朝、担当の看護士さんから
「2時くらいから手術の準備に来ますね」と言われドキドキする。
朝食を食べグダグダしていたら、リハビリ室に呼ばれる。
リハビリの先生に右手、左手それぞれの指がどのくらい曲がるのか
握力が左右どれだけあるのか、手首がどのくらい曲がるか、
とにかくいろんなデータをとられた。
グーやパーさせられて、はじめて見るゲージで測定していく。
昼食をとってしばらくしたら担当看護士が来て、手術着をわたされる。
ナースセンター内で右腕、右手の指、右わきの下の毛を剃られツルツルに・・・
そのあと風呂場に行って上半身裸になり、右手と右腕を丁寧に洗ってもらい
仕上げに消毒液をドプドプかけられる。
手術着を着て、右腕は青い袋をかぶせられ厳重に保護される。
病室に戻り点滴をしながら手術を待つ。
前の手術が長引いているようで、なかなか呼ばれない。
予定より1時間半以上遅れて呼ばれ、なぜか車いすに乗せられ手術室へ。
手術室の看護師にカルテとともに引き渡され、手術室に通される。
小さなベットに寝そべり、左うでには血圧計、右手は手術台。なんか肌寒い・・・
心電図のコードがつけられ、よくTVで見るように左側にある機械から
「ピ…ピ…ピ…ピ…」と鼓動にあわせた音が鳴る。
めずらしいのでキョロキョロ。
手術台を照らすライトは大小二種類あってUFOのような感じ。
音楽がずっと鳴っているが、みるとぼろいCDラジカセ。棚にはいろんなものが入っている。
医師が二名入ってきて右腕の青い布を外し、消毒液をドバドバかけ、イソジンで消毒していく。
目の前に青い布の覆いがかぶさり、右腕の状態は見えなくなる。
医師に(以下Dr)「痛いですよ~」と言われ、右手薬指付け根に麻酔薬を注射される。
(「あいたたたたったたたたたぁぁぁ!!!)
注射刺された時もいたいが麻酔薬が入る時がかなり痛い!
麻酔するために麻酔してほしいくらいだ。
Dr 「もう1本いきますよ~」
(「ぐぅぎぎぎぎぎぎぎぎぃぃぃぃ!!!」)
今まで生きてきた中で一番歯を食いしばったような気がした。
しばらくして青い布の向こうから
Dr 「指先をピンセットでつつきますが、わかりますか?」
(ん~、)「なんとなくわかります」
Dr 「では手術はじめます」
右腕を血を止めるために巻きつけたものが「ブィィーン」と音を立てて腕を締め付けていく。
左腕も定期的に締め付けられて血圧を測定している。
右腕を締め付けて血流が悪くなると、もう右腕は感覚がほとんどない。
なんかやられているのはわかるが、痛くもかゆくもない。
30分くらいたったくらいで(実際は時計が無いのでわからないが)締め付けられた右腕が
とてつもなく痛くなってきた。じわじわととてつもなく・・・
Dr 「右腕の締め付け、もう少し我慢できますか?」
(我慢できないくらい痛いがもう少しなら)と思い「はい」と答える。
が、いっこうにすむ気配はない。
そのうち右腕が痛いのもさることながら、このまま続けたら右腕が元に戻らないのでは・・・という
漠然とした不安が大きくなり
「す・・・すみません、右腕、限界でっす!」
右腕の締め付けが緩められた。ドーッと血液が流れていくのが本当に感じられた。
右腕全体が正座で足を崩した時に痺れるような感じになり、薬指以外の感覚が戻ってきた。
(あ・・・今中指を持たれているなぁ。お、なんかやってるなぁ。)と色々考えているうちに
薬指を縫われている感じがして手術は終了。
腫瘍を見せてもらいましたが、白い小さな米粒大のもので念のため検査してもらうことにした。
右腕をギブスで固められ、三角巾で腕を吊られた状態でまた車いすに乗り、病室に戻る。
スタートから遅れたが、予定より2時間近く遅くなっていた。
左腕に抗生物質の点滴をしながら左手で食べた夕食。
きき手が使えないと本当に食べにくかった。
どんぶりのご飯は明日からおにぎりにかえてもらうことにした。
おおげさに見えるが心臓より高くすることで痛みはほとんどなく、麻酔が切れた後も
そんなに痛くなかったため、痛み止めの薬ももらわず大丈夫だった。
ギブスも効果があるのかも?
夜はベットの横に立てられたポールに腕を吊って、枕をその下に敷いて寝たら
ほとんど痛みは無く快適に寝れ良かった。
肝心の手術の内容ですが
薬指の付け根にできたグロームス腫瘍。
薬指の付け根を縦に切り、ペロンと皮をめくって、爪を7ミリ四方切り取って
腫瘍を切除。(少し骨にもかかっていたとか)
皮をもとに戻して縫合。てな感じらしい。
想像したらこんな感じかな?
【手術前】 【手術後】
これで今まで苦しんでいた「グロームス腫瘍」の痛みから解放されると思うと
とっても嬉しい!