第2.8回お題エントリー作品(何とか周回遅れせずに完成^^;
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間に合わん~ので書きかけのままUP
あぁぁぁぁ(--;どうしても戦争になってしまう・・
・・・・・・・・と、なんとか戦を回避しようとして書きかけ。
でもまぁ概要はできたような気がするから後は時間のもんだいだぁね(^^;
→エンディングまであと500文字位の予定~
ってかFooBa版改造の和版なげーよw
書きかけでもう1500近くだよ(--;
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結局五千文字弱だよ(--;ってか時間かかりすぎだよ(TT
・・しかも・・長すぎて推敲する気にならない・・どっか妙なとこあるかな~(^^;
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両親の急死による相続でこの半年というものほとんど毎日、昼と無く夜となく視察や引継ぎに忙殺されていた。悲しむ暇さえ無かった。
「セレン様というご婦人が面会を求めておりますがいかがいたしますか?」
僕にとってそれは僕はひどく懐かしい名に聞こえた。
「もちろんお通しして」
たった半年前、僕は普通の学生だったのだ。友人が訪ねてくれたのに断る理由などない。
「やぁ!何かあったの?」
そう、まだ休暇の時期ではないのにこんな田舎までやってくるのだ。何も無いわけがない。
「・・・実は、お見合いさせられるの。」
セレンは吸血鬼きっての名家で、そういう話のひとつや二つ珍しくも無いはずだ。実際、セレンは同じような用事で以前も何度か休学していた。
この辺りの名家といったら、人間なら我がウィスレー、吸血鬼ならアムゼンだ。
・・人間を吸血鬼にする方法はあっても逆にはできない。もし、夫が人間の家系だと、その血統が途絶えてしまうので女性の吸血鬼が人間の家系と縁組になることはほとんどない。
「なんだ、それで途中でよってくれたんだね、アムゼンのハンスならいいじゃないか」
ここに立ち寄れる、ということならアムゼンで間違いないだろうと思った僕は、さも当然のように言ってみた。
「・・平気なの?」
平気も何も・・いやなら今までだって平気で断ってきたくせに。僕は彼女の意図が良く分からなかったので考える振りをしてみた。
「ごめんね、平気ならいいの」
彼女は寂しげに笑うといつもの彼女らしく学校ではやっている新しい遊びの話や同期の武勇伝を話して宿に戻った。
彼女は一体何が言いたかったのだろう。確かに僕は彼女に好意を伝えたことはある。しかしそのとき彼女に「だったらウィスレー家をワイマールに迎える準備をしないとね」と笑われてしまったものだ。僕はすっかりワケが分からなくなった。
「平気なの?」
彼女が言ってたお見合いの日、まだ僕は彼女問いかけの意味が分からないままだった。
「そろそろハンスの家に着いたころかな・・」僕はそんなことを考えながら執務室に隣接しているテラスで何かモヤモヤままぼんやり待っていた。
「エル様、」
「あぁ、そこに置いておいて。」
僕は目を向けずに答える。しかし何故給仕でなくジェム爺さんが?
ジェム爺さんは、元々人間の家系だったが奥さんが吸血鬼の出だったことから帰化したが、代々うちの執事たったことが誇りだといっていまだに執事として家のことを取り仕切ってくれている。そんなジェム爺さんが無意味に給仕の仕事を取り上げるようなことをするはずがない。
「差し出がましいようですが、ずいぶんとセレン様のことが気になっておいでのようですね。」
「・・分かってるよジェム爺、これでも僕はウィスレーの当主だからね。」
「私の家内が申しますには、何を悩むことがあるのか不思議だ、ということです。」
ジェム爺の奥さんとは当然、吸血鬼の一門だ。自分たちのことで色々揉めたので心配してくれているのだろう。
「分かってる。」
僕は何を悩んでいるのだろう。ワイマールとアムゼンのよくあるお見合い。セレンが気に入れば縁組、気に入らなければ前のときみたいにさっさと学校に戻ればいいだけだ。
「いえ、セレン様は17歳でございましょう?」
吸血鬼とはいえ成人前の年齢は人間と変わらないはずだ。ならば当然セレンも僕と同じ17歳ということになる。
