さて、上半期の競馬もいよいよ総決算。今年の上半期の競馬には人の悲劇も多かったのも事実。改めて宝塚記念の項でも書くが、全人馬無事を祈りながら予想や馬券の感情抜きで見ることができたらというのはある。

あとになって気づいたが、宝塚記念が終われど金沢の3歳牝馬重賞やばんえいの4歳三冠第1ラウンドもある。水沢のマーキュリーカップへの選考競走まで…ああ、春のグランプリ後の地方競馬での敗者復活戦がこんな時に多いって…えーん

 

 

その1 宝塚記念

 

1960年に『関西地区にも有馬記念と同等のグランプリ競走を』の声から創設。創設時が1800m、第2回からは長らく2000mで行われ現在の2200mに延長されたのは1966年。コース形態の関係上外回りで競うことになるため第3コーナーの坂の上り下りが勝負ポイントになるのは言うまでもない。

1999年に選ばれた公募によるファンファーレの作曲者である早川太海氏は当時のBS-iの番組やTBSの『世界遺産』の特番のテーマ、J2クラブのモンテディオ山形の公式アンセムなどの作曲に携わっており『名前を聞いたらわかる人がいる』作曲家である。

余談だが、ウチのライちゃん(ライスシャワー)に史実で産駒がいないのは『震災復興支援競走』として行われた1995年(阪神・淡路大震災の発生はこの年)のこのレースで第3コーナーで故障・競走中止したことによる予後不良のためである。志半ばで天国に旅立ってしまったライちゃんのためにも全人馬無事に完走できることを願いたい(史実を深掘ればこのレースがもとで屈腱炎に泣かされた馬が複数おり、さらにさかのぼれば現場がやや先にはなるものの日経新春杯のテンポイントの悲劇にたどり着く)。

 

人気どころを見ていると近走実績があるのが比較的2400mクラスに偏っており2000m前後で強調材料のある馬が絞られた印象。

本命は③ベラジオオペラ。日本ダービーからの休み明けがチャレンジカップ1着→京都記念2着→大阪杯制覇と2000m級でのスペシャリスト性をここは買う必要ありと考えたい。

対抗は⑩ローシャムパーク。近4走を見ても着順を落としているのは香港カップの8着だけ。国内を叩くと比較的2000mでの強みが目立ち前走も大阪杯でベラジオオペラの2着。カーブ坂の京都に変わるが距離適性で乗り切れるとみる。

単穴は⑦プラダリア。2走前の京都記念でベラジオオペラに勝ち、4走前には同じカーブ坂の京都大賞典を勝利。カーブ坂適性ならこの馬の快勝も視野に入れたい。

穴需要があるとすれば唯一の牝馬⑬ルージュエヴァイユの浮上か。3走前に牝馬同士のエリザベス女王杯を2着でその際もカーブ坂。前走の大阪杯も3着で川田騎手を鞍上に迎える熱の入れようでこの馬にも豪脚警戒の目もある印象で絶妙な差し切りも視野に入れることにしたい。

押さえは人気どころが並ぶが、①シュトルーヴェ、②ジャスティンパレス、④ドウデュース、⑫ブローザホーンまで横一線。

 

 

今回は上半期のGⅠ納めでもあるので買い目を書いてしまおう。

今回ばかりは考えすぎでも仕方ないので『ワイドおじさん』を発動しフォーメーションを組んでヒット狙い!

 

 

その2 加賀友禅賞

 

2014年創設の金沢では珍しい3歳牝馬重賞ではあるが出走資格が金沢所属馬指定になっているためにグランダム・ジャパン3歳シーズンの構成競走にはなっていない(その後2020年にノトキリシマ賞が重賞格上げの措置を受けているが同様)。金沢の場合GDJの指定を受けているのは読売レディス杯が古馬シーズン(秋)に組み込まれているだけ。開設当初1300mで行われていたが2019年に1400mに距離延長。

金沢所属馬限定もあるため東海地区のようなSPグレードが導入されたとしてもSPⅢが精一杯の可能性。将来的なGDJ対象入りに向けた形でのSPⅡ昇格をにらむことになりそう。

