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 動物園における新たな役割を紹介してきました。でも一方で、動物園が市民のための娯楽施設であることに固執している関係者がいまだに多いのも事実です。

 そのような関係者は、公立動物園の場合、担当局の上層部に多いようです。きっと幼少時に親と過ごした楽しい思い出が強烈なのでしょう。

 確かに身近に野生動物を見て楽しむことができる施設としての存在は重要です。市民に受け入れられなくなった時点で動物園の存在基盤は危うくなります。しかし、動物園が単なる娯楽や集客施設であってはいけないと思う人々が増えているのも事実です。

 動物園が研究や教育の場であるべきだ、という考えは国内で新たに生まれ出たものではありません。明治維新当時、ヨーロッパの近代動物園や博物館を見習った先達がすでに志していたものなのです。