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雑木庵主人の「つれづれなるままに」

よく来たね。 不作法だけどお茶を一服どうだい。・・・・ なに、いらない・・・それじゃコーヒーでも淹れようか・・

私の株式投資の方法は、現物を保有した上での信用売りツナギを基本としている。ツナギ売りの決済でのみ現金を得ているので、株式投資の利益率は低い。

利益率が低い理由は、自分で十分解っているし、これ以上の利益率は無理だとも思っている。

 

株式投資に向けた資金の半分で現物を買い、残りの半分は銀行と証券会社に預けている。そしてツナギを建てるのは、保有する現物の1/2が最大で、通常は1/3~1/4程度でしかない。つまり、総資金に対する現物買いの実働資金は1/2、ツナギを行う稼働資金は更にその半分以下。つまり総資金の1/4以下を動かして現金を得ているのである。

 

昨年は、非鉄銘柄が大きく上げて、大きく下げたので、よく稼げた。

実働資金に対して2割、総資金に対して1割の税引き後利益を得ることができた。

企業に見立てれば優良企業だろう。

 

○自己資本比率=90% 

  ・・・・・ 本来は100%だが、常に無期限信用売りがあるため、それを△10%とした。

○自己資本利益率=10%

  ・・・・・ オーナーのみの個人企業だが、オーナーは外で飯を食っているらしく人件費は計上されていない。

 

現時点では優良企業と言うべきだね。

余裕資金もあり手堅いので倒産はしないだろうが、非鉄銘柄の30年間の月足を見て御覧、底値にピッタリ這いついたままの状態が1年以上続いた時期もあったんだぜ。

現に今年の値幅が小さくなっているじゃないか。・・・・・・・・・

 

いずれにしても、小心な性格の老人には利益率の向上は今後もできないだろうとあきらめてはいるが。

一昨日、海に面した町の小さな警察署で1時間、南海トラフ地震の話をした。50人ほどの署員が話を聴いてくれた。

 

私は、学者でも専門家でもない。単に過去の南海地震の記録を私の地方に限定して収集し、それを冊子に取り纏め、そのエッセンスをパワーポイントに編集して紹介する、いわば、過去に何度もこの地方を襲った南海地震の被害状況を物語る「語り部」のつもりでいる。だから、警察業務の参考というのはおこがましいので、警察官の一人一人に、個人として、一家の主人として、やがて襲ってくる巨大地震への心の準備と対応とを促すのである。

ひとたび大規模災害に襲われれば、公務員の激務が始まる。家が壊れようと、家族が被害に遭おうと、昼夜に亘る緊急業務を最小でも数ヶ月間従事する責務を負っているのである。たとえ避難所や車の中から出勤し、限りない不安を抱きながらでもある。

したがって、公務員は大規模災害に備えて、住む土地と建物の被災状況をあらかじめ想定し、対処してておかなければならない。これは市民全般にも必要なことだが、公務員は率先すべきと言うのが私の持論である。

 

私の地方は広い平野の中に、市街地が広がっている。この平野の半分近い面積は江戸時代から埋め立てが続いた干拓地で占められている。

1946年南海地震が発生した際に、地震源から200km以上も離れているにもかかわらず、この干拓地で1200棟の建物が全壊した。主に農家である。そして、耕地は広範囲で平均30cm不同沈下した。

戦後50年間の高度経済成長の間に、この干拓地に行政は道路網を開設し、工場が進出し、無数の宅地開発が行われ、やがて市街地が広がってしまった。

地上の風景は変わっても、地下の状態は変わらない。この土地のボーリング調査による平均的な地下構造は、N値=0の軟弱地盤が地下15m続き、地表1m以内に地下水位があり、そして地下2m~5mのところにシルト層がある。つまり揺れやすく、液状化が必至の典型的な土地なのである。

 

私は、考えていることははっきり口にする年老いた語り部だ。今回も言った。

このような土地に家を求めるな。既に家があるものは、耐震補強を検討しろ。と、

2040年頃の発生が予測されている南海トラフ地震まで、残り30年を切ってしまっている。準備期間は長いようで短い。ありがたいことに、耐震補強の技術は年々進化している。

 

語り部は、謝礼を頂いて警察署を後にした。謝礼金は熊本への支援金に回すのが私自身の理にかなっている。被災者が一番必要としているのは、お金だ。

少しでも継続してお金で助けたい。情けないが老人は寄付でしか支援できない。

私は、ネット証券に加えて、国内最大手の証券会社の支店に口座を設けている。当初の目的はカードで出し入れ自由のMRFを普通預金の代わりに利用しようと考えたのだが、窓口の勧めで株式のホームトレードもできるようにした。

総合証券は、ネット証券と異なり担当者がいる。開設したMRFのかなりまとまった金額を見て投資信託か株でもと舌舐めずりをしたのだろう、担当者が早速家に来た。真面目そうな中年男で、地域型社員ですから定年まで支店を離れませんと言った。

私は、長年記録した非鉄銘柄の玉帳を見せ、このような売買をするのは、手数料の安いネット証券でしかできないだろう。と言い、彼も納得してかえった。

 

大手証券会社の利用のメリットは、調査能力の高さにあり、銘柄ごとのレーティング発表はその株価へ跳ね返る。またレポートの内容も充実している。彼は私が手掛けている非鉄銘柄のレポートを送り続けてくれた。

こうなると、私も情にほだされる。長期保有を目的とした企業の株をポツリポツリと拾って、金がMRFから株式へある程度移動しし、彼への面目が保てた。

その株は買っている期間は含み損であったが買い終わってしばらくすると含み損が減っていき、やがて含み益にかわり、それが次第に増大していく。

彼も、私の口座に関心を持って拾い方とその後の静観の態度を見ていたのだろう、電話をしてくるようになった。非鉄銘柄の相場観を聴きにだが、私は予測下手を自認している。「とりあえず、つなぎ売りを始めた段階だが強いね。」とか「保ち合っているので様子見だよ。」と、言うしかない。

 

昨年から、その彼が支店が開催する講演会の案内を送ってくれるようになった。本社の調査部やお抱えアナリストが講演する定例の講演会だが、暇だから妻と二人で参加している。将来はドル円が130円になる。日経は3万円になると明るい未来を語ってくれる。弁舌さわやかで講談を聴くより面白くて楽しい。帰り道で、嘘だよな。ありっこないよな。とあれこれ批判しながらだが。

しかし、気になることがある。会場が300席であれば満席、500席であってもそれも満席に近い、そしてもっとも驚くのが参加者の大半が私と同年輩で、しかも配られたボールペンでメモを取っている人が多いことだ。

これが、高齢者の金が証券会社に狙われている確かな証拠だろう。

 

今私は、場帳とグラフをたよりにツナギをどうにかやっているが、そのうち売買が乱れてくる。そうすると彼は言うだろう。「お歳ですから投資信託に切り替えませんか」そしてゴッソリ・・・・・

このあたりだろうな。わたしが証券会社のカモになるのは。