世界フィギア男子トップ3のデータで見るハイレベルな戦い | バレー・テニス中心のスポーツブログ

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今年はあまり期待してないと言ったら、大変失礼だが、世界フィギア男子は難しいと予想していた。


・プログラムの曲や構成が難しく、完璧な演技でしか高得点が望めない『高橋大輔』

・2011年の銀メダリストだが、今季調子の上がらない『小塚崇彦』

・まだまだ17歳と経験が浅い初出場の未完の大器『羽生結弦』


しかし蓋を開けてみると、小塚は調子が上がらないまま終わったものの、高橋と羽生は素晴らしい会心の演技。両者ともメンタル面の調整の仕方、一発勝負のフィギアの本番でのコンディション調整が本当に上手くいったようです。


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もちろん王者は、パトリック・チャン。しかし今回は薄氷の勝利。いつもは最低でも10点以上の大差で2位に大きく差を空け勝つが今回はミスが多かったパトリック・チャン。2位の高橋とは、わずか6.45点差。2月に行われた4大陸選手権では、約30点もの大差をつけられ、こんなに差があるのか?と思ってしまったほど。



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※スポナビより





高橋は、2009年に女子バレーの山本愛と同じ前十字靭帯断裂を経験し、壮絶なリハビリを得て、1年後に復帰し、バンクーバーオリンピックで銅メダルを獲ったのは、御存知の方も多いでしょう。その後もジャンプ力や感覚は戻らず、以前は飛べていた4回転ジャンプが全く跳べなくなっていた。



しかし今回、高橋はショート、フリーと2回ともしっかり4回転トウループを成功させ、フリーではほぼ完ぺきな演技。



羽生は、仙台に拠点を置くが3・11の震災で練習のスケートリンクが被災し、全く使えず。練習場所がなく、全国各地で行われるアイスショーを転戦することで、ショーの前後の時間を使わせてもらうというハード日程。



それを逆境と捉えず、羽生はプラス面としてショートプログラムやフリープログラムを敢えて、アイスショーで使いながら練習した。アイスショーは危険な技には望まず、お客さんを魅了するため得意の技を出すことが多いが敢えてそれをせず、全てをお客さんの前という緊張した舞台で行った。



その羽生もプレッシャーに本当に強くなり、フリーでは意味不明のアクシデントでステップで転倒という場面があったが、それ以外は完璧な演技。フリーのみの演技点数では高橋を上回った。



ここに3人のフリー演技の技術点の詳細比較を行ってみました。


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ここまで細かく見たのは初めてですが、

【技術点】

高橋選手に不足しているのは、ジャンプのGOE(出来栄え点)が明らかに少ないこと。GOEを比較するだけでも、羽生選手は高橋選手よりも3回転ジャンプを1つ多く飛んでいるかのような高得点のGOEをもらってます。


高橋選手のアマチュア大会での弱点は、ジャンプを上気味に跳んでしまうこと。これは女子の浅田選手と同じ現象ですが、ジャンプ力があるので、スピードをつけて幅をつけた横ジャンプでなく、上ジャンプになりやすい。その結果、着地後の滑り(ランディング)が少ないため、GOEがつきにくい。


アマチュア大会でのジャンプのGOEは、陸上に例えると「走り高跳び」よりも「走り幅跳び」の系統のジャンプが優先される。この基礎的なジャンプフォームを「走り幅跳び」系に何とか変えようとしているのが浅田真央選手。


基礎点は、ほとんど3人とも変わりません。パトリックの4番目と8番目のジャンプはミスでポイントが消失してしまったので、本来よりも7点ほど低くなっているので、それをプラスするとちょっとパトリックが多いくらい。


結局技術点だけで見ると、現在のところ、ジャンプ・スピン・ステップの技術点世界No.1は羽生選手だが、ミスがなければ圧倒的にパトリック。しかし若干17歳でこれだけトップの得点を作れるプログラム構成力と試合での実現力が素晴らしいと心から思います。


【芸術点】
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芸術展を見ると、ほぼ同じような技術点から一変する。パトリックの点が断トツに高く、5つ全ての要素で全選手中最高の得点。後半転倒やミスが相次いだにもかかわらず、この高得点がパトリックのベース点となり、王者である証。


パトリック → SP:45点、FP:90点の計135点程度

高橋大輔 → SP:43点、FP:86点の計129点程度

羽生結弦 → SP:40点、FP:80点の計120点程度



と毎回上記のような感じなので、芸術点はさほど乱れがない限り、点は落ちない。よって、試合の前からパトリック↔高橋には6点くらいの差。パトリック↔羽生には何と15点くらいの差がすでにあるということ。



これを埋めるには、時間がかかるが芸術5要素を磨くか?技術点のジャンプの難度をあげるか?のどちらか?しかし15点もの差となると、4回転T+3回転Tのコンビネーションジャンプを1つ加える的な大きな差。



プログラム構成にて考えると、4回転ジャンプを3回ほど入れる必要がある。恐ろしい程の差。




また羽生選手がパトリックについて2011年のグランプリファイナル後に、興味あることを言っています。

「チャン選手とは、並んで滑りたくない、それが本音です。それほど、彼は『滑る』んです。たとえば、僕が60メートルのリンクを4歩で進むとしたら、彼は同じ距離を2歩で進める。またこれほど滑るからこそ、ジャンプも迫力のあるものを見せられる。彼の能力は、絶対に僕たちが見習わなければならないものですね」


また高橋選手も

「彼のすごいところは、練習ならば僕もできているかもしれない深いスケーティングを、プログラムの中でも見せられることです。さらに普通の選手と大きく違うところは、その滑りがプログラム後半になるにつれて、どんどん伸びるところ。後半になっても疲れがまったく見えず、むしろ後半の方がスピードが上がっていく。まさに理想的なスケーティングだと思います」


と基礎的なスケーティング部分やフィジカル・メンタル面で自分達との大きな差があると言っています。


でもアマチュアとしては、現時点でパトリックが上かもしれない。でも今回の世界フィギアで、観客のスタンディングオベーションを受けた選手は、高橋・羽生・ジュベールの3名だけ。更に観客を魅了するという点では高橋選手が断トツ上に見えた。


すなわちプロ選手であれば、毎年曲や構成、スケーティングまで変える高橋選手でしょう。でも点数を取るために勝つためのスケーティングはパトリックということです。


しかしオリンピックの金メダリストは、4年に1名しか得られない称号。このために高橋・羽生、そして今季は不調に終わったが同じ得点力がある小塚選手も含めて、今年の秋からまた新たな戦いが始まりそうです。


ソチ(ロシア)冬季オリンピックまであと1年10か月。色んな挑戦や調整できるのは、2012/2013の今季ぐらい。来年の世界フィギアは、何とパトリックの地元カナダ!来年の世界フィギアはオリンピック出場枠数最大3名がかかる大事な大事な大会。


今季のオフシーズンをどのようにチャレンジし、調整し、過ごすのか?でソチオリンピックに大きく関わってくるだろうと思います。

でも今年の世界フィギアで本当に素晴らしかったのが、高橋と羽生。