「そうだね。」
気のない返事を気にも留めずにジェム爺は続けた。
「私が家内と一緒になったのも17歳の頃でした。家内が申しますに、夫を帰化させることができるのは成人するまでのほんの僅かな期間だそうです。」
「・・・」
エルはアムゼン領に向かい疾走する馬の背にまたがっていた。
「・・・僕は一体何をしているんだろう。」
自分がこれからしようとすることが単なる暴挙であることは分かっていた。エルの言葉の意味、分かったつもりで実は単なるご都合主義の妄想かもしれない、ただ、その真意を聞かずにいれば自分はこの呪縛から一生逃げ続けなければならないという恐怖から逃れたいだけかもしれない。
心の、きっとこの数ヶ月で作り上げてきた領主としての自分は手綱を返さなければならないと叫び声を上げている。
森が切れ、丘を越えたらもうアムゼン領だ。
木々の隙間から差し込む切れ切れの光が眼前ではじける。
「止まれっ!」
森を抜けた僕を出迎えたのは式典武装の槍衾。
「ウィスレーのエルだ!無礼を承知でアムゼン卿ハンス殿にお目通り願いたい!!」
エルは叫んだ。
「・・・もう後戻りはできないな」
アムゼンのハンスさんとは実は子供のころよく遊んでもらった。近々、条約の確認という名目で会いにに来るつもりでもあった。それがこんな無礼な訪問になるとは思いもよらなかった。
公式な訪問ではない。身分の証明などできない僕が果たしてハンスさんに会わせてなどもらえるだろうか。
昔会った頃の少し乱暴だが陽気なハンス。彼がいつものニヤニヤ笑いでやってきてくれるのではないか、そうでなくてもジェム爺がおっとりかたなで駆けつけてこっぴどく怒られるんじゃないか、と、どこかでしていた期待は窓のない兵舎の冷たい壁によって否定されているような気がした。
重そうな生木を組み合わせたドアが開く。
「ハンスさ・・」
呼びかけたエルをさえぎるようにアムゼン卿の秘書官が言った。
「事情は伺っております。ご準備はよろしいですかな?ウィスレー卿」
準備?一体何の・・
「卿に手袋と剣を」
衛兵が真っ白な正装用の手袋と僕の身長に合わせた剣を恭しく差し出した。
今度は声に出た。
「一体なんの準備なんです?」
「話ははセレン嬢から伺っている。要は・・女を奪いに来たんだろ?」
ハンスさんは一瞬だけ昔のハンスさんの顔に戻った気がした。
「しかし、中央の大貴族たるワイマールと、我がアムゼンの公式な交友式典に、すぐ隣を領有するウィスレー卿が割って入った。」
「それは・・」
口ごもるエルを無視してアムゼン卿は続けた。
「卿も領主なら分かるだろうが、式典にドロを塗られた我々は卿を100叩きにでもして本国へ送り届け、国境の部隊を補強する算段に入らねばならぬところだ。」
エルは青ざめた。自分の軽率な行動で民も兵も、戦、それも「吸血鬼の一門」との絶望的な戦に巻き込んだことになる。
「・・ではご準備ができたら中庭へ。」
そういい残しアムゼン卿は部屋を後にした。
僕は一体何をしているんだろう。
エルはしばらく呼吸を止めた後、震える手を握り締め手袋と剣を手に取った。
中庭に出るとざわめいていた人々が静まり返る。
「ウィスレー卿、こちらへ」
中央の石畳に向かって人波が開いた。
「ようこそウィスレー卿、近々御挨拶に参られると思ってはいたがこの火急なご来訪は何事か?」
アムゼン卿がいかにも楽しげな風で言った。
「ウィスレー14世エルディア、本日はアムゼン卿にお願いがあって参った。」
ますます楽しげにアムゼン卿は尋ねる。
「ほう?お願いとは?」
「・・本日、こちらにいらっしゃっているセレン=ファムリア・ワイマール嬢に謁見を許されたい!」
アムゼン卿の表情が厳しくなる。
「セレン嬢は我がアムゼンが賓客につき、非公式なご来客はご遠慮願いたい。」
これは形式だ。手袋と剣はもう渡されている。
「・・では、セレン=ファムリア・ワイマール嬢にお取次ぎ願いたい!」
アムゼン卿は困ったように言う。
「お引取り願おう。」
僕がただのエルならしばらく兵舎で頭を冷やせばすんだだろう。でも僕はウィスレー卿だ。
「お取次ぎ願えぬならウィスレー14世エルデゥアル、アムゼン卿ハンス殿に決闘を申し込む!」
エルは手袋を投げた。つまり、塗ってしまったドロはこの場でカタを付ける。それが領主としてのエルに許された唯一の選択。
