「うちに車がぶつかった!」

 

画面越しの

母の言葉に

一瞬驚く。

 

よく聞くと

うちじゃなくて

うちの塀に

ぶつかったらしい。

 

よかった、母が無事で。

 

大雨の早朝

すごい雷の後

警察官が

うちに来たらしい。

 

「何か悪いことしたかしら?」

 

とビビる母に

事情を説明する警官。

 

雷だと思っていた音が

車が塀にぶつかった音

だったらしい。

 

直にぶつかったわけではなく

うちの前にあるバス停に

まずぶつかり

 

そのバス停が塀を

少々壊したらしい。

 

結局

兄が対応し

示談をしたい加害者を

断り

 

保険会社を通して

直してもらうことになり

一件落着。

 

それでも

それ以来

ピンポーンと

誰か来るのが怖い母。

 

しばらくは

動悸がおさまらなくて

眠れない日もあったらしい。

 

その気持ち

結構わかるかも。

 

中1の時

私の目の前に

車が飛び込んできたことがある。

 

中間テストの朝

徒歩で通学中

 

すごいスピードの車が

右側を歩いている

私めがけて

飛び込んできた。

 

ラッキーなことに

ちょうど目の前に

電信柱があり

そこに衝突して止まった。

 

爆音の後の静けさ。

 

動けず

立ちすくむ。

 

固まりながら

考えたことは

 

車の人

死んじゃった?

 

私がここを歩いていたから

私のせい?

 

どうしようガーン

 

今では

なんでそんなこと思ったのか

全然わからない。

 

おばちゃんになった

私だったら

 

ちょっと、気をつけなさいよ。

もう少しで

大変な事故になるところだったよ!

 

と怒鳴れそうだけど

その頃の私は

まだ初心でした。

 

その後の記憶は

切れ切れです。

 

車に乗れない母が

自転車で迎えにきて

うちに連れて帰り

 

でもその後すぐ

中学校に送られた。

 

テストだったから

休まなかったのか

普通は休ませそうなのに

 

昔の母親は

そんなことでは休ませない。

 

学校では

 

「怪我もしてないのに

なんで遅刻なんだよ」

って無神経な男子の言葉に

傷ついたり

 

遅れた分

放課後残って

テストを受けたり

 

それくらいしか

覚えていない。

 

母の話を聞いて

久しぶりに思い出した

事故のこと。

 

事故を起こすのは

もちろんだけど

 

事故に遭っても

 

私みたいに

事故未満でも

 

やっぱり事故は

心を削ります。

 

安全第一

事故しないこと

事故に遭わないこと

 

それが一番と

改めて思います。