1995年1月17日5時46分。淡路島北部を震源とするマグニチュード7.3の都市直下型地震により近畿圏が壊滅的な被害を受けた『阪神・淡路大震災』の発生である。この当時は情報収集にインターネットが活躍しているわけではなく、ネットラジオも登場していないことから、当時ラジオNIKKEIを聴くとなると短波ラジオ一択であった。その後2010年のradikoの登場から間もなく東日本大震災、熊本地震、北海道胆振東部地震のような震度7を伴う地震の発生でラジオの重要性が見直され、radikoの普及も進んだ感がある。一方で、テレビの地上デジタル放送への完全移行に伴い空いた周波数の活用策として2014年から『ワイドFM』の名のFM補完放送も始まり、中波放送のFM化も進行していくものとみられる。

そこに伴い、AMラジオの周波数に大量の空きが出る問題が発生し、これにNHKのラジオ放送の再編(AMラジオの1チャンネル化)が加わり、AMラジオの大衰退の始まりが聞こえてくる。

 

これは私の持論だが、中波局のFM化に呼応する訳ではないが、radiko以外が短波放送しかないラジオNIKKEIに空いたAM周波数を割り当て災害対策・難聴取対策として補完させるべきだと思っている。私の場合確かに、パソコンの故障や自宅のネットが使えな勝った際に差支えのない番組は短波放送の世話になることはこれまで3度ほどあり、その際にはこれまで年2回やってきた短波ラジオの受信訓練が役に立った。それでもノイズの波をかいくぐって聴いている状況であり、抜本的な難聴取対策にはあと一息のところがある。ラジオNIKKEI短波放送の送信トラブルの際には減力放送が行われ、radikoの活用の検討を促すアナウンスが流れることがあるが、これでは『そのうちネットラジオに全面移管します』というサインにしか聞こえない。由々しき事態と言ってもいい。

 

だいぶ前になるが、ラジオNIKKEIが(短波方法の補完として)AMやFMで聴けるようになったら喜ぶか私のTwitterで投票なんかやってみた。

 

 

 

サンプル数こそ極端に少ないがAMでもFMでも歓迎する声が大勢で、AM補完放送でもワイドFMでも補完放送の需要はあると見みられる。FMに即座に移行となると、コストというよりはサービスエリアが狭まると私は考えるので、理想論はAMの空いた周波数を活用した補完放送を実現させる方である。

これには、ラジオNIKKEIの番組構成も一因にある。radikoのお陰で音質がクリアになったとはいっても、短波放送のようなタイムラグのない放送実現であれば、事実上FM対応可能な例外はRaNiMusicに限られてしまうのが濃厚であり、マーケット情報や競馬関係番組のようなものはFM波で流すのに抵抗を感じる投資家や競馬ファンが多そうな感じがある。ならば、思い切ってコスト面を度外視してAM補完放送にすればよいのではというのが私の持論である。

 

では、どうやってAM補完放送を実現させるか?これは一個人の妄想である。

 

①中波局のAM周波数が空くことから、送信設備をラジオNIKKEIが空いた周波数のラジオ局と賃借契約し、ここに先行するチャンネルを乗り入れさせる(理想は第1放送を先行させるべきと考えるがその時の状況による)

②NHKラジオ第2放送の終了を受けNHKがラジオNIKKEIに第2放送分のAM周波数を譲渡あるいは貸し付けを行い、そこにラジオNIKKEIが第1放送のサイマル放送を開始。使用料にはラジオNIKKEI側の利益の一定率を充てる形を取り、NHKが必要な賃借料を回収出来たらラジオNIKKEI側の所有にする。

 

中波局のFM移管しかり、NHKのラジオ第2放送終了しかりで空いたAM波の活用策が課題になってくるのが見えている状況でもあり、その解決策の一つがラジオNIKKEIのAM補完放送の実現化と私は思う。radikoをテコにラジオNIKKEIも『脱・短波』へのシフトを進めるかもしれないが、電波で流してこそのラジオを考えた場合、AM波でラジオNIKKEIが聴ける日がやってくるようなら投資家界隈も競馬ファンも文句を言うリスナーは少数だろう。

 

 

これまで、このような話は3.11(東日本大震災)の際や防災の日に書くことが多かった。今回は、風化の懸念が強まっている阪神・淡路大震災から28年にもなりタイミングもあったので、私なりにラジオNIKKEIの防災メディアとしての需要なんか考えてみたのである。