日本ダービーを制した馬の特権はすごい。
ウチが知っていたのは中央競馬ピーアールセンター発売のアイドルホースぬいぐるみでの優先展開(これはオークス馬もだが)が、『日本馬匹の馬運車への馬名表示』もまた特権である。馬運車の運行業者は美浦トレセン所属馬の日本馬匹や栗東トレセン所属の馬だと鷹野運送や東海馬匹が代表的な事業者である。特に日本馬匹の馬運車の場合は車体に馬名が搭載され『○○号』の名称がつくことが多いが、日本ダービーの覇者は優先的に馬名が車載掲示されることになっており、不足分があれば顕彰馬などから確保して賄っている(その基準について日本馬匹のホームページで確認できたのでスクショ&加工して貼る)。
ご存じの方も多いと思うが、日本馬匹は日本中央競馬会(JRA)の子会社であり、いわゆるファミリー企業である。
そう考えた場合、今年我が家に最近入厩したシャフさん(シャフリヤール)あたりは確実にその資格(将来的だが)を持っている計算になる。
馬運車に馬名が掲載されるのは日本馬匹の専売特許のようなところがあるが、これが主に栗東所属馬を扱う事業者に認可されたらどんな基準になるのかとか、同じ日本馬匹でも新たな馬運車不足対策がどうなるのかとかで障害GⅠ馬で顕彰馬入りの期待も持たれそうなウチのピョンピョン(オジュウチョウサン)と今のところ唯一無二の白毛のGⅠホースの雪ん子(ソダシ)の現役馬コンビで話が盛り上がった。
ピョンピョン(オジュウチョウサン):日本ダービーを勝った馬は日本馬匹の馬運車の新造の際に優先的に馬名が掲載されるらしい。不足分は別基準で賄っているみたいだし僕も確か乗ったことあるけど、関西の馬の輸送の事業者に馬名が掲載される認可ってないよね。
雪ん子(ソダシ):そうだわ。栗東出入りの馬運車なんて車体番号(路線バスにあるような型式番号)とかは入っているけど馬名が入っている日本馬匹さんとかうらやましいわ。そういうことを言うと新たに栗東出入りの競走馬運送事業者に馬名搭載が認可されたらどんな命名基準になるのかしら?私だったら対を張るわけではないけど歴代のオークス馬とか需要ありそうな気がするわ。
ピョンピョン:鷹野さんとか東海馬匹さんの馬運車ってポップなデザインもあって面白そうだけど、僕は馬名入れるよりは名馬の写真のラッピングとか独創的だと思うな。そうなれば馬主サイドにもPR効果があって需要あると思うけど。
雪ん子:確かに日本馬匹さんだとJRAのコーポレートカラーの使用の関係もあるからそこは期待してもいいのかなとは思うね。
雪ん子:日本馬匹さんに話移すけど、馬運車不足になった時に備えダービー馬で足りない場合に使える馬名となると何あるかしら?
ピョンピョン:僕ねぇ…天皇賞の勝ち馬とか使えると思う。天皇賞って1980年まで春も秋も勝ち抜け方式が採用されていたから、ダービー馬が重複して勝利していない限り馬名のバリエーション多いと思う。そういえば雪ん子ちゃん、鷹野さんたちに認可された場合の希望と重なるけどオークス馬って需要あると思うぞ。
雪ん子:最近姫様(アーモンドアイ)が新規に馬名に搭載されたこともあるし、私勝っていないから無理かもしれないけど、間違って顕彰馬にでもされたら…
ピョンピョン:雪ん子ちゃんは今のところ唯一無二のアイドル状態だから、そういう意味で言えばおじちゃん(オグリキャップ)だって顕彰馬の枠で馬運車に名を残しているし、活躍次第では日本馬匹さんに売り込みできるような気がすると思うよ。
雪ん子:そういう意味ではピョンピョンもじゃないの!障害馬で唯一馬運車に名前が載るグランドマーチス様も『飛越の天才』の名の下で顕彰馬になったしピョンピョンも選ばれればチャンスあると思うよ。
ピョンピョン:それならラストラン張り切っちゃうかな(笑)
雪ん子:そういえばJRAも東京オリパラをきっかけに馬術競技への支援に力を入れるようになり、馬運車も国内外の参加馬の輸送で提供されていたわ。日本馬匹さんの場合、これをきっかけに『日本の名馬』の周知に成功した可能性もあり馬事文化の一翼を担う企業としてもスポットライト浴びたと思うわ。
ピョンピョン:障害飛んだ先輩やライバルや僚馬たちが馬術競技で活躍する姿知っているけど、馬匹運送事業者って『馬事文化を支える縁の下のエッセンシャルワーカー』になっているよね。これには感謝だ感謝だ。
現役継続中の身の2頭ではあるが、馬運車には日々世話になっている身でもあるのでその感謝も半端ない。でも、馬運車不足や馬運車のイメージアップに腐心している向きもあって、馬事文化を支える産業としての馬匹運送業の将来を考えるのに2頭の話は理解できるものがあった。馬名掲載が日本馬匹の専売特許状態である間は他の事業者への認可までは厳しいかもしれないが、過去の名馬のラッピングというのも馬運車のイメージアップという点では日本馬匹にはできないものとして賛成するものがあった。