実況映像の改善策の一つなのか、JRAは8月20日と21日の札幌競馬の最終レースにて『競走馬トラッキングシステム』の導入実験を行った。
ウチのTwitterのタイムラインにもトラックマン界隈からのツイートが多かったが、ウチのブログではJRA-VANの公式ツイートとnetkeiba.comで紹介されたツイートを貼っておきたい。
導入実験中の競走馬トラッキングシステムの映像です。ターフビジョン中央下部に馬番を示す数字が確認できます。#札幌競馬場 pic.twitter.com/RWFHQ5tzPf
— JRA-VAN公式 (@JRAVAN_info) August 21, 2022
【日本競馬の新たな一歩】
— netkeiba (@netkeiba) June 28, 2022
トラッキングシステム導入実験実施 今夏札幌開催4日間、来春京都リニューアルでの導入目標https://t.co/78Yhk6iHOL
また、地方でも大井競馬あたりでしか途中の通過順が出てこなかったものが、高知競馬のYouTubeライブで8月27日の開催分からラップタイムの表示を始めるようになった。
日々見やすさを増す公式の実況映像。ウチのサー兄(サートゥルナーリア)は、
「もっと実況映像の見やすさなら学んだほうがいい国ってあると思うんだけど?」
と感じるようになり、どこの国に学んだ方がいいか考えてみることになった。サー兄の話に乗ったのは史実では2021年にドバイシーマクラシックを走り2着に入り同年の凱旋門賞7着のクロ美(クロノジェネシス)と、こちらも史実では2019年に凱旋門賞に出走し12着の経歴を持つフィーちゃん(フィエールマン)。
サー兄(サートゥルナーリア):JRAが実況映像の改善としてトラッキングシステムの導入試験始めたり、地方競馬でもハロンタイムの表示やりだすところ増えてきたけど、通過順を実況映像に入れるのにお手本にした方がいい国の映像とかあるかな?
クロ美(クロノジェネシス):私は香港を見本にしたほうがいいと思うわ。香港の実況映像って通過順に馬番と勝負服がキッチリ表示されているんだし。
↑クロ美が例示した香港競馬の実況映像
(2021年の香港ヴァーズ)
フィーちゃん(フィエールマン):わかりやすいという意味ではドバイも同じようなものだよね。
↑フィーちゃんが例示したドバイ競馬の実況映像
(2022年のドバイシーマクラシック)
サー兄:ツイートされたトラッキングシステムの写真見てみたけど展開が何かごちゃごちゃしているようでわかりにくい気がするんだが。
フィーちゃん:確かに位置関係に着目した構成にしたんだと思うけど、トラックマンの筋の方とかわかるかまでは疑問の様な気がする。
クロ美:確か、先日のうまきんⅢにそれをどう感じたかリスナーからメールがあって直さん(山本直アナ)答えていたけど、実況界隈に限った話だとバックアップが楽になったということのようだわ。
フィーちゃん:改良重ねればグリーンチャンネルの中継あたりからお目にかかれると思うんだけど、そこまでに試行錯誤や紆余曲折がまだありそうな気がすると思うな。
クロ美:あと、小倉だったかな?一部競馬場のターフビジョンもパークウインズでの営業期間使って改修するようなツイートも見かけたのでトラッキングシステム対応のターフビジョンへの更新も進んでくる気がするわ。
サー兄:本格導入に向けても予算投入だな。
フィーちゃん:おそらくね。
サー兄:あと、高知競馬のYouTubeでラップタイム表示開始開始されたの受けて黒潮菊花賞の実況映像見てみたんだけど、あれはわかりやすいと思ったな。
↑サー兄がわかりやすいと言った高知競馬でのラップタイムと通過順の表示
(2022年黒潮菊花賞)
↑(参考)なお、高知の場合はゴール後に上りタイムも表示される。
(2022年黒潮菊花賞)
フィーちゃん:確かに地方競馬でもトラッキングシステムに似たシステムの導入って進みそうだし、これは僕の考えだけど、JRAのトラッキングシステム使ったレース映像がBSイレブンの中継にも使われるようになったタイミングで高知のような方式が地方競馬にも登場すると思うんだ。
サー兄:高知以外でどこができそう?
クロ美:確か大井で先行導入しているからわかるんだけど、私なら『ナイター開催の有無』って導入のカギになると思う。ナイターが基本のところだと(高知もそうだけど)ラップタイム表示とかやってもわかりやすいと思うのね。デイ開催しかないところだと何か難しい気がすると思う。
サー兄:ナイターが盛んだと門別とか川崎とか船橋とか…
フィーちゃん:ある意味当たっている。あと比較的実現が近そうなところだと僕は園田と名古屋だと思う。
クロ美:期間限定だけど佐賀は?
サー兄:佐賀も開始間もないけどあそこの場合はコース形態的に何か難しい気がするな。
フィーちゃん:それを受けるわけじゃないけど競馬の通過順整理って何か直線的なものでしか流れないような気がする。
↑netkeiba.comでのレース結果に表示される通過順の整理状況
(2022年ジャパンダートダービー)
クロ美:たまたまnetkeiba.comで上がったようなの示したけど公式表示も同じようなものだから本当はJRAあたりがビギナーズセミナーとか使って『レース結果の通過順の見方』とかレクチャーできる場があった方がいいと思うんだよね。特に右も左もわからないと()書きとかハイフン表示の馬番が何示すかわからない人って多いじゃん。
サー兄:何か玄人中心に通過順の表示って進んでいるようでわかりにくいと思うんだよね。
フィーちゃん:そういう時のためにトラッキングシステムのようなのが地方にも普及して初心者でもわかりやすい競馬になっていくといいと思うんだけど。
フィーちゃん:話が逸れたがトラッキングシステムに話を戻そう。サー兄ならどの国の映像見本にした方がいいと思うかな?
サー兄:(少し考えて)クロ美の言い分に賛成する訳じゃないけど結局香港の映像にはかなわないような気がする。やっぱり香港の映像の情報って盛りだくさんなところがあるし競馬初心者にもわかりやすいと思うな~。
クロ美:これからJRAも地方も試行錯誤が続くとは思うけど…JRAであれば少なくともグリーンチャンネルでの中継で提供開始できるまでに見やすいものにしてほしいと思うし、ファンだってそういう考えの人多いと思うわ。
見やすい実況映像に関して海外の例を探ると香港が抜けていると考えたのはウチも同じだった。確かに香港の場合はタイム・コース図・馬番・勝負服が一体となった映像であるために、映像として海外競馬を見るうえでわかりやすいと考えるファンは多いと思った。今のところ札幌での試験実施だが、これがJRAの全10場で展開され、対応したターフビジョンへの改修と展開を経てからグリーンチャンネルの中継への導入も考えられるが、今どきの競馬中継をいかにわかりやすくするかは、中央地方問わず今後の課題になっていくと思った。
コアな競馬ファンにすればJRAであればグリーンチャンネルの中継あたりから、地方競馬であれば導入可能な競馬場での地方競馬ライブでの一日も早い展開開始が待たれるとは思うが…