「アメリカに帰ってきた!」
と実感するのは
ホテルの広さ。
ユナイテッドが
手配した
ラグジュアリーじゃない
普通のホテルですら
超広い。
ベッドも
無駄に大きくて
大きなスーツケースも
ストレスなく
どこでも開けられる。
日本じゃ
4つのスーツケースを
開けたら
歩く場所がなかったっけ。
ただ今は
スーツケースは
ないけれど。
早速
シャワーした息子が
靴を履いて
戻ってくる。
そうだ
ここスリッパないんだ。
すっかり
日本のホテルの気分で
いた私たち。
悲しいことに
パジャマもないことに
気がつく。
必要な衣類は
ユナイテッドが
負担してくれるけど
空港には
パステルカラーの
ご当地Tシャツしか
見つけられなかった。
めんどくさくて
もう明日でいいやって
思ったけれど
そんなんでも
ないよりマシだった。
仕方ないから
バスタオルを巻いて
寝ることに。
洋服も下着も
来ているものしかない。
もういつから着ているか
わからないのを
明日
また着るのは
結構辛い。
特に
臭ってそうな
息子の靴下
もう一度履くのは
絶対ない。
そういえば
ホテルの一階に
ランドリーがあったのを
思い出した。
ただ
洗濯できるけど
洗濯しているときに
着る服がない。
悩んで悩んで
下着と靴下のみ
手洗いすることに。
もう早く終わらせて
歯磨きして寝たい。
と、ここで
また気がついた。
歯ブラシもないのね
アメリカのホテルには。
そういえば
ユナイテッドで
なにかくれたっけ。
ただの
ウォーターボトルだと
思ったら
アメニティセットだった。
開けてみると
歯ブラシが入ってる。
それに
化粧落としも。
ありがとう
ユナイテッド。
でも
息子と二人なのに
なぜ一つしか
くれなかった。
シェアしたいけれど
歯ブラシは
やっぱり無理。
どうしようと
悩んでいると
サンドイッチを食べて
寝てしまった息子。
寝ちゃったら
仕方ないよね。
とありがたく
歯ブラシを使わせてもらう。
明日
必ず買ってあげるから。
荷物がないから
出すことも
整理することもなく
もう寝るだけ。
不便だけど
究極のミニマリスト生活
なにもないのも
結構楽ちんで
いいかも。
時差で眠れないけれど
ベッドに横になる。
すると
誰かが
ドアをすごい勢いで
ノックする。
なに?
怖いよ、このホテル。
ベッドの中で
固まっていると
また激しいノック。
今度は怒りで
ドアの覗き窓から
覗いてみる。
若い女の子
二人組
笑いながら
ドアを連打してる。
なになに?
クスリでもしてるの?
一言
言ってやりたい。
今では
危ないと思うけれど
つい日本にいるつもりで
出て行こうして
気がついた。
服着てない。
バスタオルを
巻いたままじゃ
いくらおばさんでも
無理でした。
うー
悔しい。
そうこうしているうちに
笑いながら
向かいの部屋に
入っていった。
誰かと
間違っているのかも
しれないけれど
怒りが収まらない。
気持ちを落ち着けて
寝ようとすると
今度は
部屋の前が騒がしい。
覗いてみると
10人程度の若者が
輪になっている。
時間は
夜中の1時過ぎ。
なにこのホテル?
何かのミーティング?
さすがにこれは
出て行って
文句をいう案件じゃないので
フロントに電話。
フロントの人のおかげで
その後
やっと静かになった。
このホテル
絶対ハズレ。
明日は
違うホテルに変える!
と決めたけれど
事態はまた
急変することに。