オリンピック・パラリンピック組織委員会のトップの女性蔑視発言。それを聞いて牝馬として9冠を果たした姫(アーモンドアイ)が感じたのが所謂牡馬三冠路線の男社会的な側面に加え牝馬の台頭が目覚ましいJRAにおいて「牡馬クラシックと長距離路線にやる気のある牝馬がいても不思議ないよね?」との疑問。そんな感じで菊花賞や天皇賞(春)を制した経歴のあるウチのくた彦(ゴールドシップ)とくた夫(キタサンブラック)に牡馬クラシックと長距離路線の男社会ぶりについて質問した。
姫(アーモンドアイ):私牝馬の中で三冠獲って牡馬と一線級で戦うようになってから幾度か牡馬に勝ったことあるけど、3歳時にやる気さえあったら牡馬クラシックに出てもよかったのかしら?
くた彦(ゴールドシップ):こればかりはオーナーと調教師の裁量によるところが大きいんだけれど、少なくても2歳の10月までに5大競走への登録を行う際に牝馬だと桜花賞とオークスに加え皐月賞・ダービー・菊花賞の三冠競走に登録しないとダメ。おじちゃん(オグリキャップ)が能力あったのにクラシック登録できなかったことから制度化された追加登録料を払って出走する裏技があってくた夫ちゃん使ったことあるけどオーナーサイドにはリスクが高いことからセリの時点から適正見極め登録するのが主流なんだ。
姫:ということはクラシック登録した際は私が牡馬に混じって戦っても無理だったってコト?
くた夫(キタサンブラック):ウ~ン。何とも言えないんだけど…育成時の状態がカギだったことを考えるとオーナーさんも想定してなかったと察するな。でも、牝馬が牡馬に勝つという魅力を持った牝馬だと調教師とも協議して牡馬三冠の方にも登録する牝馬って多いと思うぞ。
姫:オーナーさんと厩舎のやる気次第なのね。私は牡馬相手だと見込まれてなかったということなのね(笑)。餅は餅屋じゃないけどある意味牡馬は牡馬的な考えにしか思えないけど牡馬三冠って男社会なのね。
くた彦:男社会って…答えに困るな~。確かに皐月賞に牝馬が出ても(平成の間でも)頑張って5着があったくらいだし、記憶に新しいところだと菊花賞でも小柄な人気者のメロディーレーンちゃんで5着がやっとだし。
くた夫:確かにオーナーさんと厩舎のやる気次第のところはある。でも、牝馬は桜花賞とオークスというレース体系上基盤がしっかりして秋華賞もビッグタイトルに認知されているから路線的には困らん気もするが。
姫:私とか先輩の三冠牝馬の方とか後輩のデアリングタクトちゃんとかは恵まれていたんだ…
姫:あと、もう一つ、天皇賞(春)も牝馬には高い壁がありそうで男社会のイメージあるんだけど。
くた夫:だからそこもオーナーと厩舎のやる気なんだってば!確かに春に関しては2000年以降牝馬が出走しても掲示板というのはなかったみたいだし、平成以降なんて上位人気で出走できることも稀な話だからな~。確かに菊花賞で下剋上的なことでもやるかよほどの良血とかなら上位人気もあると思うんだけど。それでもオイラは必ずしも男社会じゃないと思っているし。
くた彦:『牝馬=適応距離が短い』って説が根強そうなイメージってあるんだけと、僕と戦った中にも(GⅡだけど)2着に来た牝馬っていたし、そんな中で小柄な人気者のメロディーレーンちゃんは常識をはねのけるという意味では適役な気がするな。長距離路線での牝馬の需要という意味でも息長くやってほしいし。そうは言うけど姫、今年の3歳世代でだれかそんな馬いそうな感じあるか?
姫:私…ソダシちゃんが三冠のどこか落とすと長距離路線に回ってくる気がする。クロフネの産駒って長丁場では需要なさそうだけどソダシちゃんは意外と長距離転向とか古馬になったらやってのけそうな気がする。ソダシちゃん以外にも彼女のライバルから長距離で需要ありそうな馬が何かいそうな気がするの。
牡馬クラシックと長距離路線の男社会ぶりを言葉を選びながら否定するのに必死だったくた彦とくた夫。その一方で姫はソダシとそのライバル達から長距離路線での常連となる一頭が出てきてほしい一縷の望み的な願いを持っていた。確かに牡馬クラシックと長距離路線に牝馬が出走するのはそれだけでも話題性十分ではある話だが勝つことまで求められた場合のハードルの高さはわかっているつもりではあるようだった姫。一方で必死な否定からやる気のある牝馬が出てきてほしいとも願うくた彦とくた夫の想いもわからないでもないのだが…(^^;)