1月10日、2022年のJRA賞の競走馬部門の発表があり、人馬ともに受賞馬が出そろった。

 

 

そこで、史実では1995年度に特別賞を受賞しているウチのライちゃん(ライスシャワー)、史実では1990年度に年度代表馬に輝き1988年度に最優秀3歳牡馬(現行の馬齢に換算)、1989年にもライちゃん同様特別賞を受賞しているおじちゃん(オグリキャップ)と2018年度と2020年度の2回年度代表馬に輝き、しかも年度代表馬とは同じオーナー同士という姫(アーモンドアイ)と今回の受賞馬から考えられることを分析してもらった。

なお、投票結果に関してはJRAのホームページに記載されたデータを転載。

 



ライちゃん(ライスシャワー):今年も2022年に活躍した馬からJRA賞の各賞が選出されているが、投票内容からどんな印象が感じ取れたか考察でもしてみるかね?

おじちゃん(オグリキャップ):今年の選出も順当にいかなかった部門もあれば順当に終わったのもあったし…オイラもチョイと考えるか。

姫(アーモンドアイ):確か年度代表馬と私同じ勝負服だわ!これは素直に祝わないとと思うけど、少数意見から何か見えてくるのかしら?

 

 

1.最優秀2歳牡馬

【投票結果】

第1位 ドルチェモア 279票→選出

第2位 ドゥラエレーデ 7票

第3位 デルマソトガケ 2票

 

ライちゃん:ホープフルステークスのGⅠ昇格のお陰で一筋縄ではいかなくなっているが、GⅠ・JpnⅠを勝った面々が揃っている。

おじちゃん:デルマソトガケの2票は「あれ?」って思ってしまった。制したの川崎のはずだし…

姫:完全にレベル的に朝日杯が上回ってしまった印象受けるわ。ホープフルステークスも穴馬で決まって何か皐月賞に繋がらなさそうだし。

ライちゃん:ドルチェモアが確実に来年の3歳牡馬戦線で主役を張る布石だと思うが。

姫:異論ないわ。

おじちゃん:トライアルからの新星が出てくるのも期待する必要あると思うが芝・ダートともまだ一悶着あってもおかしくないと思うけどね。

 

 

2.最優秀2歳牝馬

【投票結果】

第1位 リバティアイランド 288票→満票により選出

 

ライちゃん:これは仕方ないと思うな。2歳牝馬GⅠが中央地方含め芝の1鞍じゃ…

姫:確かに2歳牝馬重賞って手薄なのね。ローカルの『2歳ステークス』の名のつく重賞ってみんな牡馬に混じって戦わなきゃなんないし。

おじちゃん:そういう意味では、やる気のある牝馬が朝日杯やホープフルに進める環境ってあってもいいと思う。『選択型トライアル競走』をファンタジーステークスあたりに設定してくれるとまだ違ってくるような気がする。

ライちゃん:そういう意味では大晦日の大井の東京2歳優駿牝馬なんかJpnⅠになっても不思議はないはずなんだけど…今回のダート重賞改革で気付かなかったんだろうか?

 

 

3.最優秀3歳牡馬

【投票結果】

第1位 イクイノックス 285票→選出

第2位 ドウデュース 3票

 

ライちゃん:春に苦杯なめた馬の秋2勝で獲得といったところかな。

おじちゃん:これを見ていると日本ダービーのレベルの悪さが浮き彫りになりそうな…

姫:完全にレベル的に落ちたような感じね。ドウデュースも二冠と凱旋門賞の上位入賞でも果たせばまた違った気がするわ。

おじちゃん:ダービー馬のレーティングが何かガタ落ちしそう。これは他の同世代も含めて最新のJPNサラブレッドランキングで最終確認しないと難しい気するぞ。

ライちゃん:それは要チェックだな。

 

 

4.最優秀3歳牝馬

【投票結果】

第1位 スターズオンアース 286票→選出

第2位 スタニングローズ 2票

 

ライちゃん:ここは二冠達成で勝負あった感じだな。

姫:スタニングローズは上り馬の感があって何か時すでに遅しになった気がするわ。

おじちゃん:これは『二冠におごらず年上の世代とも互角に渡り合いなさい』ってメッセージだと思うね。

ライちゃん:上の世代が層が厚くなるだけに誰が抜け出すか今年のポイントかもしれんな。

 

 

5.最優秀4歳以上牡馬

【投票結果】

第1位 タイトルホルダー 280票→選出

第2位 ヴェラアズール 6票

第3位 シャフリヤール 1票

第4位 パンサラッサ 1票

 

