今年のVプレミアリーグは、何かおもしろいですね。栗原が復帰したからか、視聴も上がり、チームのカラーが独自なもので、色んな戦略が見えてきます。特に注目なのが、おそらくリーグの中での3強の久光・岡山・東レ。
あくまで自分目線ですが、それぞれのチームバレーの傾向を監督采配で見てみたいと思います。個人の意見なので、ご参考までにお願いします。
[久光]
◆中田久美監督
※全日本女子型のBSを取りいれた立体バレー
皆さんも御存知の通り、日本バレー界の女子第一人者といってもいいでしょう。これほどまでバレーを愛し、常に全日本が強くなることだけを考え、イタリアでのコーチも2年。そのイタリアでも、日本が不利になる情報や教育は一切しなかったと言ってました^^ このことが言えることが凄い!
まだ4戦ですが、ある程度のチームの傾向が見えてきました。自分が見たのは久光×トヨタ車体、久光×岡山の2試合ですが、その他はデータをみて判断してます。
中田監督の特徴は、常に世界をめざし、12名というよりチーム・スタッフ全員で勝ちに行こうとしているところ。それが采配にも表れています。
<トヨタ車体戦> 石井優、岩坂、長岡、パウリノ、平井、古藤、L座安
※車体の両サイドのブロックが低いので、高さのある攻撃型のスタメン
<JT>古藤、石井、岩坂、長岡、パウリノ、平井、L座安
※JTの両サイドのブロックとMBが172㎝と低いので、高さのある攻撃型のスタメン
<岡山> 古藤、新鍋、岩坂、長岡、石田、水田、L座安
※岡山のWS栗原・福田が強力なので、ストレートはブロックで、クロスや間チャンは新鍋、石田のディグでというディフェンス型のスタメン
<パイオニア> 古藤、石井、岩坂、長岡、パウリノ、平井、L座安
※パイオニアは、欧州型のパワーバレーで、OPの朝津が意外にキーポイントということで、両サイドに高いブロックシフトを引いた攻撃型のスタメン
という感じのスタメンです。何か真鍋監督のバレーにというか、竹下のバレーに非常に似てますよね。相手のチームに合わせてメンバーを変え、そのデータに対しどういうバレーをしていくのかを選手に求める。そしてBSの使い方とか、MBとOPの使い方。そして試合で当っている選手を早く見極め、できるだけ多く使う戦法。3人共にセッター出身だからでしょうか。使い方が非常に共通する部分があります。
全日本女子型というのは、シンクロ攻撃をある程度取りいれているところでしょうか。シンクロ攻撃は、過去に何度か書いたと思いますが、同時多発位置差攻撃のことで、わかりやすく言えば、相手ブロック3人よりも多い数の自チームのスパイカーがMB、WS、OP、BSと全員同じタイミングで助走を開始し、攻撃をすることです。
これによりブロックには全て同じような速さで攻撃されていると思われ、的が絞りにくくなります。ただ久光は、岩坂だけがちょっと独自のスピードでの助走となっているようですね。
久光はレセプションさえ乱れなければ、物凄い攻撃力。アタック決定率41.5%、BS決定率43.2%で久光だけ40%以上の断トツ1位です。
弱点はディフェンスだと思います。どうしてもブロックの手の出し方が弱めで、はじかれることが多く見えます。更にそのブロックとディグの関係が今一つ。レセプションアタックは決まるけど、相手の攻撃をディフェンスできずに、接戦になっている気がします。
久光×パイオニア戦の第5セットでも怒鳴ってましたが、上がってきたディグを平井がブロック着地後、ボーっとしてトスを上げられませんでした。繋ぎの確認を毎回しているようですが、さすがに「何やってんだよ!イケっつってんだろうが。。アンだよ、アン」と恐ろしく会場に響き渡るような怒声でした。怖っ!と思いましたけど、こういうメリハリがないと、全日本クラスは育ちませんからね。監督になって、穏やかな部分しか見てなかったので、ある意味、自分的には嬉しかったです。
