『君にトロピタイナ』
ゆるキャラを愛するソロアイドル・寺嶋由芙さんの曲のタイトルである。この歌を歌う寺嶋さんは早稲田大学卒業の際の卒業論文でゆるキャラに書いて論じ、過去7回開催されたゆるキャラグランプリでは表彰式でMCを務めるほどのゆるキャラに関しては熱の入れようである。
そんなゆるキャラ大好きな寺島さんをMCに起用し日本経済新聞のローカルニュースとコラボさせた番組が10月末から火曜のお昼に登場した。『支局記者が語る地域再生』というかなり真面目な番組で、日経新聞の地域再生をめぐる報道への力の入れようもうかがえる。
番組の構成は、支局記者からのレポートを番組の前後半に分け、中間にその週の日経電子版で注目されたローカルニュースをAIアナウンサーがヘッドラインで読んでつなぐというもの。
現在、日経新聞は全国に52の支局を抱えているが、この番組が最低どこまで続くかを考えたら…
単純に支局数で計算すれば1週1支局と見積もっただけで52回、都道府県から東京都を差し引いても46都府県となるため46回。軽く1年はもつ計算になる。しかし初回の徳島県が2週に渡ったことから、このパターンが継続された場合、支局数で行けば支局数52×2週=104回、東京都を除く都府県で計算しても46都府県×2回=92回…軽く2年はもつ計算になる。
(ウチの感想だが)日経新聞も紙の紙面のように地域の草の根レベルだと話題は網羅されているが、それを全国展開しようとするとスポーツ並みに弱い部分も見えている感じがある。今回の番組は『ローカルニュースをわかりやすく』というコンセプトに重きを置いている部分があり、その目的もあってソロアイドルをMCにした番組構成に仕上がったのではと推測できる。確かに聴いてても若者をターゲットにしている可能性もあるが、中堅ベテランのビジネスパーソンやリタイアメントした世代にもわかりやすい番組作りに徹しているのがわかる。
話は変わるが、ラジオNIKKEIの番組審議会のメンバーには日経新聞の幹部が当然就くほか、証券業界の上席役員、JRAの副理事長といった面々などが名を連ねている。仮にこの番組が審議会の議題に載るとなれば審議会委員の中でもかなりの好感度というか好スコアを出すのは確実かと思っている。それだけ番組クオリティの高さも見えており、この先の編成などで放送時間が変わっても2~3周分の需要はあると思いたい。
タイトルから見れば堅い番組かもしれないが、全国の最新のローカルニュースも手に取るようにわかるのでウチならradikoのタイムフリーを使ってでも聴取習慣がつき、再生制限の範囲内で2周はできそう。本当は未公開部分も収録したPodcastがあればいいがAppleにはあるもののこの記事掲載時点でSpotifyにはないのでPodcast推奨に移行するとまでは言わないがそっちの方にも展開してほしいのはある。そうなったら鬼リピのポッドキャストとしてクセにもなるのは確実である。
ラジオNIKKEIの場合、これまで『アイドル×最新ニュース』といえば『ラジオiNEWS』が主流だったが、寺嶋さんのファンの方が『地方のいま』を知る目的で聴くようになると確実に拡散しそう。アイドルのMCゆえに聴いてて堅苦しくもないので、一度聴く価値はあるはずと思っている。