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 日本でもようやく動物園の役割が娯楽以外にあることが知られてきましたが、国際的にはかなり以前から明確に保全(Conservation)という役割が宣言されています。それは、動物園を生みだした社会的基盤や発展過程が異なることにも起因しています。動物園がもつ歴史的および社会的問題については別に述べたいと思います。

 国際的に動物園の意義や役割を公に記したものとしては、世界自然保護連合(IUCN)種保存委員会(SSC)の下部機関である保全繁殖専門家集団(CBSG)と世界動物園連盟(WZO: 現WAZA)が、1993年に策定した"The World Zoo Conservation Strategy(世界動物園保全戦略)"があります。その中で、「動物園戦略の意図するところは地球環境保全である(The purpose of the World Zoo Conservation Starategy is to clarify the role of this community in global conservation)」と明記され、種保全機関へと進化する方向性が図で示されています(写真)。

 また、1992年に採択された『世界生物多様性条約』や2002年に環境省が策定した『新・生物多様性国家戦略』の中にも、動物園には生息域外種保全(ex situ Conservation)の活動が期待されると書かれています。

※上記機関および情報の関連サイトは以下を参考にして下さい。↓
IUCN(The World Conservation Union)
http://www.iucn.org/
IUCN日本委員会
http://www.iucn.jp/
IUCN/SSC(Species Survival Commission)
http://www.iucn.org/themes/ssc/
CBSG(Conservation Breeding Specialist Group)
http://www.cbsg.org/
WAZA(World Association of Zoos and Aquariums)
http://www.waza.org/
生物多様性条約
http://www.biodic.go.jp/cbd.html
生物多様性国家戦略
http://www.biodic.go.jp/nbsap.html