JRAの競馬場には、コースとして設定されているのに使用されていない距離がどこかしらに存在する。我が家のお馬さんでそれを調べていたのが史実では2000m以上を中心に使い現在地方再デビューを目指しリトレーニング中のばけおくん(ゴースト)と史実では長距離を使い秋に使うレースをめぐって現在適条件模索中のメロたん(メロディーレーン)の2頭。
ちなみに、『ウチのお馬さん』のシリーズの場合、競馬界の現状を語るのは『引退馬優先』の原則をとっているが、我が家に入厩している引退したアイドルホースはこの記事を執筆している時点で何らかの話題で出尽くしてしまった関係もあり、今のところ『準・現役』のばけおくんと史実で現役のメロたんにあれこれ調べて語ってもらうことにした。
なお、障害競走については、改装工事による休催用に振替となる競馬場間で距離条件が融通されたり、東日本大震災が発生した2011年の中山グランドジャンプ(勝馬はマイネルネオス)のように芝コースの変更に準じた形で4250mから4260mに変更新設され勝ち時計も基準タイムにするなど何らかの融通がされやすい事情にかんがみ、今回は平地競走に絞って話を進める。
ばけおくん(ゴースト):僕もJRAの競馬場って色々走ってきたんだけど、コース設定があるのに実施のない距離って結構あるみたい。
メロたん(メロディーレーン):ワタシも今回『どんな距離なら勝てそうかな』って探してみたけどなんとなく『掘り起こせば結構出る』ような感じあって結構あったの不思議だったわ。中央場所からいろいろ見てみようか。
メロたん:まずは京都。『芝内回り1100m』『芝外回り2000m』『ダート1000m』『ダート1100m』『ダート2600m』と5パターンが使われていないわ。
ばけおくん:芝外回り2000mなんて秋華賞が開設される前の大昔のローズステークスでしか使わなかったみたいだぞ。スタートから第1コーナーまでが短すぎて坂の上り下りまで考えたら脚部不安訴える馬多く出そうな感じだな。
メロたん:芝もダートも1000m前後だとスタートから即カーブの構造だし3コーナーの入り口でゴチャゴチャして進路の詰まり合いになって危なく感じるわ。ダートの2600mも使えないことはないんだけど、完全にダートの長距離路線が確立されるまで温存か天皇賞(春)をダート変更しなければならない場合にやむなく使うんだろうな。
ばけおくん:完全にもったいないね。
ばけおくん:中山も結構あったぞ。『芝外→内3200m』『芝外2600m』『芝外4000m』『ダート1700m』と4つも発見した。
メロたん:芝の3200mって勝ち抜け制時代の天皇賞(秋)で使用されていたことあるし大昔のブラッドストーンステークスがこの条件だからいずれ復活するかもしれないし、芝の4000mにしても『日本長距離特別』って条件戦が行われた名残だから目黒記念を(3600m前後での)GⅠに昇格させるタイミングでステイヤーズステークスを条件変更する際に使えると思うわ。
ばけおくん:芝の2600mなんかセントライト記念を距離変更するならもってこいだと思うな。中山って芝2400mがないから、代用するなら2500mが第一選択肢なんだろうけど、ファルブラヴが勝ったジャパンカップは有馬記念との重複を避ける関係で2200mだったし。
メロたん:ダートの1700mが使われていないのはもったいないわ。2歳戦で使えそうな気がすると思うんだけど。
メロたん:東京も意外と使われていない条件あるわ。『芝2600m』『ダート1200m』『ダート2400m』の3つ。ダート1200mなら秋開催に根岸ステークスが行われた際の名残あるからまたダートの短距離路線が充実したらまた使えそうだけど。
ばけおくん:案外長丁場でも使われていないのあるんだ…芝の2600mなんか天皇賞(春)や有馬記念のトライアル競走なんか向いている気がするけど。ダートの2400mにしても3勝クラスあたりで使えないかな?
