民放ラジオ局のFM化に関して、6月15日に開催されたワイドFM推進の連絡会のリモート会見である種の方向性が出た。どうも2028年の秋にもAMラジオ局のFM化が9割以上の局で行われるというのだ。オリコンの報道で報じられた記事のリンクを貼る。

(賛同しかねる理由で)FM化に加わらないのは北海道の2局(北海道放送・STVラジオ)と秋田放送になるが、北海道の2局に関してはワイドFMへの投資にかかる地理的事情(複数局での設備投資や人口カバー率確保の関係で投資自体で経営難の可能性が出る)もあるので仕方ないようだが秋田放送が加わらなかったのはどこか気になる点である。加えてネット上ではNHKについても経営計画で示された放送波の整理の際にある程度の方向性を出すとの憶測まで飛んでいる状況であり、完全に災害対策として経費を要しない路線に進むというラジオ好きには残念、というか悔しい結末を迎えそうな予感がした。

 

実はワイドFMの推進に関して総務省で会議がもたれた際の資料に記載された意見に、短波局のラジオNIKKEIまで将来的にはFM化を考えなければならないとの記載があった。これを見た私はショックを受け、ついに短波放送どころかAM放送が将来完全消滅するのかというむごい結果になるかと思って頭にきた。AM放送の衰退を食い止める役割をこの際ラジオNIKKEIにはAM補完放送の実現というサプライズによって担ってほしいとつくづく感じた。前にもこのブログに書いたが今のラジオNIKKEIの番組体制からFMで聴けてもいい例外は事実上RaNiMusicかアニソン関連番組だけであり、株式投資情報、競馬中継をはじめとする競馬関連番組、医療・健康情報番組、朗読ものや映画情報に代表される各種カルチャー系統…その辺の番組がみんなAMの放送波にマッチングしたものばかりであることは個人的には自信を持って言いたい。

 

 

話は変わるが、AM放送は設備維持にコストがかかっているとは言われていたが、それをラジオ愛好家を裏切るような災害弱者増強のタネにするというのは許せない。確かに地方局だと広告収入の減少で経営環境が厳しいものはあるが、そこは放送インフラの予算ではなくとも防災対策予算を使ってAM放送維持のための政府予算からのバラマキぐらいやってもいいし、それをやったところでリスナーや国民から文句は出ないと思っている。それくらいAM放送の災害対策にかかる役割は大きいはずだ。あと、FM化により、トンネルなどの難聴取対策の推進も浮き彫りになるのは避けられず、そこをクリアしないと完全FM化は絵に描いた餅にしかならないと思っている。

 

私個人としては、(慇懃無礼かもしれないが)AM局のFM化が失敗するのをひそかに期待する。この先大地震が起こって災害弱者が増加した際それ見たことかという結末を見てみたい。あとradikoに気を取られ、ラジオの総ネット化に関しても許さないと考える。私の好きなラジオNIKKEIでさえradikoの導入を推進している向きはあるが、『電波あってのラジオ』という原点に立ち返った場合、短波放送が不振になった際、radiko頼みにするのではなく、AMを活用した難聴取対策にシフトしてくれると、新規のリスナー開拓に役立つと思っているのだが.:..

 

※ちなみに、私の場合、パソコンの音源が故障した際防災袋のラジオを取り出して短波放送でラジオNIKKEIを聴くという実に役立つ経験をさせてもらった。その時を含め、ラジオNIKKEIにハマってから足繁く短波放送で聴いてきたリスナーに足を向けて寝られないと思っている。

 

今、改めて問いたい…

 

「AMラジオよ、どこへ行く…」