ライちゃん:『空前絶後の阪神三冠』(2022年宝塚記念・山本直アナの実況より)のインパクトで決まった感じかな。

おじちゃん:ヴェラアズールは急成長でジャパンカップ獲ったところあるし、1票しか入らなかった2頭なんでほとんどドバイ実績だからな。国内でGⅠ獲っていればどっちか票集まっただろうね。

姫:誰か秋の天皇賞獲っていれば違っていたと思う。これにイクイノックスとかが2023年は加わってくるから同世代の三冠勝った組も含めると層が厚くなりそうだわ。

ライちゃん:正直タイトルホルダーならドバイとか英国アスコット(プリンスオブウェールズステークス)とかやれそうな気するけど…今年の春の盾京都に戻るから、坂への対応次第でこの路線も何起きるかわからないな。

 

 

6.最優秀4歳以上牝馬

【投票結果】

第1位 ジェラルディーナ 239票→選出

第2位 ソダシ 32票

第3位 ソングライン 6票

第4位 ウインマリリン 5票

第5位 ショウナンナデシコ 3票

第5位(同数) 該当馬なし 3票

 

ライちゃん:ここはエリザベス女王杯の勝利で『母子でJRA賞受賞』の偉業にありついた感じかな。

姫:雪ん子ちゃんに32票集まっているけどその根拠のヴィクトリアマイルは勝てる保証ない中でつかんだ部分あって牡馬相手に何か勝っていれば接戦だったと思うわ。

おじちゃん:その下も『男勝り』で少数意見に繋がった部分があってまだ混戦に拍車がかかりそうだな。

ライちゃん:『該当馬なし』というのも『今の状況なら誰もいない』の意味だろうか。結果的に消極的理由でジェラルディーナに票投じた記者とかいる気するな。

 

 

7.最優秀単距離馬

【投票結果】

第1位 セリフォス 156票→選出

第2位 ナランフレグ 36票

第3位 ソダシ 34票

第4位 ジャンダルム 26票

第5位 ソングライン 18票

第6位 該当馬なし 11票

第7位 スターズオンアース 2票

第7位(同数) ダノンスコーピオン 2票

第7位(同数) メイケイエール 2票

第10位 ダンシングプリンス 1票

 

ライちゃん:ここはばらけたな。結局直近のマイルチャンピオンシップを勝ったセリフォスに凱歌か。

おじちゃん:短距離GⅠを2勝でもしないと難しいタイトルだな。短距離は短距離なりの『万能さ』(1200mも1600mも勝てる実力)って必要なのおじちゃんマイルよく走ってたからわかるんだ。

姫:何か非根幹距離のGⅠも中距離はあるのに短距離がないのが不思議なところだわ。そういう点の改善策として阪神カップのGⅠ昇格が急務だって言いだす関係者多そうな気がする。

ライちゃん:『スーパー短距離GⅡをGⅠに』ねぇ…いずれはレーティング追いつかないとならないの急務なの長距離しか走らなかった父ちゃん(ライちゃん)でも理解できるわ。

 

 

8.最優秀ダートホース

【投票結果】

第1位 カフェファラオ 184票→選出

第2位 ジュンライトボルト 94票

第3位 テーオーケインズ 3票

第3位(同数) 該当馬なし 3票

第5位 ダンシングプリンス 2票

第6位 ショウナンナデシコ 1票

第6位(同数) チュウワウィザード 1票

 

ライちゃん:このタイトルの場合はNARの『ダートグレード競走特別賞』の選考にもかかわってくるけどあえてフェブラリーステークスを勝ったカフェファラオの地力かな。

おじちゃん:ジュンライトボルトに関しては『将来的なダートグレード競走の顔』への期待もにらんだ票の集まり方かな。

姫:第3位以下がもう『ダートグレード競走の顔』で構成されている感じだし。ダートグレード競走特別賞ならNARも少ない選考委員で票を投じるのでまた違った顔ということもありそうだけど、2位以下の馬の中に『地方の砂でも通用する顔になれ』ってハッパかけられる馬がいそうな気がするわ。

ライちゃん:この中から誰が川崎記念に進み誰がフェブラリーステークスに回るか…来年も注目の余地があるな。

 

 

9.最優秀障害馬

【投票結果】

第1位 オジュウチョウサン 138票→選出

第2位 ニシノデイジー 137票

第3位 該当馬なし 8票

第4位 ホッコーメヴィウス 5票

 

ライちゃん:ここでもピョンピョンが花道飾ってくれたけど…薄氷を踏んてしまったね。

姫:絶対王者を下したインパクトで接戦になってしまった気がするわ。

おじちゃん:ここは何かメッセージがはっきりしてると思う。特に2位と4位の馬に向けた『次世代のジャンプレースのムーヴメントを作るため切磋琢磨しなさい』って声だと思う。

