バイオリンの
弓の毛替えに行った。
1度も毛替えをしていない弓は
事あるごとに毛が抜けて
かわいそうなくらい
毛がない。
もうちょっと毛があったら
うまく聞こえるかも
と期待を込めて
バイオリン店へ。
1週間ほどで出来上がります
って一度は
言われたのに
お店の裏の
職人さんに聞きに行ったら
できないらしい。
先っちょについている
チップが壊れていて
うまく毛替えが
できるかわからないと言う。
毎日使っているのに
全然気が付かなかった
私も私。
でも
毛替えができなかったら
この弓どうなる?
スカスカの弓で
我慢するしかないのか。
するとバックヤードから
新しい弓を持って来てくれた
お姉さん
これはどうですか?
一緒に行った夫も
いいなら、買っちゃえば
急に言われても
いいかどうかわからないし
弓ってそういうふうに
買うもの?
ちゃんとバイオリンを
習っている人からしたら
笑っちゃうくらい安い弓だけど
それでも
私にとっては
ホイホイ買える
金額じゃない。
もっと色々見せてもらって
試し弾きとかして
決めるもんじゃないの?
それが一本、はいって。
じゃ、10日お貸しします。
予約が詰まっていたようで
急いでいたお姉さん
この紙に連絡先書いてね。
はいどうぞって感じで
弓を渡すとそそくさと
バックヤードに戻っていった。
免許で確認するとか
クレカの情報を
もらうとか
一切なくて
嘘の連絡先だったら
どうするんだろ
持ち逃げされないのか
この商売、大丈夫?
たっかいバイオリンに比べたら
安物の弓なんて
どうでもいいのかと
ちょっと卑屈になりつつ
レンタカーみたいに
保険がかかっていたりして、と
どうでもいいことが
弓より気になりました。