ゾウケイヤ-入門
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FRP

「ファイバー ンーフフ プラスチック」
この「ンーフフ(知らない言葉を鼻に抜いてごまかす特殊技術)」の部分が曖昧だった。

僕に造形を一から教えてくれた、いわば師匠であるUさんからは
「ファイバー ランニング プラスチック」
の略だと教えてもらった。

僕は「ヘー」と鵜呑みにし、その後10年以上信じていた。

途中なんとなく「?」と思う事もあったが、
取り立てて調べ直す事も無く、後輩とかにもさりげなく偉そうに教えていた。

この「FRP」、
ガラス繊維をポリエステル樹脂でもろとも固めてしまう強化プラスチックの事で、
「造形屋と言ったらFRP、坂東と行ったらゆでたまご」
とマジカルバナナ(古典芸能)が始まってしまうくらい、
切っても切れない組み合わせなのだ。

具体的な物で言うと、公園にある動物の形をした遊具や、
プールにある大きなすべり台なんかが、このFRPで作られている。

千葉にあるのに、TOKYOと言い張るネズミの国にある山やら岩やら
パレードの山車なんかもFRPだ。

お台場にいたガンダムも。

知り合いの業者さんは、等身大?の綾波レイちゃんを、
着色までで1体25万で作ってるらしいけど、これもFRP。

色んな物が作れてしまう。
しかも堅い。

説明が稚拙すぎて話が進まないが、
要するに、丈夫で長持ちしてたいていの形は出来てしまうので、
造形という仕事にはもってこいの素材なのです。

さて、インターネットが普及したので、何気なくFRPをひいてみた。

報告があります。

「ランニング」ではなく、
「レインフォースト(強化された)」
でした。

Uさんや僕から「ランニング」と吹き込まれた人、
僕らから教えられた事を直ちに全て忘れて。

シャワーを浴びて、そして人には言わないで。

もう信用できないかも解らないけれど、
せっかくブログを始めて4ヶ月経って、ついに、
多分やや頭のおかしい人が2人も読者になってくれて小躍りしている所で、
FRPの肝心な事に全く触れていないので、もう少しだけ説明します。

まずクサい。(また漠然とした。。。)
嗅ぎ続けるとヨダレが出てくるそうです。

身体に悪いってこと。

もちろんちゃんと使えば問題ないのだけれど、
僕を始め、多くの造形屋は未だにちゃんとなんて使っていない。

そんな風にツカッテラレナイ!!(逆切れ気味に)

正しくは、

マスクして、

ゴム手袋して、

保護メガネして、

換気良くして、

皮膚に付いたら直ちに大量の水で洗い流して、

実家の両親に電話して、

あの頃の想い出を拾い集めて、

ご近所にしてもいない結婚の報告を2回して、

風呂のお湯を止め忘れて、

ご飯を保温で炊いてしまって。。。。


なんて事してたら、とてもじゃないけど物なんて作れないんですよ。
実際。

元々、液状のポリエステル樹脂に、促進剤、硬化剤を入れて、
硬化するまでの間に作業するので、時間との戦いなわけですよ。

途中で固まっちゃう事もあったりして、
そこをウマーイ事、気温と湿度と作る物の大きさと作業量と、促進剤、硬化剤の
量を調節してやるわけなんです。

なるべく空き時間の無いようにやらないと「タイムイズマニー」じゃないですか。
正味の話。怒るでしかし。(メガネメガネ)

でもね、入社した頃から諸先輩方みんな、水浴びでもするかの様に、
有紀溶剤でバッシャバシャ手ぇ洗ったりしてて、
アセトン(検索!)なんてやたら冷たく感じるから、
冬なんてサミーサミー言ってて、逆に夏なんか暑いから気持ちいいやなんつって。

そんなこと当たり前にやっていたもんだから、さして気にもとめていなかったんですが、
シンナーってやつは歯やら脳やらを溶かしてしまうんだもんね。身体に良いわけが無い。

でも、あえて悪い事をやっちゃうっつう不良へのアコガレ的な心を持ってるじゃないですか、
男の子って。(今年41ちゃい、本厄です!)

何にしても、そういったある程度悪いものも使いつつ、物を作るのです。

最近はエコだ何だって、やさしい材料も増えて来てるんですけど、強度的に従来の物より弱かったり、使い勝手が悪かったりしてうまく行かんもんなのです。(一概には言えんけど)

基本的に、FRPは再生がきかない。
粉砕してまた樹脂に混ぜて使うとか、
そんなくらいで、利用後はほとんど産廃にしかならないんです。
残念。

土に帰るFRPなんてのもあるみたいですけど、やっぱりそれがスタンダードのなるのは
難しいみたいですね。

あっ、急に思い出したんですが、
あと肝心なのがガラス繊維なんですけど、これがまた曲者で、結構タチが悪い。

ガラス繊維がイヤで、FRPをやらない人もいるくらいなんですから。

FRP成形の時に使うのは、主に
「チョップドストランドマット」
とか
「ロービングクロス」
っていう
布みたいに織られたりしてるガラス繊維なんです。
見た目はキレイというか、
「バンッ」
て叩いたりすると、ほつれた繊維が宙に舞って、
「キラキラ~。わあキレーイ」って感じで、
光に反射して、スノーダストみたいに見えるんです。

ところがどっこい、これがとおんでもなく
カユイ!

皮膚に刺さってるんでしょうけど、
モーーーーチクチクチクチクキーーーーーーッ!
ってなっちゃう。

アスベストが問題になったとき、このガラス繊維もマサカ!?っつうんで
メーカーさんとかに問い合わせが結構あったみたいですよ。

メーカー側曰く、吸い込んだりして体内に入ったガラス繊維は溶けて無くなっちゃう?
んだそうです。
それにしても、いたいっつうか、かゆいっつうか。。。
全身にガムテープ貼ってはがしたくなっちゃいます。それはそれで痛いけど。

結論。

FRPは「カタイ、クサイ、カユイ」の3Kです。

これで終わると色んな方面からビシバシ風当たりが強そうなので、
最後に思いつきでもうひとK。(新しい単位!?)

それは
「カノウセイ」
です。(笑)そして(涙)