こんにちは。
自分はテニスをやるとき、「唯一無二の一球」と思いながら、練習や試合に励んでいる。
なぜなら、対戦競技である限り、そのフォーム・環境・メンタル面・相手の状況は、その瞬間以外二度と訪れない。その時その瞬間の打つボールを大切にしなければならない。
それをバレーボールの選手に当てはめると、現在の日本女子バレー界では、その存在が他には置き換えられない選手がいる。
それは間違いなく木村沙織。どう考えても、誰にも置き換わる選手がいない。まさに日本代表の宝。竹下→中道、佐野→座安、江畑→迫田など、ある程度活躍してくれそうな替わりの選手はいるが、木村沙織になると、全く思い浮かばない。2009年くらいのジャンプ力と攻撃力のある狩野であれば、数年度の成長で置き換わる存在になったかもしれないが、今の木村沙織の成長では、誰も追いつかない。それほど成長してしまったことをW杯で確信した。
※トップの画像は、ドイツ戦後に勝ったにも岩坂は情けなく泣き崩れてしまったところを木村が励ますというシーン。木村沙織というと天然で、いつも年下で明るい子って感じだったけど、もう上級生でエースなんだなと成長を感じさせてくれる写真で、これを見るとすごく嬉しいんですよね。
男子の清水がW杯で勝たなければ!エースが決めなければ!というプレッシャーに押し潰されたのは皆さんの記憶にもあるだろう。でもそれは木村沙織にも同程度思う存分のしかかっている。でも清水はスパイクがメイン。しかし木村沙織は、レセプションまでこないしている。コレがどれほど大変で、どれほど凄いことか。
バレーは3回以内で相手に返す競技。よって、木村沙織は66%を担っている場合が多々あるということ。基本バレーは6人なので、単純に割ると16.6%。だがレセプションとスパイクを担うとなると、前衛でも後衛でも必ず3回のうち1回は触る可能性が非常に高いということになり、おそらく木村は33%程度は全日本女子のプレーに接触しているといっても過言ではないだろう。
W杯バレーの個人成績を見ても、数字上にはっきりと結果がでている。
全てを見ても
・ベストスコア4位
・ベストスパイカー5位
・ベストブロッカー13位
・ベストサーバー11位
・ベストディガー10位
・ベストレシーバー3位
とスパイクに限らず、レセプション・ディグ・サーブ・ブロックまで全て高位置にランキング入り。しかもディグ・レセプションは各国代表のリベロを抑えてランキング入りしている。しかも彼女はセッターもできる。これほどの選手は世界を見てもいない。木村沙織は、バレー総合力のランキング付があれば、間違いなく世界No.1の選手だろう。天才・天才といわれていたが、ようやくこのW杯で自分も確信した。
木村沙織が東レを自由契約になったと知れば、世界中のバレークラブがスカウトしてくるのは確実と思われる。自分としては、今期で東レを最後にして、ロンドンオリンピック後にイタリアやトルコのプロリーグに参戦してほしい。彼女の場合は、今の日本よりも海外での方がディグやブロックで得るものがあるだろう。ファンは怒ったり、悲しむかもしれないが、日本の将来のためにも、1、2年くらいチャレンジする方向性もあると思います。
なぜ木村沙織は、ここまで成長できたのか?
