イメージ 1

 福沢の渡欧以前・以後に西欧を視察した人々は、新しい国を築くために青少年教育が大切であると強く感じていました。動物園や図書館を併設したロンドンやパリの自然史博物館に類似した施設を国内に建設し、そこで青少年に科学的知識を学ばせたいと考えたのです。

 不平等条約という煮え湯を飲まされた日本としては、あらゆる面で欧米列強に追いつき対等の立場で臨むことを希求していたのでしょう。

 内務省所管博物館付属施設としての動物園開設を目指した意見書(1875)の中には、「動物園ト植物園ヲソノ中ニ開キ、ココニ遊ブモノヲシテ、タダニ一時ノ快楽ヲ取リ、ソノ精神ヲ養フノミナラズ、カタハラ眼目ノ教エヲ享ケ、識ラズ知ラズ開知ノ域ニ進ミ・・・」と書かれています。

 まさに現代動物園が目指している「楽しみながら学ぶ」という教育目的そのものです。