ばけおくん:阪神って意外と少ないんだよね。『芝外回り1400m』『ダート2600m』くらいかな。芝外回り1400mとか未勝利や1勝クラスで使えそうな気がするしダート2600mもダート路線に長距離体系が確立されれば使えると思うな。
メロたん:あと、ワタシオープン入りしてから『芝外→内3200m』で2年連続で春の天皇賞走ったことあるけど、あの条件の放置ってもったいない気がするわ。少なくてもリステッド競走か何かでレガシーとして残しておいたほういいと思う。『コース替え』というの見ものにしているファンって多いと思うわ。関西テレビさんが密着した動画2本確認できているから見ておいたほういいわ。
ばけおくん:中央場所も結構あったけどローカル場も探せばあるみたいだな。一番多かったのが新潟で『芝外1400m』『芝外3000m』『芝外3200m』『ダート1000m』『ダート1700m』と5条件もあったぞ。
メロたん:芝外周りの1400mは未勝利戦で使えそうね。ダートの1000mとか1700mはかつて2002年まで行われていた県営競馬でアラブのレースなどに使われていた条件の名残のところあるから2勝クラス以下で使えそうな気がする。
メロたん:これから先は本数少なくなるところばかりだけど…
メロたん:まずは中京。『芝1300m』『ダート2500m』が使われていないわ。芝の1300mなんて距離がいびつかもしれないけど未勝利あるいは1勝クラスで使えそうだしダートの2500mでリステッド競走組んでもいいはずだよね。
ばけおくん:中京も難点多そうだし…芝で1800mとか2400mとかできないからいびつな2200mやマイル使うか2000mに出るしか方法ないんだよね。コース設計の時考えなかったのかな~。そういう意味を考えれば平地の芝3000mでリステッド競走設けると2年連続で万葉ステークス開催したレガシーになると思うね。
ばけおくん:意外とあったのが福島。『芝1700m』『ダート1000m』の2本。確か芝の1700mなんて大昔関屋記念が福島に振替になった際に使っていたんだよね。
メロたん:福島ってオールダートで1000mできるんだ。でも芝スタートの1150mできてから需要なくなっちゃんだね。新馬戦とか使えると思うわ。
メロたん:函館も遺産になってしまったのが2条件あったわ。『芝1000m』『芝1700m』の2つ。昔は下級条件や新馬戦で需要あったみたいだけど。
ばけおくん:芝1700mはきつい気がするな。スタートから第1コーナーまで短く忙しそうだし、北海道の2場ってマイルの条件ないから代替えできると思うんだよな~。
ばけおくん:設定された距離をほとんど使い果たしているのが札幌と小倉だね。ここはいっぺんに考えてみよう。まずは『札幌芝1000m』。この条件は大昔1500万円以下(現在の3勝クラスに相当)で有力な馬が集うなど好評みたいだったけど、芝のスプリント戦が1200m中心になったこともあり廃れた感が強いんだよね。
メロたん:そして最後になんてったって疑問符がつくのが『小倉芝1700m』。ばけおくんが函館の芝1700mで語ったようにここも1コーナーまでが短く忙しいけど夏の開催で1勝クラス1鞍くらいは夏に必ず組んでいたはずだわ。マイルの中京記念を小倉でやることになった際この条件って思いつかずになぜ1800mにしちゃったのか疑問だわ。
ばけおくん:せっかくコースが設定されても、実際にレースとして使わないことにはもったいないと思うんだ。予備役的に残しても使ってみないことには競馬のバリエーションって充実しないと思うんだ。メロたんは長丁場いろいろ走っているけど、その競馬場の特徴を生かして設定されたと思うんだし、全部使わないと何もならないよね。
メロたん:『宝の持ち腐れ』って言葉あるけど、馬使われていない距離条件ってそのまま当てはまると思う。いろんな距離路線の充実のためなら休眠している距離条件を活かすのも一つの手だと思うわ。
ばけおくん:確かにそうだよね。厩舎も「この距離での適性にかけたい!」って馬も抱えているはずだし、その期待に応えてあげることはしてあげないとというのはある。休眠条件の活用って将来的な懸案事項になると思うな僕は。
休眠の距離条件の活用問題に関しては互いにいろんな条件を経験しているゆえなのか2頭が疑問をぶつけあうような感じになった。ばけおくんにせよメロたんにせよ休眠の距離条件の活用に関しては相当の強い疑問を持っていたらしく、ファンの中にも『この条件を活用できないか』と考えている方がいるかと思うと、2頭の話は自然なことに思えた。