2月に授賞式典の終了したNARグランプリ。2023年シーズンもまた『該当馬なし』に終わった部門がある。『最優秀ターフ馬』で2018年のハッピーグリンを最後に5年連続で該当馬なしという不名誉な事態と言ってもいい。

 

ウチに最近来たリンちゃん(ソングライン)は、仲良くなって完全にいつも一緒に過ごすことが多いウェイくん(グローリーヴェイズ)とこの事態を憂いていた。2頭は最近、

 

「毎年最優秀ターフ馬を選出できるようにするためにどのような方策が必要か?」

 

を話すことが多くなり、一緒に考えるようになった。

 

 

 

 

リンちゃん(ソングライン):地方競馬の世界もダートが根幹なのか、また今年も最優秀ターフ馬出てこなかったね。

ウェイくん(グローリーヴェイズ):何か盛岡しか芝がない事情も絡んでいるような気がする。2023年分の選定結果振り返ろうか(NARサイト掲載の概要をスクショ・マーキング)。

ウェイくん:確かにJRAの芝の重賞勝って下剋上的なことやったら確実だろうけどJRAのレース体系みても2歳に限られる可能性高そうだし。リンちゃん考えていることあるみたいだけど。

リンちゃん:実は…そのカギ握るのがJBC競走なんじゃないかなと思うの。盛岡でJBCが開催された際にX(旧Twitter)上で『JBCターフ作ったほういい』って意見結構あったわ。私が考えるのは確実に施行できる盛岡に開催を固定する形にして地方所属馬限定戦として芝の1700mか2400mを使用して『地方競馬におけるターフ王決定戦』にするの。加えて『ジャパンカップ地方代表馬選考競走』みたいにして勝った馬にジャパンカップの優先出走権を付与するの。ある意味盛岡の芝を使った門別の2歳優駿方式とジャパンカップトライアルを一緒にやってしまおうというの。

ウェイくん:タイトル的なこと話すけど、ばんえい記念の制覇が『ばんえい最優秀馬』のタイトルに直結しやすいように確かに勝った馬も最優秀ターフ馬のタイトルに直結できるようにするべきだし『地方競馬からの下剋上』的なストーリーもいくらJRAのGⅠでも必要なファンっているはずだから芝に能力ある地方馬が府中に進みやすい環境ってあってもいいはずだと思うね。

 

ウェイくん:それにしても、競馬界って『芝は中央、ダートは地方』って棲み分けに走ろうとしているけど、この野望をテコにNARも最優秀ターフ馬の部門廃止しそうなムード感じるな~

リンちゃん:確かにそれもったいないよ。JRAで調教師やっていた人でも尾形充弘先生のようにフェブラリーステークスやチャンピオンズカップにJRAのダートGⅠとしての性格をはっきりしてほしいと苦言を呈している人もいれば、『棲み分け』そのものに苦言を呈しているJRA関係者だって一定数いるはずだし、最後の最後に『JRAがダート重賞を廃止。ダート競馬の地方移管に着手か。』なんてニュースまで出てしまったら終わりの始まりに思う競馬関係者やファンだって多いと思うし。

ウェイくん:そういう意味では、地方在厩のまま芝で戦える環境って必要だと思う。そういう意味ならJRAでも現状の特別指定交流競走では門戸が狭すぎると思うから1・2勝クラスの地方所属馬出走枠を最低3頭にするなど枠の確保って必要だと思う。

リンちゃん:まだまだ(競馬界全体として)改革しなければならない点は多いけどこの流れは注視しないと。

 

リンちゃん:実は、その盛岡の芝なんだけど、芝の重賞を6~9月の開催にまとめてやってしまうみたいなの。

ウェイくん:確かに昨年盛岡の芝って落馬事故は出るわ芝が痛むわで年の最後なんてダートに切り替わったレース出たし、あれじゃ芝の張替えとかで馬場改修しないとさすがに持たなくなってきたんじゃないかな。

リンちゃん:何でも、年間30競走にまで芝の競走が重賞含めて減少するらしいし、とあるオーナーさんだったかな?のポストに『芝に適性のある馬の岩手への入厩はご一考願えませんか』的なのあったから、さすがの盛岡でも芝馬受け入れる余裕なくなっているみたいだし。

ウェイくん:それはまずい。本来なら東日本・中日本・西日本のどこかの各1場に芝コースあったほういいんだけど今から整備しても10年で片付かないと思うし長い闘いになりそうな気がする。

リンちゃん:そういう意味では『棲み分け』というのは考え物だと思うわ。

 

中央・地方間の芝・ダート競走の棲み分け・・・ウチのお馬さんにはこの流れに懸念を持っている馬が多いが、今回の『該当馬なし』のタイトルが5年連続で出たことで改めて露呈された形になった。『JRAがダート重賞の地方競馬への完全移管に向け着手』なんてことになった場合、リンちゃんには子供がダートで活躍することになった場合に向けて、ウェイくんについても産駒がダートで活躍するようになった場合に備えそれぞれ相当の懸念は持っているようである。