佐賀競馬の実況を37年にわたって一人で手掛けてきたのはご存知中島英峰アナ。
しかし、今年に入り、ラジオNIKKEIによる佐賀競馬の中島アナへの実況支援が増えてきている。リンク先(↓)によると、2022年10月にラジオNIKKEIが実況業務のプロポーザルで選定されたというのだ。これがどうも発端・根拠らしい。
今年に入りこれまで、報道・スポーツ局長でもある中野雷太アナが関西支社長補佐を兼務している関係から関与しているのを始め、これまでに東京本社勤務になるが小塚歩アナ、佐賀記念の際にはNHKからの移籍入社半年足らずで関西支社勤務になった三浦拓実アナ、先日の九州産馬限定のたんぽぽ賞の際には関西常駐の檜川彰人アナがそれぞれ関わり、加えて昨年末で退社したもののOB的な位置もあって佐藤泉アナも実況支援に関与していることがある。
これまでを見ていると、大半はJRAでの小倉開催の合間を縫って佐賀に向かうか、佐賀で平日重賞がある際に支援に行っているような感じで、1日の全レースのうち重賞があれば重賞やメインを含む半分を中島アナが実況し、残り半分を支援に行ったラジオNIKKEIのアナウンサーが分担する措置が取られているようである。
史実では2歳時に小倉を走った際に佐賀所属の馬とも一戦交えたウチのヨカちゃん(ヨカヨカ)に、この実況支援のねらいに何が考えられるか、その先の展望も含め一問一答であれこれ聞いてみることにした。

―――実に37年にわたって中島アナ実況重ねてきたけど、実況業務のプロポーザルやるにあたって背景とかあったかな?
ヨカちゃん(ヨカヨカ):アタイの推測なんだけど、中島アナの後継者が育たなかったっていうのあると思う。そこで、地方競馬実況実績のある放送局やプロダクションに声をかけたような気がするの。
―――何となくゾウたん思うんだけど、地方競馬実況での実績あるプロダクションなら耳目社(南関東など)とかダートプロ(主に兵庫)とか落札できてもおかしくなかった気がするんだ。
ヨカちゃん:ラジオNIKKEIって何となく地方競馬に疎い(実績がない訳ではなく実況しても独自取材の範疇で終わってしまう)ような感じあって、何となく競馬組合が可能性に懸けた可能性あると思うの。」
―――(YouTubeライブで見たが)『耳目社がなぜ落ちた』なんてコメント見たと思う。あの手のプロダクションに手掛けてほしかった意見も見受けられるような…
ヨカちゃん:それわかるけど現状の耳目社の実況人員で佐賀にまでまわすのはきつい気がするわ。特にこの先金沢の開催まで重なった際に南関東も含めれば人員調整できない気がするはずよ。本気なら相応の実況従事人材雇う必要だって出てくるし。それに関しては兵庫のダートプロも同じだと思うわ。
―――そこでラジオNIKKEIに着目したのか。
ヨカちゃん:そういうこと。組合も地方競馬の部分については伸びしろ見込んでるんじゃないの?
―――今のところ、支援が入る際は原則重賞やメインを含む半分を中島アナが実況し残りの半分をラジオNIKKEIに分担させるみたいだけどやはり重賞に限っては中島アナの名調子は外せないかな?
ヨカちゃん:アタイも聴いてて思うけどあの実況はクセになるファン多いと思うし、(佐賀競馬としての)ビックレースだけはまだ中島アナにやってもらう気がすると思う。
―――でも、中島アナに何かあった時のことは?
ヨカちゃん:そこは組合も考えているはずだとおもうわ。それに向けた人材確保も急務になってくるし。
―――ラジオNIKKEIも小倉競馬に合わせ支援のパターン組んでいると思うけど、この分でいけば夏の小倉開催の際とか次に活発になる気がするけど。
ヨカちゃん:日程次第になるけど交流重賞だしサマーチャンピオンの時は必ず支援入れてくると思うわ。どの小倉での重賞が絡むかわからないけど北九州記念あたりだと米田元気アナか山本直アナ、小倉日経オープンとか絡んでくると大関隼アナや小林雅巳アナの線もあると思う。佐藤アナのような社員外だと「山本直也アナは?」って声あるかもしれないけどあたい的には実現してもあくまで大穴かな~。
ヨカちゃんの見解からは『いつかは来るはずの中島アナの限界を前に後継者が育っていなかった』という佐賀競馬の実況に関する課題が背景にあったのを感じた。中島アナの引き際次第で実況の声がどんな感じに落ち着くのかは今後も見ていく必要があると思った。
実は、ウチ的に考えるところで将来的に次にこの問題に突き当たりかねないのが名古屋と高知だと思っている。名古屋の畑野謙二アナにせよ、高知の橋口浩二アナにせよ、ほとんど一人で実況を担ってきた期間が長くなっているのを目にしており、高知こそ福山競馬の実況を手掛けてきた西田茂弘アナによる他場との遊軍で従事する場合があるが、引退の足音が聞こえてきた際に『後継者をどうする』問題が湧いて出かねない実情も頭に入れておかなければならない。間近になってからでは遅いのもあり、これからの実況人材の育成発掘にも影響が出るはずだと思うが…