【スパイクの進化】
2009年のグラチャン前のNumber webの記事にヒントがあることがわかった。木村沙織ファンの方なら、ぜひ読んでほしいです。
→http://number.bunshun.jp/articles/-/12522
木村選手は、2009年のグラチャン前の記事に記載されているように、
『トスをネットから離し、ブロックを見やすくしただけでなく、ボールにパワーをつけるため、空中でブロードしながら打つ、更には以前よりも打点を前にし打っていることだ。』
確かに、2010年のWGPのイタリア戦で見たときは、全く違う木村沙織がいて、1年かけてつくったフォームなのだとわかった。
また記者が 強いスパイクを打つだけでなく? と質問すると、
「どんなボールも強く打ち切るということも大事だと思うんですけど、それだけだと厳しい。アタッカーがブロックにしっかり当てた(リバウンドをとった)のにフォローできなかったり、という場面がある。そのへんのつながりはすぐ修正できる。点をとるのはアタッカーだけじゃないし、全員で一本を決めにいかないといけない。そういう戦い方をしないと日本は勝てないと思うから、雑にしないで全員で戦いたいと思います」
とフェイントやプッシュ、リバウンドや軟打の重要性とそれをフォローするチームの体制を投げかけている。この質問から2年後、本当によくフェイントなどの軟打を良く取り入れ、あらゆる相手のフォーメーションに対応した攻撃ができている。おそらくそれを江畑も学び、ベストスコア7位、ベストスパイカー7位と世界のトップスパイカーに仲間入りしたのだと思う。
全日本男子には今はこれが必要なのではないだろうか?単純ではないと思うが。。。
【レセプションの進化】
これはTVでもよく放映されていたが、毎日1試合で受ける数を全てポイントごとに受け、その時の気持ちになってレセプション練習をした結果のたまものだろう。更に、レセプション前に「手を組む」姿勢を示すことで、レセプション前に気持ちを落ち着け集中させるルーティンを取り入れることに成功した結果だと思います。
全日本男子にもお勧めしたい。ルーティンはスポーツメンタリティにはとても大事なこと。常に平常心で、練習と同じプレーが試合できること。
荒木絵里香がポイントした後+タイムアウト後のコートインするときもに『必ずサイドラインを踏む!』これも次のポイントへと切り替えるスポーツメンタリティの立派なルーティン。
そして上記のNumber記事には、スパイクもレセプションもして負担が多くないか?の質問に
『思ったことないですね(笑)。逆にありがたいというか』
この答えが全てだろう。木村選手はバレーが大好きなんです。一つでも多くのプレーに関わり、一つでもいいプレーをしたいと心から思ってるんでしょう。
バレーを楽しむ!ということが本能的にできている選手だと思います。男子も楽しんでほしい!真剣な気迫がこもった表情はあったが、バレーを楽しむという下記の2人のような表情が試合中少なかった気がします。たまにはスポーツにも笑顔は必要ですからね。
【メンタルの成長:エースとしての自覚】
(1)2009年のグラチャンの大会終了後→『自分が決めれなかったので負けた』とコメント→これが目覚めのきっかけ?
(2)2009/10のVリーグで優勝 and MVP→更に自信を深め、飛躍
(3)2010のWGPで1年かけたスパイクフォームが固まり、実績が出始める→世界で対等に戦えると自信
(4)2010の世界バレーで銅メダル獲得→メダルを取るためのチームづくりを勉強
(5)2011のW杯でブラジル・アメリカのトップ2を3ー0ストレートで撃破
木村はW杯が終わったあと、笑顔でこう語った。
「最初はチームがひとつになれていませんでしたが、大会を通じて一致団結していったのがわかりました。世界のトップとどう戦えば勝てるのかがわかりました。」
とこの言葉が全て。
今までは、自分達全日本女子が調子を上げても、相手が更に調子が上がるとどうしようもなかったような気がする。それが2010年最高のバレーと真鍋監督が称した世界バレーの準決勝のブラジル戦。あそこまで調子がいいバレーなのに、勝てない。昨年はどうして?どうやって勝てばいい?と思っただろう。しかし、今回は相手の調子如何でなく、調子さえも封じ込める完璧な戦い方ができたことがおそらくわかったのだろう。
ということは今後の全日本は、自分たちのバレーさえすれば、どの国でも必ず3ー0で勝てることができるという自信の表れのような言葉とも捉えられる。と考えたい。いやおそらくそうだと思います!!
この選手の才能は計り知れない。今後は更に進化し、ジュニア時代にはセンターもやっていたようなので、Bクイックなどにも入ってくるのではないか?と思われる。
というようなことを色々と考えながら、今週末からのVリーグを見ていくと今までと違った見方ができるので、すごい楽しみです!!
I
Volleyball!!