優勝杯を提供する山口シネマはこのレースに加え佐賀競馬の花吹雪賞にも提供しているが、写真判定システムとパトロールビデオの開発に長け、ほぼ全国の地方競馬とJRAの全10条の競馬場での公式映像の撮影を担っている。ラジオNIKKEIの小林雅巳アナが山口シネマのカメラマンに取材した内容が掲載された日経電子版のコラム『競馬実況アナ日記』を発見したのでリンクを貼っておく。

 

 

 

石川優駿2着で二冠目を逃し捲土重来の②リケアマロンの軸不動と考えたい。金沢転入後2勝2着2回。完全に金沢コースはものにした印象があり転入直後のA2以来の1400mにはなるが牝馬相手ならここはグリグリの本命でよさそう。

対抗以下が強調材料に乏しいメンバーだらけであり転入後2連勝中の④シャトルトウショウ対抗→兼六園スプリント前の一叩きになった⑩トルピード単穴と絞った感じで。

 

⦿②リケアマロン

○④シャトルトウショウ

▲⑩トルピード

 

ここでは買い目は書かないが⦿→○▲の馬単2点か⦿→○▲→○▲の3連単に絞った形で狙うことになりそう。

 

 

その3 柏林賞

 

ばんえい競馬独自の4歳三冠競走の第一関門であるが第1回が2007年と比較的歴史が浅い。牡馬牝馬混合の4歳限定重賞はBG3格付けのこのレースの後は第二関門のBG2銀河賞→BG1の天馬賞に流れる路線体系。4歳限定・資格指定まで広げれば牝馬限定のBG3クインカップに3歳世代との交流のBG3が2鞍ある以外は重賞を叩く場合古馬も出走可能な重賞を使う必要がある。

 

久しぶりにばんえい重賞恒例のしらみつぶし。昨年も行ったが『3歳時の三冠競走と2歳重賞での上位実績』 をまとめてみた。

3歳時に⑩マルホンリョウユウが二冠まで達成しているがばんえいダービーで3着と敗退。2歳時も重賞路線で伸び悩んでいたこともあり世代交代の色も考えここは対抗まで。

本命浮上は3歳の三冠路線で全部2着に泣いた⑦ホクセイタイヨウ。2歳時に重賞を3勝してからの3歳時の惜敗。逆転に向けたチャンスが整ったことを重く考え本命でいきたい。

単穴は④ジェイヒーロー。ヤングチャンピオンシップから使った重賞が3着続き。ばんえいダービーの出走取消で強く推せない面はあるが複勝圏内なら確実味ありで狙いからは外せそうにない。

ダービー覇者の⑥タカラキングダムはその前の実績がナナカマド賞しかなく穴候補としての押さえ。

 

◎⑦ホクセイタイヨウ

○⑩マルホンリョウユウ

▲④ジェイヒーロー

△⑥タカラキングダム

 

ばんえい重賞の予想の場合は『オッズパークLOTO』に向いた狙いを書いているがパターンが2つ想定できそう。

 

(a)・・・⑦⑩の2頭に絞りほかの対象レースを手広く。

(b)・・・④⑥⑦⑩の4頭を手広く確保し他のレースで1~2点に絞る。

 

 

続いて、23日の新馬戦から一頭。

 

 

母ピカピカは⑬を管理する西田雄一郎調教師が騎手時代手塩にかけて短距離で育てた厩舎ゆかりの血統。『複勝一点買いでおいしい』魅力を見込んで本命に。

 

 

最後に、残った水沢の重賞の狙いを本命馬だけで。

 

水沢第11レース 一條記念みちのく大賞典

◎②グランコージー

 

一昨年の桐花賞3着以来の2000m。マイルで3連勝中だが2年ぶりのこのレース挑戦であっと化けるような可能性を秘めており断然の人気になっても単複妙味十分。

 

 

正確には、今年の上半期は来週が最後になるが(JRAでの)競馬番組としては今日が一つの節目。そんな時に宝塚記念で泣いた人の敗者復活戦が地方の舞台で多いとは…有馬記念の折だって佐賀の中島記念しか地方競馬での敗者復活戦になる重賞ってなかったじゃん…えーん