あちゃ~・・・

太平洋を北上する低気圧の前線のお陰で風速8~10メートル!

オマケに小雨まで降りやがる・・・

ホンマ今年はついてない・・・

出船出来るかどうか微妙になってきた時、船頭が車で船着きに滑り込んできた。

車を出てきた早々に船頭が私の顔を眺めて、にや~っとした。

>〇〇さん、またツイテないな~・・・にた~。

ホンマやで!
どお?行けそう?

>まあウネリは無いから行けるんとちゃう?

マジで!

>せやけど〇〇さんの磯はアカンで・・・

え~!ダメ?

>今日中潮やし、10時ぐらいまでアカンのちゃう?

ほなどうする?

>手前の〇〇で竿出すか、潮引いてきたら移ったら。

え~・・・ホンマ今年はツイテないな~

>ホンマ〇〇さんだけやで~こんなん、今年ホンマにあかんな~

もうええは、とりあえず行こうや。

>ほな行こうか。


急いで身支度を整え、上物師2名とたった3人で沖磯へ向かった。

船中で若い上物師に声をかけた。


あんたらこんなに風キツイのに上物出来るんか?

>ハイ。自分ら風上から投げれるんで何とかなります。

え~ホンマか~?えらい風やで~

>やりにくいとは思いますけど、あんまり来れる時無いんで・・・

そやはな~、俺もそうや。

そんなネガティブな会話を交わしながら、3人同じ磯に上がった。

歩いて渡れる隣の底物場は波で完全に消えていた・・・

しょうがないので、ここで竿を出すべきか?と思案しながら若い上物師達の釣りをボンヤリ眺めながら思案に暮れた。

背中からバシバシと風雨が突き刺さる!

防寒着のフードを被らないとどうにもならないほどであった。

上物師達の一投毎のキャストが、後ろからの強風にあおられとてつもなく飛んでゆく!

私は寒さと背中から来る自然の槍に耐えながら時計と底物場を交互に眺め、逸る気持ちも徐々になえ出してきていた・・・

あ~も~

こっちで竿出そうかな~?

あ~でもな~、もう残り今回入れて2回しか行けないし、やっぱり初志貫徹!自分のスタイルを貫こう。


そんな心の右往左往を嘲笑うかのごとく、狙いの磯は未だ波を被っている!

不自由な心を落ち着かせようと磯をウロウロしてみたり、上物師達のそばに行き話しかけてみたりと・・・

時計の針が9時前を指していた。

狙いの磯に目をやると、未だ白波はたっているが無理すれば行けそうだ!

子供の頃、波乗りを少しカジッた事があり、膝から下までの波になれば足をすくわれる可能性がグッと下がることを知っていたので、え~い!いったれ!

もうこうなりゃ意地である。

迎え船は午後1時30分

逆算しても4時間しかない!

ドッかと置いてあった荷物を抱え、荷物を載せる台も一斉に運ぶ。

1歩、1歩と足元の感触をしっかり確かめながらゆっくりと慎重に進んだ。

時たま腰辺りまで波を被るが、足元を脅かすほどではない・・・

慎重に慎重に・・・

最悪流されても湾向きに流される。

ようやく狙いの足場までたどり着き、持ち込んだ撒き餌を手持ちで砕きパラパラとゆっくり撒いていった。

1時間ほど撒き餌をしただろうか、10キロほど撒くと、時計が午前10時を指そうとしていた。

磯際はまだ波を被っていたが、やっと何とかピトンを打ち込める状況になった。

食い込み重視で竿は幻覇王別誂本式を抜いた。
リールは20号を巻いているABUアンバサダーBG9000を装着し、仕掛けを巻いた。

10時過ぎ、残す時間は3時間ほど・・・

頼む。
釣れてくれ。

横から殴りつける様な暴風雨が容赦なく暴れまくる。

風雨に耐えながら14号の小針にウニの芯を2個掛けして第1投を狙いのポイントへズボッと入れた・・・

着低したかどうかも分からない位竿先が風に踊らされる!

さあここまで来たら、本当に根比べ意地比べの1対1の真っ向勝負や! つづく
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