地方競馬のシリーズものに感して、なかなか青写真の見えてこないものが2つほどある。

 

 

まずは、昨年までの『ダービーシリーズ』の扱いから。

 

3歳ダート三冠路線の整備に伴って、地方競馬で『ダービー』を名乗れるのが東京ダービーだけになり、他地区の三冠路線の根幹となるダービーに匹敵するレースは『優駿』の名前に軒並み名称変更になった。

次の表に、2024年に行われる『地区3歳優駿』の性格を持つものをまとめたが、東京ダービーを外したところで7鞍の編成になるので、昨年までのダービーシリーズとは数的には動かないものと思われる。

なお、対象には含めなかったが、昨年までの『3歳秋のチャンピオンシップ』の一環にあたる『西日本ダービー』についても今年から『西日本3歳優駿』に名称変更となり今年は金沢で開催。あと、平地競走と趣を異にするばんえい競馬の『ばんえいダービー』に関しては対象外ところか競走の性格がガラッと変わるため(日輓種競走)、名称変更がなくても支障はないようにも思うが…NARも『ばんえい大優駿』とかに名称変更するの勧告できた気もする。

 

能書きが過ぎたが、これだけ対象競走が残るのであれば、NARも『(春の)3歳優駿シリーズ』って感じで東京ダービーを排除した形で昨年までのダービーシリーズの再編ができるのではないかと思っている。例年年度初めとともに昨年までならアナウンスがあったような気がするが…あくまでNARも『鋭意検討中』の範囲なんだろうなぁ~

 

 

続いて、『スーパースプリントシリーズ』に関して。

 

このシリーズの場合は、兵庫競馬やKBS京都の『うまDoki』で実況を手掛ける木村寿伸アナが園田の820mのレースを実況内で『スーパースプリント戦』と呼ぶのに倣い、創設当初の条件である『ワンターンかつ1000m以下』の距離条件を『スーパースプリント条件』とゾウたん的には呼ぶことにして、その条件での古馬重賞を探すとゾウたん調べにはなるが次の表のような内容まで減っていた。

表内のように5鞍まで減ってしまい、条件から外れたところでは金沢の『日本海スプリント』が1400mに、『佐賀がばいダッシュ』として行われていた佐賀の一戦は『佐賀がばいスプリント』に名称変更となり1300mに距離延長されいずれも2ターン化してしまった。おまけに、習志野きらっとスプリントに至っては、スーパースプリントシリーズのファイナルという性格からSⅠだったのがSⅡへの南関東グレード降格の憂き目にあう始末である。

 

ここまで再編が進んでしまったら、シリーズ自体の廃止なんて声がささやかれても何の不思議もなさそう。仮に、残った5鞍でチャンピオンを決めようとなると、グランダム・ジャパンのようなポイント制にしないと成り立たない計算になるのは目に見えている。

 

実は、先ごろ決定した2025年のJBC競走のうち、JBCスプリントが習志野きらっとスプリントと同じ『船橋1000m』と完全に『スーパースプリント条件』を使ってJBC競走の根幹の一戦を行うことになるため、こういうことに備えて超短距離条件の重賞のレース数の確保もそこまでの課題になると思われる。個人的見解にはなるが、スーパースプリントシリーズにしても残すに越したことはないと思っているし、ダートグレード競走にスーパースプリント条件の一戦があっても何もおかしくないと思っている。最悪でも昨年行われた神奈川記念のように1年限定での開催重賞でもいいから…

 

 

ダート重賞の再編の陰で、こんなところまでかつてのシリーズものが影響を受けているのかというのを改めて知ったところだ。