「ほほう!?なるほど?正式な決闘ということでよろしいかな?」
エルは小さく頷く。
傍らで見ていたセレンがたまらずに叫んだ。
「もうやめて!アムゼン卿も・・何故決闘なんです!!」
・・正式な決闘。立場のあるもの同士が個人的な諍いを一門全体の抗争にしない為の唯一の解決法。ましてや、式典の参加者全員その世界を知る人々だ。セレンも。そして僕らもお互い手を抜くことも止めることも許されないのは分かっている。
僕らは剣を合わせ、数歩離れた。
「・・せっ!」
ハンスは大きく振りかぶるとエルの右肩に向けて初撃を打ち下ろす。
エルも幼い頃から剣技は習っていた。・・ハンスに。
「・・・」
ハンスの斬撃をいなすのに手一杯のエルは改めてその実力の差を思い知らされた。
「ど~したエル坊、お前の思いはそんなもんか?」
つばぜり合いのさ最中にハンスは小声でささやいた。
「まだまだー!」
エルは全身の力を込めてハンスの剣をはじき返すとまっすぐに構えなおしたハンスに向かって突進した。
・・・景色がゆがみ夜空に浮かぶ満月が見えた。
エルは手足の感覚が無くなってゆくのを感じながらハンスに剣を習っていた頃を思い出していた。
・・・そういえば、勝負の最中に相手の言うことに耳を貸すなっていつも言われてたな。
「エル!エル!!」
セレンが泣きながら呼んでいる。
「・・なんで今頃来るのよ・・どうせ来るならあの時つれて逃げなさいよ!」
泣きじゃくるセレンに僕は最後の力を振り絞って言った。
「大好きだよ、セレン・・・でも僕はウィスレー14世なんだよ。・・さっきは忘れちゃってたけどね。」
・ ・・あれ?セレンの声が聞こえないよ。なんていってるの?セレン
必死に叫んでいるセレンの髪は月の光を浴びて銀色に輝いて見えた。
・ ・セレンきれいだね
・ ・セレンの髪は気づくと蜀台の炎に取って代わっていた。
・ ・・あれ?ジェム爺がいる。
・・夢?
エルは勢いをつけて体を起こそうとしたがまったく力が入らない。
「お、エル坊起きたぜ」
ハンスさんの声だ。
「ごめんねジェム、義兄さんは後先考えないから・・・」
??
あれは・・・?ジェム爺の奥さん??
「エル様、お勤めご苦労様でした。ウィスレー当主として立派に戦ったと聞きましたぞ。」
ジェム爺がうれしそうに言った。
「え?・・だって・・決闘で胸に剣が・・」
みな困ったように笑っている。
「あ、そうだエル坊、お前アレな。来週からウチで剣技。」
・・・さっぱり訳が分からない。
「あ~・・えーと、ジェムから言ったほうが良くね~か?」
「セレンちゃん大事にしてあげてね、あなた助けるのに血を半分も使って倒れちゃったんだから。」
そう言うとハンスさんたちは部屋を後にした。
「本当は公式訪問の時にお話するつもりだったんですがね・・」
ジェム爺の話を要約すると、ジェム爺の奥さんはハンスさんの親戚で、僕は一度死んでセレンに助けられた、ということらしい。
「・・というわけでエル様は私と同じようにワイマール一門の外戚になった、という事です。」
「・・え?」
なんとか体を起こし、周りを見回す。隣を見るとセレンが眠っている。狭さと天井の高さからここは塔の中だということは分かる。しかし不思議なことに出入り口が見当たらない!?
「セレン様より血の半分を与えられたのですから・・ワイマールも納得するしかありますまい。」
困ったように言うジェム爺は、上着を脱ぐとさも窮屈そうに肩をゆすった。
「・・お使えする方より能力が高いとなると色々面倒でしてな、しかしこれで文字通り羽を伸ばせますワイ。」
「では、エル様、セレン様がお目覚めになりましたら本館のほうへお連れしてください」
そう言うとジェム爺は背中の翼をひと振りして天窓から出て行ってしまった。
残された僕はセレンの手を握る。すると何か紙切れのようなものが握られていた。
「エル坊、隣にワイマールが来るとなると俺ん家がちょっと微妙なことになるんだわ。でな?ウチの息子を遊びにやりたいから早く娘を作ってくれ。世継はおりゃどーでもいいから娘な?・・・アムゼン卿ハンス」
天窓から差し込む朝焼けの、綺麗だけどほんの少しウザったい光が僕とセレンを包む。
「・・・世継だってさセレン。」
僕には眠るセレンが少しあわてたように見えた。
end
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