12月8日に青森県東方沖で発生した地震を受け政府から『北海道・三陸沖後発地震注意情報』が発表されたのを受け、日曜の夕方『いわて競馬クロス』でお世話になっている岩手のIBCラジオが2か所のAM中継局の『(電波の)再発射』に踏み切る英断に踏み切った。

 

 

再開措置が取られたのは1062kHzの田野畑局と1557kHzの宮古局の2か所。東日本大震災をはじめ過去から『大地震の巣窟』といわれている拠点でのAM波送信再開には一ラジオ好きとしてはエールを送りたくなった。IBCはFMへの送信主力化に向け2つの拠点を含めたAM送信休止措置をとっているがこの大地震のタイミングでの再開には考えさせられることは大きい。

実際、運用経費だけでFM移行を推進すること自体論理破綻ではと思うようになった。エリアカバーの面ではFMの『エリアピンポイント方式』よりはAMの『広域カバー力』の方が勝っており、SNSで確認できた範囲の意見でも『コスト面で安易にFM移行するのではなく防災対応力のためにもAM放送のポテンシャルを見直して残す必要がある』という意見が大勢だった。この動きが『FM100%』への動きに警鐘を鳴らしてほしいと思う方は多いのではないだろうか。

 

そういうことでいうと、私の場合時間に応じてネットとアナログを使い分けることは日常茶飯事で、通常だとネットでの視聴が多いラジオでもNHKの『ラジオ深夜便』を就寝時かけっぱなしにする際はコンセント接続にはなるがアナログラジオにしている。でも今回の地震に関しては電源が途切れるのも不安だったので有り合わせではあるものの電池式のポケットラジオも並行して聴取し何とか済ませた。こっちの防災袋に備えている短波搭載のラジオまで動員はせずに済んだのだが…

 


ハマった範囲でいえば実際、radikoでラジオNIKKEIが手軽に聴けるようになっても競馬場やウインズに通信障害に強いからとの理由で短波ラジオを持っていく競馬ファンがいるのは昨今災害対策等で推奨されている『フェーズフリー』的な概念なのかもしれない。今回の出来事でアナログ聴取手段の確保の必要性を改めて感じ、極端な話『ネットが完全麻痺した』という1ppm以下の確率であっても備えるようなことをしないと快適なラジオライフは送れないと思ったのであった。

 

コスト面が優先されてAMラジオが終わっては困る。そして短波ラジオだって絶滅危惧種になってはいけない。なんでもかんでもFM・ネットという考え方に対して一度立ち止まる時期に来ているのではないのだろうか…