スーパーのレジで並んでいると

前のおじさんが

満面の笑みで振り向く。

 

誰?

知ってる人?

 

わからないけれど

笑って軽く挨拶する。

 

どこでも

知らない人でも

気軽に話しかけてくるこの国

 

笑顔で返すことが

すっかり身についてしまった

 

ほとんど

条件反射です。

 

日本に行っても

エレベーターの中の

知らない人と二人っきりになると

 

何か話さないとという気持ちを

グッと堪えています。

 

その知らないおじさんは

夫の教会の人でした。

 

日曜に早起きするのが

嫌だった教会

 

ある日突然

自分の意志を言えるくらい

大きくなった息子が

行かない!

と断固拒否したのに乗っかって

私も行かなくなりました。

 

グッジョブ息子。

 

それに仏教だしね。

 

それにしても

行かなくなって随分経つのに

覚えていたおじさん

記憶力抜群です。

 

しばらく近況を話して

最後に

 

「Are you ready for Christmas?」

 

やっぱり

お決まりの質問。

 

もはやこの時期の挨拶は

絶対これ。

 

サンクスギビングが終わると

ほぼ全員が

この質問で会話を始める。

 

本音は

 

クリスマスが近づくと

本当にストレスですよ。

 

誰に何のプレゼントを買うのか?

それを考えると

気が狂いそうになります。

 

それも親戚全員分なんて

絶望的です。

 

プレゼントをあげたい誰かに

選ぶのは

楽しいですが

 

趣味がわからない人の

プレゼントを選ぶのは

ほぼ地獄です。

 

プレゼントなしで

純粋に家族で集まって

おしゃべりを楽しむだけだったら

どんなに心休まる

クリスマスになるでしょう。

 

絶対そうなりませんけど。

 

といいたいところを

笑顔で

まだまだ、これからです。

 

って

繰り返す12月。

 

ついにその時期になったと

心の中で思って

おじさんにも聞き返すと

 

おじさん曰く

 

「クリスマスは嫌いなんだよ

商業的なところがね」

 

と意外な返事。

 

あら、いいわ。

 

そう思っている人がいることと

ちゃんとそう言えるおじさんとで

なんだか嬉しくなりました。

 

私も思っていること

きっぱり言ってみたい。

 

言えないけど。