そして少しでもサーブがいいチームだと、レセプションアタックをハイセットにされ、逆に連続失点につながる。これが大きな連続失点の多さと、フルセット3回という結果につながっていると思います。ほぼ180cm以上の平均身長にも関わらずに、ブロックが1セット当たり2本と少なめの4位。
どちらかというと攻撃型と守備型のどちらで行くのか、嬉しい悩みですが、将来の全日本も考慮し、石井優を先発させてるんでしょうね。
[東レ]
※アタッカー優先の男性的パワーバレー(高いところで常に打つ)
菅野監督の方針は、本人がアタッカーのエース出身だったのもあると思いますが、常に高いところで、アタッカーが最高のスパイクを打つという主義だと思います。ブロックもそうで、高いところで前に出すというフォームなども重視。
助走から最高到達点までの打ち方、フォームなどのベースがしっかりしているので、東レのスパイカーは非常に球質の重い体の体重を乗せたスパイクが打てているのが特徴です。迫田選手や荒木選手、今年注目の小平選手などがその部類ですね。
とにかく最高到達点で打たなければ、どんなに速いコンビでも決まらないという方針なんだと思います。だから、基礎的なトレーニングとレシーブ、トス、スパイク、ブロックなどの基礎技術がしっかりしています。加えて、戦術に応じたメンタル面がサポートされているので、勝負強い選手が育っている傾向がありますね。
木村沙織のスパイクの球威が2009~2010年にかけて、一気に威力が増したのは、全日本+東レの環境のおかげだと思います。
データを見ても、東レはサーブ1位、ブロック1位と非常にわかりやすく、サーブで崩し、相手のハイセットをブロックでとめ、連続得点をしていく方向性ですね。レセプションもいいんですが、スパイクの攻撃面が今いち決定力が上がってない部分が、苦戦をしている感じでしょうか。
久光がレセプションアタックが非常に効果的なのに対し、東レは逆にレセプションアタックが決まってない印象です。決まってるのは荒木のみ的な感じで、サイドアタッカーがなかなか上がらず、ラリーと接戦になっている傾向があります。
驚きなのは、BS決定率が20.7%で最下位なんですね。でもこれは迫田選手が本格的に復帰すれば解決していく問題かと思います。ただ、非常に残念なのは、迫田選手がレセプションを試合でやってないこと。怪我があったからなのかもしれませんが、レセプションアタッカーが本当に不足しているので、実戦デビューをしてほしいと願うばかりです。
他には堀川選手が第1、2戦でスタメン出場したものの、攻撃面が通用せずにその後はベンチ。非常に残念ですね。その後は、小平ーエンライトをWS、峰村をOPに入れてます。東レは、サイド全員がレセプションできるので、相手サーバーがJフローターにもかかわらず、4人同時にレセプションに入るローテもあり、ディフェンスに鉄壁の陣形を組んでいるようです。
昨年は木村ー高田ー濱口の3人で回していましたので、それだけ今年のサイドアタッカーは、レセプション範囲が狭まっているのかもしれないですね。この布陣により、格段にチームが安定したように見えます。小平と峰村の成長、そしてエンライトが木村沙織的な活躍をしていることが4連勝につながっていると思います。
[岡山]
※高速バレーと巧みなフロアディフェンスのバレー
河本監督は、正直自分から見ると、他の7人の監督からすれば、異種の監督。何をしてくるか全くわからない。昨年は特にそうでしたが、コロコロとメンバーが替わり、更にポジションまで一定しない。しかも毎試合どころか、毎セット変えてきますからね。
今季の岡山は昨季まで程ではありませんが、他7チームと比べると、本当に独特。複雑でどういう意図があるのか、難しいです。
・レセプション
普通はWS2人(OP)+リベロがほとんどなんですが、岡山は基本的に後衛の選手がレセプションをするシステム。宮下が後衛の場合は、どうしても枚数が少なくなるので、その場合は前衛の福田と栗原がローテによって入ります。
