Merhaba ライターのZonです
オスマン帝国のハレムは、もしかしたらオスマン帝国外伝をみて知った、とか、興味がわいた、というかたが多いかもしれません。が、あんまり知られている部分ではないですよね、オスマン帝国の、トプカプ宮殿の、ハレムって。
ハレムに関してはいろいろご紹介したいことも多いのですが、今日はハレムにおける刑罰について
いきなり刑罰って…(笑)
ハレムは、本当に上下関係がものをいう世界で、他国からスルタンのために連れてこられた異教徒の女奴隷は、人生をかけてハレムの最高の位「ヴァリデ・スルタン」の座を狙うのです。
「ヴァリデ・スルタン」とは、つまりスルタンの母親のことです。スルタンの子を産んだら与えられる「ハセキ・スルタン」という称号は、まぁいえば、ハレムに何人いてもおかしくないわけです。しかし、「ヴァリデ・スルタン」というのは、ハレムにただ一人、唯一無二の絶対的な存在なわけです。そのスルタンを産むことができるのは、ただ一人、その女性だからです。
ハレムの支配権を握るため、女たちはありとあらゆる手段をつかい、スルタンの気を引こうと試みるわけで、ドラマではヒュッレムのようにときにずるいこともしながら最終的に皇后陛下になる女性もいれば、
試みに失敗する女奴隷もいたわけです。
それだけではないですが、なんせハレムでしくじったときは、もちろん罰が与えられ、最悪の場合は死刑なわけです。
どのように死刑にされていたか、というと
そうです、あの美しいボスポラス海峡に、袋詰めにされて沈められていたのです。確かドラマでは、マトラクチュが思いを寄せていたサドゥカが水没させられていました。
このボスポラス海峡への投水はどのように行われていたのかというと、まずはキスラル・アー(黒人宦官長)が、女奴隷をボスタンジュ・バシュ(庭園士頭)に引き渡します。
ボスタンジュ・バシュが、不運な女たちを袋に詰め、さらに石の錘もつけます。ボスポラス海峡に沈める役割を担ったボスタンジュ(庭園士)は、女が入った袋を乗せた船に縄をひき、それを自身がのる手漕ぎの小舟に結び付けて、海峡に漕ぎ出していきます。
沖合のほうまできたら、女が入っている袋を積んだ船を、縄をぐいぐいと引いて転覆させ、袋ごと水没させるのです。
命令が完了したことを黒人宦官長に伝え、一連の"作業"は終了です。
これはあくまで「個人」に対して行われていた投水なのですが、例えばスルタンの廃位計画とか、そういった類の重大犯罪が発覚したときは、何百人単位で、集団投水が行われていたそうです。
ハレムの刑罰、ではないのですが、ハレムの女が全員ボスポラスに沈められた有名な話がありますね。そうです、スルタン・イブラヒムの時代の話です。
イブラヒムはかなりクレイジーなスルタンで、彼はある時の放蕩の末、突然ハレムの女を全員水死させて、新人の女奴隷に総入れ替えする!という奇行…
ボスポラス海峡はきれいという言葉では表現できないくらい本当にキレイ、なんですが、ハレムの女性にとっては「刑罰の場」だったことも忘れてはいけないのです…
ヒュッレム・スルタン(ロクセラーナ)
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ミフリマー・スルタン
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大好きなイブラヒム大宰相
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スレイマン大帝の後継ぎセリム2世
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Zon.