はつこいからのてがみ
初恋の人から怜さんへお手紙が届きました。
怜、元気にしていますか?
今でも霊を呼び寄せる体質ですか?怜が写っている写真にはことごとく子供の霊がいましたよね。今でもそれはいい思い出です。
別れを切り出した私に、怜が「どうすればいい?何を直せばいい?」としつこく迫ったあの日から、もう11年が経ったのですね。月日が流れるのは早いものです。
あ、そうそう、お手紙を書いたのには特に理由はないんです。ただ部屋の掃除をしていたら怜からもらった「怜写真集」が出てきて、なつかしくなって。びっくりさせてごめんなさい。
別れてから気がついたのですが、怜は私がひどいことをしても黙って我慢するタイプだったから、私はあまり気に留めず振り回しすぎましたよね。あのとき、私よりも怜のほうがだいたい気持ちが重かったから、私は面倒くさがって「頼りない男は面倒くさいよ」なんて言い放って傷つけたと思います。頼りないのは事実だけど、もう少し他に言い方がなかったものかなぁと反省しています。
そういえば怜にとっては私が初恋の相手だったのかな?付き合った最初のころは、経験不足からか、やたらとがっかりさせられたのを覚えています。「次の日曜日、どうしたらいい?」「何がしたいか言って」などと、男のクセに指示待ちかと呆れたものです。今思えば、そういうところもかわいかったなぁとは思えるのですが、もう付き合いたいとは思えません(苦笑)。
とにかく一つ言えることは、若さゆえに、あのころの恋愛はとにかく真剣勝負だったということ。強い「好き」があるからこそ、強い「嫌い」もあったし、それは今ではもう味わえない感覚だと思っています。最後は少し面倒になってしまったけれど。
怜は今、怜らしく生きられていますか?あまり自分の強い意志を持たない怜ですから、ただなんとなく時間を過ごしていないか、少し気がかりです。
あれこれキツイことも書きましたが、それでも私は、理屈っぽいくせに何だかんだで理屈を超えて本気で愛してくれた怜のことが大好きでした。これからも怜らしさを失わず、それと「元気?」って聞くと「便器」って答えるのはそろそろやめて(笑)、新しい誰かと幸せになってください。
またいつか会いましょう。それでは。
P.S. 将来シャチョーになるって言ってましたね。どうなりましたか?
怜さんについての分析結果は以下の通り。
【短評】
アピールが弱い。恋愛において「受身」になりがち。浮気されたり乗り換えられる可能性はわりと高いほう。
【あなたの恋愛事情を考察】
女性にとっての「癒し系」である怜さんは、あまり男性くささを感じさせず、そもそも恋愛に発展する可能性も少ないのではないでしょうか。少なくとも「口説く」というアクションからは最も遠いタイプだと思われます。ここぞというチャンスをみすみす逃すことも多いように思われます。
怜さんは、どこかで女性側が恋愛をなんとかしてくれると、期待してしまっているのかもしれません。期待するのが嫌になれば、ただ諦めるだけになっているのかもしれません。自分のアクションで未来を創っていくという考え方がそもそもあまりないのかもしれません。
ここから言える、怜さんにありそうな問題点を列挙します。
◆告白されるか、好かれている確信が持てるまで、じっと待ってしまう。
◆アクションを起こせない自分を「マイペース」だと解釈している。
◆相手に不安や不満があっても、ぶつかれない。
◆言いたいことを言わないためにすれ違いが多くなる。
【もっと上手な恋愛のために】
怜さんは、まろやかな人当たりからして、恋愛に傷つき疲れた女性にはオアシスのような存在かもしれません。しかし充実していて自立している女性と恋愛関係に至ることはあまりなく、怜さんが自らの力で「恋愛」を生み出すことはあまりないようです。これでは恋愛の機会は激減するでしょう。
アクションの前に主体性を持つこと、主体性を持つ前に自信を持つこと、自信を持つために成功体験を積み重ねること、つまりはやはり先にアクションが必要なのですが、それを最初に搾り出す「勇気」と「折れない心」がその前に必要なのです。是非この機会に恋愛を考え直してみてください。