よって、普通は、WS6回、WS(OP)6回、リベロ6回のローテで3人しかレセプションしませんが、岡山は、リベロ6回、栗原4回、福田3回、佐々木侑3回、山口1回となってます。スタッツを見るとレセプションする人数が異常に多いのが気になりますね^^;
自分が思うには、レセプションをWS栗原ーOP佐々木侑-リベロ丸山の3人固定で行い、WS福田を全日本の江畑のようなフリーのアタッカーにすれば、どのポジションでもBSが使えるんですけど、それよりも前衛の高速バレーの方が決定率が高いという方針なんでしょう。今の時代のバレーの中では、本当に異種です^^;
・リベロの交替
普通は、S1~6までのローテの場合、MBがサーブを終わった時点で交替する2回システム制。でも岡山は、MB関、MB山口、WS福田の3回も替わるんです。ただし、MBが山口→川島の場合は、2回になると思います。
・ディグ
本当に独特で、基本リベロはレフトサイドの後衛のポジションで、特に本数が多いWSのクロス側に位置します。しかし岡山では、リベロは後衛ミドルに位置し、他チームと比較すると、後衛のWSとリベロが入れ替わったポジションでのディグです。間チャンやクロスのこぼれ球など、非常に広い守備範囲を丸山がカバーしてますね。これも非常に独特です。
・BSの少なさ
基本後衛3人がレセプションに入るので、後衛の空いたアタッカーが一人もいません。だからレセプションアタックでBSが来ることはほとんどないですね。だからこそ、リーグ最低のBS打数16本/17setという数字になってるんだと思います。トランジションでしかBSがないチームです。
これらのシステムを見ても、他チームにはない河本監督独自のバレーです。そして前衛のWS栗原、福田やOP佐々木侑選手がレセプションしない回数が多いのは、何と言っても高速バレーを生かすため。基本岡山の選手はポンポンと2歩助走的な選手がほとんど。栗原も大幅に助走を変えました。
東レの選手の大きな助走と比べると、本当に対照的です。レセプションを受けると、どうしても攻撃参加が一歩遅くなる。特にエンドライン一杯のサーブだと、2歩くらい遅くなる。だからこそ、レセプション陣形を後衛が取るシステムにして、前衛選手はひたすら速いバレーをする複雑なフォーメーションです。
だから、岡山とやった時に、他チームがなんとなく波に乗れそうで乗れないのは、こういう独自の複雑なシステムがあるのも影響していると思いますね。通常のやり方では、ちょっと違うタイプのバレーです。
栗原選手もこういうバレーをしたことはなかったでしょうね。でもよく岡山バレーを吸収し、何とか馴染もうとしているのがわかり、本当に良くやってると思います。監督采配も独自で、メンバーチャンジを頻繁に行うし、セット開始から10点以内に2回もタイムアウトを取る場合もあり、河本監督の采配は、全く読めません^^;他の監督であれば、常にコートにいるだろう大エースの栗原を平気で交替させます。
上記の表のチーム数字を見ても、岡山はサーブは悪い、レセプションは悪い、けど高速バレーでアタック決定率はいい。更にミスが少ない、フロアディフェンスがNo.1だろうと予想しますので、上位にきているんだと思います。もし岡山が毎試合70%以上のレセプションの数字を残した場合は、自然と勝利する確率が非常に高くなるでしょうね。
とにかくブロックのリバウンドや、フォローの仕方、ディグの繋ぎ、軟打など本当に上手いので、このチームが毎日どういう練習をしているのか、個人的に非常に興味がありますね。
と自分なりに3強をまとめてみましたが、難しかったかもしれませんね。違う意見も多々あるでしょう。あくまで個人的な目線なので、気楽にみてください。
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※画像は、サンスポ、山陽新聞より




