
呆然としている
暇はない。
なんとしても
スーツケースを
見つけ出さないと。
人の波をかき分け
ターンテーブルに近づき
目を凝らす。
すると
目の端っこのほうに
色鮮やかなオレンジのタグが
刺さる。
これ、見たことある。
ビジネスクラスに
変えた時
空港で
スタッフの人が
わざわざ
付け直してくれた
プライオリティタグ。
置いてある
スーツケースの山に
なんとか近づいて
確認すると
間違いなく
私の荷物。
この荷物の山から
見つけられたなんて
もう奇跡。
スタッフのおばちゃんが
言っていたように
この三つの荷物は
先に来ていたらしい。
疑ってごめんなさい。
残るは
スターウォーズの
R2D2型のスーツケース。
間違えることはないけど
小型だから
荷物の山に
埋もれているだろうなぁ。
ぐるりと見回すと
隣の島に
ちっちゃなR2D2の頭に
ちょこんと付いている
オレンジのタグを
発見。
急いで
救い出す。
スーツケースは
絶対戻ってこないと
確信していたから
無事に
見つけられたなんて
本当に信じられない。
最後に
荷物をちゃんと運んでくれた
ユナイテッドにも
ちょっとだけ感謝だけど
最高の感謝は
ANAのビジネスクラス様。
フルフラットで
寝てこなければ
いつ終わるかわからない列に
並び続けることは
不可能だった。
あの
ラグジュアリーな時間が
あったからこそ
地獄の時間も
耐えられた。
そして
降りてからも
すごかった。
「今回はチャンスの女神の髪
掴めたね」
と息子。
いつも
チャンスの女神は
前髪しかないから
来た時は
すぐに掴まないとだめ
後ろは
禿げてるから。
と話したのを
覚えていた息子。
最初は
悩んだけれど
ビジネスクラスにして
本当によかった。
最後の最後で
ピンチを救ってくれるなんて
やっぱりビジネスクラスは
お金では測れない
全てにおいて
プライスレスでした。