ライちゃん:障害競走もピョンピョンが華やかにしてくれたところがあり、アバンティー社の制作時代含めぬいぐるみになったのピョンピョンが先駆けになるし、これは障害馬2頭目の顕彰馬入りへの保険をかけたような結果になったな。

 

 

10.年度代表馬

【投票結果】

第1位 イクイノックス 282票→選出

第2位 タイトルホルダー 6票

 

ライちゃん:2022年のレベルではイクイノックスの右に出る馬はいないという結末になってしまったか。

おじちゃん:少なくても『3歳以上に限っては』という意味だと思う。

姫:今時点の競馬界であればイクイノックスの右に出るスター候補はいないという計算だと思うわ。くた夫(キタサンブラック)さんの子供だけど『父子』となると私(ロードカナロア産駒)以来の5例目でなかなかいない計算でもあるし。

おじちゃん:ジローちゃん(オルフェーヴル)の子供も年度代表馬いないはずだし、くた彦(ゴールドシップ)くんの子供ですらまだいないし、早い世代で年度代表馬生むとなると大種牡馬の予感もしそうだ。

ライちゃん:お父ちゃん訳あって子供っていないんだけど…種牡馬の箔も馬鹿にならないものなんだな。

 

 

11.調教師・騎手部門(1月4日にJRAの内規により選考決定)

【調教師部門】

最多勝利調教師 矢作 芳人(栗東) 64勝
最高勝率調教師 中内田 充正(栗東) 0.195
最多賞金獲得調教師 矢作 芳人(栗東) 19億1,675万5,400円
優秀技術調教師 木村 哲也(美浦)

 

【騎手部門】

最多勝利騎手 川田 将雅(栗東) 143勝
最高勝率騎手 川田 将雅(栗東) 0.259
最多賞金獲得騎手 川田 将雅(栗東) 31億5,709万1,000円
騎手大賞 川田 将雅(栗東)
MVJ 戸崎 圭太(美浦) 47ポイント
最優秀障害騎手 石神 深一(美浦)
最多勝利新人騎手 今村 聖奈(栗東)

 

ライちゃん:騎手を見てみると今年は終わってみれば『川田・聖奈の年』になった気がするな。騎手大賞なんてそう簡単に獲れるものではないはずだし。

姫:おまけに新人賞争いが激しかったはずよ。30勝以上だと聖奈ちゃん以外に角田大河くんが36勝と活躍したし。ルメールさんが要所のGⅠ勝ってもトータルで不発気味だったし。

おじちゃん:1年目から乗れているというのはそういうもんなんだね。これはおじちゃんの感想になるけど、ここ最近おいしいところでルーキーが勝ちをさらっていく一般戦多くなった気がする。

ライちゃん:トレーナーは矢作センセー二冠か。そこを中内田センセーが勝率で三冠阻止に入った訳か。優秀技術調教師の木村センセーもいずれはリーディング争いを脅かすのイクイノックスの活躍で見えてしまった気がする。

おじちゃん:まだ安定的に三冠にありつく調教師はいないということか。

姫:この世界に(福永)祐一さん合格して飛び込むんだから同期合格の調教師も開業すればまたリーディング争いがし烈になりそうだわ。

ライちゃん:それでこそJRAのいいところといった方がいいかもな。

 

 

ライちゃん:いろいろ語ってきたけど、最後に2023年の人馬の期待とかあるかな?お父ちゃんは今年に並ぶ騎手の新人賞争いなんだけど。

おじちゃん:おじちゃんは別路線からのクラシックホースの出現かリバティアイランドがもう一冠とれるかかな。

姫:私と同じオーナーだから言っちゃうけど、私はイクイノックスの海外挑戦!おまけを言えば障害界からのアイドルホースの登場かな。

ライちゃん:この土日からGⅠに向けての路線も活発化するけど、どの馬が2023年の絶対的主役を射止めるか注目ですな。

 

 

3頭の考察に感じたのは、馬の方が人材不足だったり、あの馬が選ばれなかったことに伴うレースレーティングの低下が垣間見えたり、投票結果から見えたある種のメッセージだったり、あの常連騎手の不振が招いたものだったり…結構複雑多岐にわたるものだった。ただ、JRA賞の結果を3頭が分析する中からは、その世代のレベルと将来像をうかがい知ることもできて、ファンとしては何か勉強になるものもあった。

 

 

3頭も今回の分析には結構頭脳使ったことだし、またウチのベッドでゆっくり寝ようねニコニコ