ダート重賞の整備を受け『未来優駿』シリーズの根幹に設定された南関東以外で展開される『ネクストスター』競走。ローカルグレードが設定されているところでは『重賞級認定競走』の趣旨に添い、3つの競馬場の開催分に関しては次のようなローカル重賞グレードが設定されている。
ネクストスター門別・・・『H1』
ネクストスター盛岡・・・『M1』
ネクストスター園田・・・『重賞Ⅰ』
ところが…
ローカルグレードとして『SP(スーパープレステージ)』制を採用している名古屋と笠松の東海2場のネクストスターについては格付けがなされていない。これにウチのお馬さんで疑問符を付けた女子が2頭。史実では2017年に2歳女王になったあと2019年から2020年にかけ京都と阪神をまたぐ形でエリザベス女王杯を制したララ美(ラッキーライラック)と史実ではコンちゃん(コントレイル)と同じ年に無敗で牝馬三冠を達成するも先日引退したタク子(デアリングタクト)。格付けがないことについて何が問題・背景なのか、2場の格付け事情も加えた深掘りが展開された。
タク子(デアリングタクト):名古屋と笠松のネクストスターにSP格付けつかなかったね。何が原因かしら?
ララ美(ラッキーライラック):一応表向きとしては『SP格付けの例外措置』ということではあるけど本当は格付けしないとおかしいよね。他場との均衡性もあるし。
タク子:普通に考えたら…
ララ美:適用するなら『SPⅠ』の格付けくらいつきそうなんだけど…これについては予測を深掘る意味から2場におけるほかの2歳重賞(一部年初めの3歳戦まで含む)の賞金事情も見てみようか。
ララ美:名古屋から見てみよう。12月までに2歳馬が出走可能なのがSPⅠのゴールドウイング賞で令和5年度で1着700万円。生え抜き馬限定の準重賞の若駒盃が1着180万円。翌年の3歳になった時点だと1月までの分で生え抜き準重賞の弥冨記念で1着250万円、SPⅠの新春ペガサスカップで1着600万円だから、容易にSPⅠの格付けになるのは考えられそう。タク子、笠松の賞金事情見れるかな?
タク子:笠松なら2歳のうちに出走可能となるとSPⅠのライデンリーダー記念で1着500万円。牝馬限定SPⅠのラブミーチャン記念で1着500万円。こっちは3歳の2月上旬まで広げるけどSPⅡのゴールドジュニアで400万円だから、こっちも賞金上は容易にSPⅠ格付け可能だと思う。
タク子:ほかに何考えられるかな?
ララ美:う~ん。たぶん主催者はレース内容や勝った馬のその後にも注目しているんじゃないかな。3歳対象の中日本のネクストスター(今回は令和6年3月28日に名古屋開催)で1200万円でこれも格付けついてないし、こっちの一周回った次の東海開催までに2歳分も含めてSP格付けについては結論出るんじゃないかな。勝った馬が無事に兵庫チャンピオンシップに進んだ場合の成績も見てみたいというのあると思うし。
ララ美:タク子なら何が原因になったと思う?
タク子:アタシはネクストスター競走が重賞『級』と定義づけたことで2歳の出走資格と1着1000万円の賞金だけで決定づけてしまったことにあると思うの。具体的な格付けまでは求めなかったからこうなったと思うわ。今回の方式だと言葉じりかもしれないけど物理的に1000万円の賞金であっても準重賞として実施しても何の支障もないような感じだったもの。
ララ美:その辺しっかりしてくれないとファンもそうだし競馬記者・トラックマン界隈も混乱に拍車をかけると思うわ。
ララ美もタク子もネクストスター競走を重賞『級』認定競走にしたことで東海地区のような事情が発生してしまったのではないかと推理していた。確かに重賞『級』競走と定義づけるだけでは、最後のほうにタク子が考察していた『1着賞金1000万円で準重賞』のような事態も物理的に不可能ではなかっただけに、『明確な重賞』としての実施を2頭は求めているようであった。2頭にはどうも今年からの未来優駿シリーズが消化不良のように映ってしまったらしい。
※なお、今回の記事の執筆にあたっては、地方競馬のレース編成についてまとめたサイト『地方競馬ABC』に記載されたこちら↓の記事に記載された内容も参考にさせていただきました。